close

2019年4月16日
おもてなしと過剰サービスの境界線
コンサルタント
永池 明日香

 私は、海外旅行が好きで、夫と毎年行くようにしています。もちろん、国内旅行も好きなのですが、海外に行くと、日本とはまた違う生活や文化を体験することができるとともに、あらためて日本の良さに気が付くことが多いです。  年末にバリ島に行った際、深夜にデンパサール国際空港に着いたのですが、イミグレーション(入国審査)が大混雑、年末だから仕方がないのかもしれないですが、窓口が10 カ所以上あるにもかかわらず、4 カ所ほどしか職員がおらず、全く進みません。時に窓口が3 カ所になったりします。イミグレーションには恐ろしいほどの行列ができているのですが、それでも特に焦ることもなくのんびり対応しており、結局2 時間以上かかりました。日本であれば、混む時期や時間には職員を増やして対応する等、もう少し工夫するだろうと感じ、ぐったりしました。  また、以前アメリカに行ったとき、想定したよりも寒かったため、タイツを購入しようと何気なくコンビニエンスストア(以下:コンビニ)に入ったのですが、飲食関係のものばかりで、日用品は全くありません。これではコンビニエンスではないのでは? と思ってしまいましたが、日本とはコンビニの定義が違うのです。  外国人から見ても、日本は素晴らしいという面が多いようです。  「電車が時間に正確なのが素晴らしい。本数も多いから、乗り遅れても困らない」という声。また、「お店で買い物をしたとき、店員さんが出口まで買い物袋を持ってくれたことがうれしかった」を初め、店員さんが親切という声もあります。最近プラスチックごみで話題になっているレジ袋ですが、無料なのは海外から見ると珍しいことのようです。居酒屋チェーンのタッチパネルも写真入りでメニューが表示されているため、外国人から好評とのこと。さらに、私が先にあげたコンビニについても、日本のコンビニでは、日用品がなんでもそろい、コピー機やFAX、銀行のATM もあり、公共料金も支払える便利さに訪日外国人は驚くそうです。  このように、日本人から見ると当たり前であっても、外国人から見ると素晴らしいと感じるものはたくさんあります。日本のサービスの良さは世界一ではないかと思います。サービスが良いのはいいのですが、過剰サービスも多い気がしています。今、日本でもコンビニの24 時間営業は必要かという議論が持ち上がっていますが、24 時間営業をするのであれば、そこで働く人が必要です。人手不足の日本で今のまま継続していくのは困難になってくるでしょう。  ドイツでは、従業員の生活を守るため、お店が営業できる時間が法律で定められています。日曜日は、一部の店(ガソリンスタンドやレストラン等生活に必須のお店や、空港、中央駅のお店など)を除き閉店です。ドイツ人はそれを当たり前だと思っているため、特に不便は感じないといいます。  お客様のために、とサービス向上に努めてきた日本、そしてそんな便利さを当たり前に感じる日本人…。一度、立ち止まって考える時期に来ているのかもしれません。おもてなしと過剰サービスの境界線は難しいですが、働き方改革を国全体で進めていくのだとしたら、便利さだけでなくそこで働く人の生活を守ることも、併せて大事になってくるのではないでしょうか。