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2005年1月1日
繊維トレンド1・2月号 2005 No.50

■特別レポート

『ユニクロ』第2のチャレンジ  「世界品質」宣言、世界一のカジュアル企業に向けて -「世界」と勝負する『ユニクロ』 -

株式会社ファーストリテイリング 代表取締役会長 兼 CEO 柳井 正  (インタビューア 深津 孝男 取締役 繊維調査部長)

【要点(Point)】
(1)『ユニクロ』は、1999~2000年のフリースに代表される爆発的ブームとその終焉という踊り場を経て、2004年8月期決算の発表に併せて、「世界品質宣言」、「低価格脱皮宣言」をし、新たなステージに踏み出した。
(2)『ユニクロ』は、国際展開を本格化し、世界一のカジュアルメーカーを目指す。
(3)『ユニクロ』は、国内外の新たなステージに向けて、単品訴求から、コーディネート提案を強化する。
(4)『ユニクロ』は、ジャパン・オリジナルとしてのハイテク・カジュアルも核に加え、あくまでも、ベーシック・カジュアルを突き詰めて開発する。

■海外動向

シリーズ「 何処へ行くか“世界の市場”化-中国 」  第3回 2つの自由化で第転機を迎える 

日本繊維新聞社 編集委員 森下 敬一

【要点(Point)】
(1)昨年6月施行の新商業弁法はその運営をめぐって来春あたりまで混乱が続きそう。授権は地方政府(直轄都市含む)にあるが、ともに機能はストップ。だから12月1日の100%外資流通企業の誕生は90日後の来春の見通し。
(2)クオータフリーの動きは中国、米国中心に内外市場に大きな波紋を投じている。来年物の買い付けの増大、カシミヤ商品は価格のハネ上がり示現。
(3)上海市の小売市場は南京西路―靜安寺周辺や徐家匯地区を中心に引き続き巨大商業施設の計画が進んでいる。小売市場は「10・5計画」の05年5兆元は1年前倒し実現見込み。更に拡大方向が組まれ、巨大商業施設はその受け皿となる。
(4)中国の小売市場は、92年の流通外資の開放、そして01年のWTO加盟とまさに1世紀かかるような発展をたった10年間で成し遂げた。WTO加盟時に約した外資に対する流通開放本番を前に、更なる成長路線に乗り、再編や質的変貌を含みつつどう軟着陸を可能にするか。国際的な競争はむしろこれから始まる。

シリーズ「実践 中国ビジネスの果実と毒・・・中国ビジネス成功の秘訣」  第6回 中国流通市場における規制緩和のポイントと日系企業の課題  -外商投資商業領域管理弁法により、2004年12月11日以降、何が変わり、何を注意すべきか-

中国ビジネス研究所所長 中国弁護士 馬 英華

【要点(Point)】
(1)「新弁法」により、従来のような厳しい出資者条件をクリアする必要がなく、独資によっても商業分野(外国貿易と国内流通)への進出が可能となった。
(2)「新弁法」により、小売業は地理的制限なく進出が可能となった。
(3)但し、「新弁法」の実施細則が規定されてないこともあって、運用は中央政府の解釈次第で決まる可能性がある。
(4)但し、3のポイントもあって、公司法上の最低資本金で必ずしも会社を設立できる訳ではないので、十分に検討したF/S(事業計画)及びある程度の投資金額を準備しておく必要がある。
(5)但し、保税企業は経営範囲拡大によって商業分野に進出できない可能性があるので、保税地区に対する扱い、実施細則の内容等、継続して規制情報を収集していく必要がある 。

2004年の回顧と2005年の繊維市況展望  -日本の合繊産業-新潮流の中で得手に生きる道をさぐる- 

向川 利和 特別研究員 繊維産業アナリスト

【要点(Point)】
(1)日本の繊維産業は、長い「冬の時代」の試練を経て、生き残り―復権への道を歩んでいる。クオータフリーやEPA・FTAの進展など、新潮流の中で経営戦略の真価が問われている。
(2)合繊業界では「選択と集中」の中で、得手に生き残る道をさぐり続けている。全方位事業運営を目指す東レ、産業資材への傾斜を強める東洋紡、独自路線のクラレなど。キーワードは「産業資材」。
(3)原油価格は米大統領選後にやや軟化したが、依然として歴史的な高値圏で推移している。イラクでの局地的な戦闘など相場撹乱の火種はつきないが、相場はすでに沈静過程に入っているとみる。合繊原料、合繊ファイバー市況とも、今年は落ち着いた一年になろう。

2008年までの世界の合繊需給

日本化学繊維協会 業務調査グループ 主幹 杉原 克

【要点(Point)】
(1)世界の合繊消費量は、2003年の2,950万トンから2008年には3,850万トンへ、年率5.5%で増加する見通しである。
(2)中国がマクロコントロールに成功すれば、2008年の世界の合繊生産は3,900万トンとなり、需給はほぼバランスする見通しである。
(3)今後の世界の合繊需給は中国に大きく影響される。マクロコントロールが本格的に奏功するのは2006年以降であり、それまで世界の合繊需給は供給過剰傾向が続くものとみられる。

