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2011年3月1日
経営センサー3月号 2011 No.130

■特別レポート

今はただ、イノベーションの実行あるのみ!

一橋大学イノベーション研究センター センター長・教授 米倉 誠一郎 氏

東レ経営研究所では、2010年10月13日、経団連会館にて、「日本社会・企業の進むべき道」と題して、2010年度特別講演会を開催しました。 本号では、一橋大学 イノベーション研究センター センター長・教授 米倉誠一郎氏の講演をご紹介します。

PDF : 詳細(PDF:1,857KB)

 

21世紀の企業と大学の関係を模索する

東京大学 総長室アドバイザー 村沢 義久

【要点(Point)】
(1)「早すぎる就活」は本質的な問題ではない。経済の本格的なグローバル化の中で、企業と大学の関係が問われている。
(2)大学は、学生に社会が求める能力を習得させる場に変身する必要がある。
(3)企業側も必要な能力について積極的に発信すべきである。

■経済・産業

幸福度世界一位、デンマークの成功要因 -小国デンマークの知恵から学ぶ、日本の国づくりの秘訣-

デンマーク大使館 インベストインデンマーク 投資担当官 中島 健祐

【要点(Point)】
(1)デンマークは日本人が有しているイメージとは異なり、高福祉に加え先端産業が発展しており、国民幸福度世界一位の国である。
(2)デンマークが成功している要因として、「高度な民主主義」、「差別化とイノベーション」、そして「先進的な教育システム」の存在がある。
(3)日本が小国デンマークの知恵を活かし、新しい「価値理念」を確立できれば、国際社会でリーダーシップを発揮することができる。

 

FTA戦略で先行する韓国 -迅速な判断で貿易政策の主軸に-

日本貿易振興機構 アジア経済研究所 主任調査研究員 奥田 聡

【要点(Point)】
(1)停滞するWTOを見限り、韓国はいち早くFTA拡大に舵を切った。大国とのFTA合意で注目を浴びる。
(2)主要な4つのFTAで韓国は218億ドルの輸出純増。一方、日本は112億ドルの輸出減。
(3)韓国の経験から、日本にはリーダーシップ、ビジョン提示、農業および非関税部門の大胆な開放が必要。

■業界展望

「観光立国」目指す日本、高成長見込まれるアジアの旅行者を取り込むには

永井 知美 産業経済調査部 シニア産業アナリスト

【要点(Point)】
(1)生産年齢人口(15~64歳)の急減が予想される中、日本は多くの分野で需要が減少すると見られる。日本の需要縮小、新興国市場の拡大という状況に、日本企業はどう対応しようとしているのだろうか。ここでは、アジア、とりわけ中国旅行者という外需取り込みで成長を図る観光分野を事例に、内需縮小への対応を見ていく。
(2)足元の旅行需要は回復傾向にあるが、日本人の国内旅行、海外旅行は中長期的に減少すると見られる。日本人の旅行需要減少を補い、観光による経済活性化を図るには、訪日外国人旅行者を増やすのが有効である。
(3)内需縮小という現実を前に、政府は観光重視の姿勢を強めている。2010年の訪日外国人旅行者数は過去最高を更新したが、外国人旅行者受入数でみると、2009年の日本の受入数は世界第33 位にとどまり、「観光立国」とは言いがたい。
(4)2010年時点で、訪日外国人旅行者数は多い順に韓国、中国、台湾、米国、香港。伸び代が大きいのは人口規模が大きく、経済成長著しい中国である。
(5)旅行熱の高まるアジアからの旅行者を増やすには、観光地の整備などハード面充実のほかに、外国人を敬遠しがちな宿泊施設の意識改革など、ソフト面の変化も必要だろう。

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■視点・論点

乱世を生きる -「500年紀」試論-

元株式会社東芝 代表取締役 専務 和久本 芳彦

はじめに:21世紀になってから早くも10年が過ぎた。「10年一昔」というが、西暦2000年は世紀の変り目であると同時に千年紀の変り目であり、「ミレニアム」騒ぎに明け暮れた年であった。このことは既に人々の記憶から遠のいているように思われる。

■マネジメント

元気なモノづくり中堅企業に学ぶ トップインタビュー(第12回) 高度な技術の粋を集めて医療教育用のシミュレータを開発する

株式会社京都科学 社長 片山 英伸 氏

【要点(Point)】
(1)京都科学は、株式会社島津製作所(京都市中京区)の旧標本部が出発点となった企業で、人体解剖模型の製造が事業の出発点であった。
(2)現在、その業務範囲は、各種、医学・看護教育用シミュレータの製造から、歴史文化財のレプリカ作成まで幅広く、他社の後は追わず、独自のモデル開発を重視している。
(3)同社による医学・看護教育用シミュレータの国内シェアではおよそ半分と高く、正確無比な製品は海外からも評価が高い。
(4)今後は、積極的に海外へ販路を拡大していく。

 

中国における外資の役割 社会的課題解決への取り組みを中心に

浦上アジア経営研究所 代表 浦上 清

【要点(Point)】
(1)改革開放以来、中国政府は外資利用を重要な国家戦略と位置づけ、外資を経済発展の重要な牽引力として活用している。中国における外資は既に中国経済の重要な構成部分になっている。また、中国政府の外資政策は中国経済と社会の発展段階に応じて変化している。
(2)中国の経済・社会環境は、中国で事業を行うすべての企業に対して、この国の発展段階に応じたさまざまな社会的課題を提起している。外資系企業が中国で事業を推進するに当たっては、中国の社会的課題解決への取り組みの姿勢が大切である。
(3)本稿では中国の外資利用の歴史を概観する。また、企業の社会的課題解決への取り組みの事例として、日立グループの環境事業分野における日中合作プロジェクトを紹介する。本稿を通して中国における外資の役割について視点の提示ができれば幸甚である。

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■経済用語解説

ちょっと教えて!現代のキーワード 

「人口オーナス」 「OECD 景気先行指数」

■お薦め名著

『つながる脳』 ─脳科学はヒトを幸せにできるか─

藤井 直敬 著

■ズーム・アイ

調査研究における帰納法と演繹法

産業技術調査部長 鶴見 徹

2月12日の朝刊によると、混乱が続いていたエジプトでついにムバラク大統領が辞任したようである。軍最高評議会が国家運営のための権限を掌握したが、軍による全権掌握は、選挙で選ばれた新政府発足までの一時的な措置との考えが示されているようである。エジプトが今後どのような方向に進んで行くのかが明瞭になるまでには、今しばらく時間が必要と考えられる。

■今月のピックアップちゃーと

主要先進7カ国最下位の常連に~日本の労働生産性(2009年)はOECD加盟国33カ国中22位~