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2013年3月1日
経営センサー3月号 2013 No.150

■今月のピックアップちゃーと

「中国一辺倒」が修正 次の狙いはアセアン市場 リスク分散が強化された日本の海外事業戦略

■特別レポート

個人も会社も共に成長する 「理想の職場」づくりの事例紹介

ダイバーシティ&ワーク・ライフ・バランス推進部 コンサルタント 塚越 学

【要点(Point)】
(1)「理想の職場」をつくるには、職場メンバーの「自己開示と他者受容」が前提となり、協働作業を行うことでお互いの気付きや学びを高め合う「ワークショップ」を行うのが効果的と考える。
(2)「ワークショップ」をより効果的に運営するためには、安心な場づくり、事前課題、ロールプレーイング、アクションプランの作成などといったさまざまな工夫が必要である。
(3)ワーク・ライフ・バランス実現には、個々人の意識や働き方の見直しだけでは足りず、職場メンバー全員で取り組むことが大切だ。「お互いに助け合う風土はお互いを知るところから始まる」ため、お互いを知る場を定期的に設けることが大切である。

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■経済・産業

第二期オバマ政権の経済政策運営 —「決められない政治」を脱却できるのか—

みずほ総合研究所 調査本部 政策調査部 上席主任研究員 西川 珠子

【要点(Point)】
(1)第二期オバマ政権の最優先課題は米国経済の再生であり、財政再建など重要課題で政策を前進させるには党派対立の克服が必要だ。
(2)「決められない政治」を脱却できるか否かは政策分野により異なるが、財政運営では妥協の余地が乏しく、不透明感は長引く恐れも。
(3)製造業の国内回帰が注目されているが、雇用創出効果はまだ限定的。政策的な支援の実現には、財政問題が制約要因として立ちはだかる。

■産業技術

医薬品業界の2013 年展望と課題 —制度改正に揺さぶられるなか、収益体質強化と生き残りを目指す動きが活発化—

クレディ・スイス証券株式会社 調査本部株式調査部 ディレクター 酒井 文義

【要点(Point)】
(1)2013年度は国内外で制度改正に揺さぶられる年になる。国内では2014年度の薬価改定、海外では米国でオバマケアの導入、欧州では医療財源、などが焦点となる。
(2)次のハードルは「2015年問題」。大型先発品の特許切れに直面した2010年問題から3年が経過したが、2015年以降に再び大型先発品の特許切れを迎える。2010年問題の教訓が生かされるか注目したい。
(3)筆者の最大の関心事は最大手の武田薬品工業が過去5年間に取り組んだ変革は成功するのかという点である。ミレニアムやナイコメッドの買収、研究開発体制の刷新が奏功すれば日本初のグローバルファーマとなる。

■視点・論点

「ハッピーサイジング」に挑め

専修大学 経済学部 教授 西岡 幸一

3月の大手企業の集中回答日に向けて、春闘(今や死語だが)の労使交渉が本格化してきた。アベノミクスの効用で産業界や消費者のマインドは好転し始めているが、本格的な賃上げの雰囲気はない。産業界の盟主、トヨタ自動車をはじめ多くの有力労組はベースアップ要求を見送ったし、シャープやパイオニアのように、そもそも統一要求から離脱しているところもある。定昇維持要求が精いっぱいだ。

■マネジメント

少子高齢化時代のなかで躍進を続ける ベビー・子供用品専門店チェーンの新たな挑戦 株式会社西松屋チェーンの戦略的な店舗づくり ~社長インタビューをもとに~

フリージャーナリスト 土井 弘美 株式会社西松屋チェーン 代表取締役社長 大村 禎史

【要点(Point)】
(1)店舗そのものを標準化、オペレーションのほとんどを本部主体とし、店舗の負担を少なくすることによって、安定的な利益を確保していく。
(2)家電業界などからエンジニアをスカウトし、商品開発チームを結成。ベビーバギーや三輪車など、ヒット商品を次々と生み出している。商品開発は、将来的に衣類にも及んでいく計画だ。
(3)海外出店も視野に入れつつ、国内でのシェア拡大をねらう。
(4)商品の生産・仕入先は現状中国が中心となっているが、リスク分散のために新たな拠点を開発中。

■環境・エネルギー

太陽光発電ブームが起こすビジネス革命

東京大学 総長室アドバイザー 村沢 義久

【要点(Point)】
(1)太陽光発電は全く新しい産業であり多くの中小新興企業群が参入している。
(2)これら企業群は、従来の大企業中心のピラミッド型ビジネスモデルを打破し、新しい対等な水平分業型のモデルを築いている。
(3)この新しいビジネスモデルは他の産業にも波及し、日本の産業構造全体を変える可能性を持っている。

■アジア・新興国

正念場を迎えるアルゼンチン経済

公益財団法人 国際金融情報センター 中南米部長 桑原 小百合

【要点(Point)】
(1)アルゼンチン経済は、2003年以降11年まで主要輸出品である穀物をはじめとする1次産品の価格高や拡張的な財政・金融政策を背景におおむね9%前後の高成長を続けた。
(2)アルゼンチンは、米国、ブラジルに次ぐ穀物・油糧種子の主要生産・輸出大国であり、世界的な食糧資源の安定供給を確保する上で、今後も重要な役割を果たしていくであろう。
(3)経済活動への国家介入の強化、政策立案・実施に関する透明性の欠如や予見性の低さが、長期的な発展に向けた生産的投資の阻害要因となっている。アルゼンチン経済の先行きは、穀物の国際市況と国内生産を左右する天候、ブラジル等主要貿易相手国の景気動向次第であり、その不確実性は極めて高い。

■経済用語解説

ちょっと教えて!現代のキーワード 

「実効為替レート」「BEMS」

■お薦め名著

『真剣』 −老師に学ぶ現代の稀薄な真剣さ−

海道 龍一朗 著

■ズーム・アイ

鳥の目・虫の目・魚の目

調査研究部門 永池 明日香

私は展望台から景色を見るのが好きです。東京タワーをはじめ首都圏はもちろん、関西、九州などに出かけたときも思わず立ち寄りたくなります。とはいえ、いまだにスカイツリーにのぼっていないので、筋金入りとは言えそうにありません。もちろん、単純にロマンチックな夜景や景色などを見るのも好きなのですが、何かに悩んだときにも、ふと展望台にのぼって景色を見たくなります。というのも私の場合、展望台から景色を見ていると、自分を客観的に見る目を持つことができるからです。そんなわけで、何かに行き詰まったり、悩んだりしたときは展望台から周りの景色を見て、この広い世界(日本?!)の中で、自分の悩みなど本当にちっぽけなものなのだと再認識し、また頑張ろうと思いを新たにするのです。私の大事なリフレッシュ方法のひとつです。