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2007年7月1日
繊維トレンド7・8月号 2007 No.65

■特別レポート

繊維産業シンポジウム 『北陸産地の復権を目指して』 欧・中・日のファッションの方向性

デザイナー ノーツ株式会社 常務取締役 田山淳朗

 去る3月9日に、金沢市の石川県立音楽堂コンサートホールにおいて、東レ株式会社と株式会社東レ経営研究所の共催で、繊維産業シンポジウム『北陸産地の復権を目指して』を開催しました。当日は、タビオ株式会社の越智直正代表取締役社長、ノーツ株式会社 田山淳朗常務取締役、東レ株式会社 武田敏之取締役の3人の講師に、それぞれの視点からの競争力強化に向けた提言として講演いただきました。本号では、前号でご紹介した越智社長と武田取締役に引き続き、田山淳朗氏の講演内容をご紹介いたします。

■海外動向

下期の市況を読む -新価格体系構築へ新しい挑戦始まる-

向川利和 特別研究員 繊維産業アナリスト

【要点(Point)】
(1)主要先進国で景気拡大の期間が長くなっている。4月にワシントンで開催されたG7財務相・中銀総裁会議では、「世界経済は過去30年で最も力強い成長過程にある」と位置づけた。米・英は15年目、豪州は16年目、日本も6年目の景気拡大局面にあり、新興国群BRICsも堅調局面が続く。あとに続く、VISTAも勢いがある。中でも、中国とインドは過熱感すらでてきた。
(2)マクロ経済拡大の中で、合繊メーカーの全社決算もおおむね好業績となった。ただし、繊維事業は黒字でも、他事業と比べると利益率や利益貢献度で見劣りする。原燃料価格上昇分の転嫁が最重点課題とされる一方で、安定収益を確保するための合繊メーカーの新しい挑戦が始まる。

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中国内販のプロモーション戦略 -費用負担も中国ダイレクトならリーズナブル- 旭化成中国大賞の事例

坂口昌章 客員研究員 有限会社シナジープランニング 代表取締役

【要点(Point)】
(1)中国国際ファッションウィーク(CFW)組織委員会と旭化成グループ(旭化成株式会社・旭化成せんい株式会社)が共同開催することを発表した「旭化成中国ファッションデザイナー創造大賞(略称:旭化成中国大賞)」は、中国ファッション業界にとって歴史的なイベントとなるだろう。
(2)旭化成は2004年から、水着キャンペーンモデルを日本人1名、中国人1名起用している。中国人モデルは中国国内のモデルコンテストの優勝者。その背景には、アジアファッション連合会(AFF)による日中交流があった。
(3)中国ではミスコン、モデルコンテストがブームであり、予選を含めると1,000件以上の審査会が行われ、そのほぼすべてで水着審査を行っている。モデルコンテストは最も効果的なファッション水着プロモーションの手段である。
(4)中国内販プロモーションという視点から見ても、極めて高い費用対効果が期待できる。日本並みに高い中国のテレビCM費用を考えると、スポンサーとしての旭化成の負担は微々たるものである。

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中国財務デューデリジェンスの事例分析 その1

あらた監査法人 内部統制アドバイザリー部 公認会計士 齊藤公彦

China News チャイナファッションウィーク -進む国際化、必然であり自然な流れの産官学連携、業界最大イベントで冠スポンサーとなる大きな意義-

横川美都 研究員

3月17日から25日の9日間にわたり、北京で開催された中国国際時装週CHINA FASHION WEEK(以下CFW)07/08 秋冬コレクションの様子をご紹介します。CFWの趣旨などについては、弊誌バックナンバー2007年1・2月号に詳しいので、今回はコレクションのリポートです。 

量から質への転換に迫られる中国合繊長繊維織物業界 -織物輸入大国 中国の実態と自給化の動向を探る-

小山英之 特別研究員

【要点(Point)】
(1)東アジア地域の合繊長繊維織物業界は、再度、熾烈な国際競争の時期に突入しようとしている。これから展開されるサバイバル戦争は、中級品の上層部~ミドル高級ゾーンの差別化定番織物であり、その要因は、中国が今後、本格的に技術・品質のレベルアップを開始することによる。
(2)中国縫製業は、世界トップクラスの技術力を誇り、世界のアパレルセンターの役割を果たしている。日韓台の合繊長繊維織物の中国縫製加工依存度(中国縫製向け出荷/生産)は、台湾55%、韓国25%、日本30%と高率になている。中国合繊長繊維織物業界の「量から質への転換戦略」の当面のターゲットは、韓台品の自給化であるが、高度技術・小ロット対策で国際分業を進めている北陸産地も、安閑とできない情勢を迎えている。