■国内動向

シリーズ「ファッション・リテイリングの最新動向」 第3回 国内SC開発動向とテナント環境変化

株式会社小島ファッションマーケティング 代表取締役 小島 健輔

【要点(Point)】
(1)ここ数年、売り場面積30,000m2超の大型ショッピングセンター(以下SC)の開発ラッシュとなっており、その主体は、イオングループ、ダイヤモンドシティ(イオン、三菱商事共同出資)である。一方で出遅れたイトーヨーカ堂は、三井不動産やパルコと組んで挽回を急いでいる。
(2)SC間の競争激化で各商圏が縮小する中で、三井不動産をデベロッパーとするSCをはじめとして、地域密着/小商圏型のライフスタイルセンターが増えつつある。
(3)百貨店を核にしたSCは開発が進んでいない。その要因としては、都心店に比べ販売効率が低いこともあって、有力ブランドの出店拒否、思うにまかせないNBの供給、採算が見込めない自主MD売場などがあげられている。

新時代に対応するテキスタイルコンバーターの挑戦 - 株式会社サンウェルのIT企業型仕組みづくり -

有限会社シナジープランニング 代表取締役 坂口 昌章

【要点(Point)】
(1)IT企業の隆盛が目立つが、IT企業と繊維関連メーカーではビジネスに対する発想がまるで異なる。メーカーはビジネスの中心を商品に置くが、IT企業は仕組みに置く。現在は、ビジネスの仕組みづくりが重要な課題である。
(2)アパレル製品の調達の仕組みが、「商社丸投げ」により大きく変化し、テキスタイルコンバーターは次々と淘汰されていった。テキスタイルコンバーターが生き残るには、変化する仕組みに自社の体制を対応させなければならない。製品対応、中国生産、インターネット活用、小口顧客の開拓、東京拠点の整備等が課題である。
(3)株式会社サンウェルは、船場の問屋からスタートした保守的なテキスタイルコンバーターだが、若手の意見を重用し、考えられる全ての課題に積極的に対応している。
(4)インターネット上で在庫確認ができて、サンプルオーダーも可能な「SUNWELL-NET」は急激な成長を見せ、一般消費者、学生などの個人客も増加している。
(5)経済成長期のサクセスストーリーは「他人より早く」だったが、衰退期では「時機が成熟してから」「他人の結果を見てから動く」ことが重要になる。

生活者のインテリア事情 - 生活者ニーズ対応と新しいライフスタイルの提案 -

伊藤忠ファッションシステム株式会社 エディティングスタジオ 小原 直花

●生活者の住空間への関心が高まる分、こだわりも多くなっている。特に団塊ジュニア以下の世代にとっては、自分の心地よい空間をどのように作り出すか、演出するかが重要になっている。 ●今後彼らが家庭を築き、ますます住への関心が増すことを考えると、インテリア市場は有望なマーケットと考えられる。 ●住宅事情もさることながら、彼らのニーズを把握した上で、商品やサービスを提供することこそが今後のマーケットには必須になる。

シリーズ「既成の枠に捉われないローカル出身の革新的企業の台頭」 第2回 ハニーズのプロセス・イノベーションとその背景 

ヘリオット・ワット大学経営大学院 ロジスティクス・リサーチ・センター研究員  流通科学大学附属流通科学研究所 専任講師 東 伸一

【要点(Point)】
(1)小売業全体の売上が減少傾向にある中、地方出身専門店企業の躍進に注目が集まっている。
(2)婦人服専門店業界においても売上規模が縮小しているにも関わらず、高い成長性をもったローカル出身専門店が現れている。
(3)福島県いわき市に本社を置くハニーズは、80年代に企画製造小売業となったSPAの草分け的存在である。
(4)ハニーズは企画から生産・物流・店舗オペレーションに至る一連のオペレーションと出店特性の一致により競争性を発揮している。
(5)今後、郊外SCへの大手アパレル参入が予想される中、ハニーズのオペレーションは全国区の競争力を試される。

■知りたかった繊維ビジネスのキーワード

ポストATC

日本化学繊維協会 業務調査グループ 国際担当 主任部員 中村 巌

世界の繊維品貿易については、下表の通り、過去40年以上に亘り枠規制による輸入数量制限が行われてきたが、本年1月1日より、完全な自由貿易体制が実現した。

■統計・資料

I. 日本の合繊各社の主要海外繊維生産拠点リスト(2005年1月) 

東レ/帝人/旭化成/三菱レイヨン/カネボウ/東洋紡/ユニチカ/クラレ/東邦テナックス 

II. 日本の紡績各社の主要海外繊維生産拠点リスト

ダイワボウ/シキボウ/クラボウ/富士紡/日清紡/ 日東紡/近藤紡績所/都築紡績/稲留紡績/オーミケンシ/トスコ