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2017年2月22日
目前に迫ったクルマの自動運転
自動車メーカーに産業構造転換の危機 まずは異業種とのビッグデータの争奪戦へ
シニアエコノミスト
福田 佳之

・自動運転機能を持つクルマが市場に投入されている。自動運転の開発は自動車メーカーがもともと取り組んでいたが、ITなど異業種の参入が開発を加速させた。異業種の参入には自動車のメガサプライヤーや半導体メーカーの貢献が大きい。 ・技術的課題は、自動運転プラットフォームの高度化・小型化・低価格化、高精度地図や関連インフラの整備、ヒトとのやりとりの仕方、サイバーセキュリティがあり、社会的課題は、関連条約・国内法の改正、事故時の責任の所在、社会での理解浸透などがある。 ・自動運転車開発に関して2年前との違いは、①AIの活用進展、②異業種の自動運転車市場へのスタンス変化、③自動車メーカーの走行ビッグデータ獲得への動き、がある。特に③について自動車メーカーと異業種企業は自動運転車の販売ではなく、走行ビッグデータの獲得を巡って対立することとなろう。 ・自動運転車は2020年以降、地方から普及していき、2030年には街中に出現するが、規制改革や法制度整備の進展具合によっては欧米での普及の方が速い可能性もある。 ・2030年以降、先進国を中心に自動運転車が普及し、ライドシェアが理解浸透する。その結果、先進国内の自動車の販売台数は減少して自動車産業は構造転換を迫られるだろう。今後10年程度で自動車メーカーはこれまでのクルマの売り切りビジネスから脱却できるかどうか注目される。

【キーワード】

自動運転車、人工知能(AI)、交通事故、移動サービス、自動運転プラットフォーム、メガサプライヤー、ディープラーニング(深層学習)、3次元地図、車車間通信、路車間通信、ヒトとのやりとり(Human Machine Interface)、サイバー攻撃、ジュネーブ条約、ウィーン条約、道路交通法、事故時の責任の所在、ビッグデータ、ライドシェア

PDF : TBR産業経済の論点 No.17-02(678K)