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日本発プレタポルテラグジュアリーブランドの創造に向けて -その2 JAPAN COOL :日本の何が世界の人々を魅了しているのか-

小林元 特別研究員

【要点(Point)】
(1)宮崎アニメの創造はイメージ作りから始める。論理立てからではない。
(2)日本人は生来並外れた想像力を持つ民族であり、その想像力の根底には“共生の思想”が存在する。
(3)世界の人々は、我々が持つこうした深い精神性にようやく気づき、共感し始めた。

■国内動向

シリーズ高コスト先進国における企業生き残りのKey Factor -第2回 ファッション・マーケティング研究における方法論としてのケーススタディ-

青山学院大学経営学部専任講師 ヘリオット・ワット大学経営大学院ロジスティクス・リサーチ・センター 研究員 東 伸一

【要点(Point)】
(1)「知識」を様々な視点から捉えることによって、ケーススタディ・アプローチのファッション・マーケティング研究における実践的な有用性を見出すことが可能となる。
(2)ケーススタディ・アプローチは、他の科学的研究法とは異なる性格をもつ面があるが、経営学やマーケティングのような実務的応用の可能なツールや理論を求められることの多い研究領域で、その特異な役割を果たす可能性を秘めている。
(3)ケーススタディ・アプローチによる「理論」は、普遍的な一般性ではなく、個別の状況依存的なものであるが、これは組織と環境の有機的な関係を考えると、実践的な知識としての性格を示唆している。

リアルクローズ市場への欧米大型SPAの参入 -ファストファッションが日本市場に与えるインパクトを探る-

安楽貴代美 繊維調査部

【要点(Point)】
(1)2006年度の世界の衣料専門店の4強は、GAP社、LIMITED社、INDITEX社、H&M社であるが、その中で、新興勢力となるINDITEX社とH&M社は独特の強みを持ち、ファストファッションと呼ばれる。
(2)2008年秋に予定されている「H&M」の日本上陸以降、外資ブランドの流入が相次ぐと予想され、彼らの流通政策は販路として好立地の路面店と郊外SCを設定するだろう。
(3)グローバルな展開で、オペレーションシステムの精度を上げて発展している外資の流入の前に、日本国内大手アパレルの対応が迫られる。

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■新市場・新製品・新技術動向

シリーズ 無店舗販売の可能性を探る -直営店の一つとして、「接客」をも追求する- サンエー・インターナショナル ショッピングサイト「セレクソニック」

フリージャーナリスト 土井弘美

 

【要点(Point)】
(1)サンエー・インターナショナルは、2006年3月に自社商品を販売するショッピングサイト「セレクソニック」を立ち上げた。このサイトは現在急速に発展しつつある。
(2)その目的は、直営店の一つとして実店舗との相乗効果を上げていくことにある。
(3)最大の特色は、ネット上での「接客」に取り組んでいること。梱包もていねいに行い、メールでのやり取りも頻繁だ。
(4)その意味で、働いているスタッフにも同社で販売経験を持つ者が多い。

■知りたかった繊維ビジネスのキーポイント

欧州新化学品規制(REACH)と繊維産業

日本化学繊維協会 技術グループ 主任部員 大松沢明宏

■「中国繊維ファッションビジネス研究会」インフォメーション

「中国繊維ファッションビジネス研究会」第9回オープンセミナー開催報告

■統計・資料

主要合繊輸出入統計 I.主要短繊維糸・織物の相手国別輸出入統計

1.綿織物輸出  2.純綿糸輸入統計  3.綿織物輸入  4.ポリエステル綿混織物(T/C)輸入

II.主要長繊維糸・織物の相手国別輸出入統計

1.ナイロンフィラメント(N-FY)の輸出       2.ポリエステルフィラメント(P-FY)の輸出 3.ポリエステルステープル(P-SF)の輸出    4.アクリルステープル(A-SF)の輸出 5.ポリエステル長繊維織物の輸出        6.ポリエステルフィラメント(P-FY)の輸入 7.ポリエステルステープル(P-SF)の輸入