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2017年2月1日
繊維トレンド1・2月号 2017 No.122

■ファイバー/テキスタイル

ミラノとパリから2017/18 年秋冬の生地トレンド オーディオ装置で織編み地の柔らかさを測定する オーストリア・レンツィン社の技術開発

株式会社インテグレード 代表取締役社長 欧州繊維専門月刊誌『Twist』 在日特派員 永松 道晴

【要点】
(1)
第23回ミラノウニカのスローガンは『新たなる幕開け』で、耐候性を前面に出した機能性指向、伝統柄の組み直し、そして突出したエレクトリックブルーの強調、この3 点が2017/18 秋冬に提案された。秋冬シーズンにふさわしく、細物ウールやアルパカ、カシミヤ、シルク、それにモヘア等の天然高級素材が、英国やイタリアの紡績中心にさまざまなコレクションとして上手く取りそろえられている。
(2)
ブランド力のある天然素材に引き続き価値が置かれ、メリノウール、特別のエスコリアルウール、シェトランドウール、ウエルシュフリース、さらにヨーロッパリネン、スーピマ、エジプト綿、それにコモシルクといった具合だ。このような素材の出所で差別化することが重視されている。
(3)
軽快で前向きな雰囲気のもと穏やかな冬を装飾的なしつらえと明るい色で演出したプルミェールヴィジョンは不安の渦巻く欧州にあって市場が前向きに動いていると感じさせるような安堵感が漂い、倫理的な生産を追求する高級品質に向かって多岐にわたるデザインの訴求という形で会場全体が展示されている。
(4)
シルクや綿のプリント・織り編みへのオーバープリント、ウール地に花柄刺繍、ジャカードパターンに大小の花柄の織り込みなど花柄が多くの展示品に使われている。その一方、アスレチック用途に必要な本格的な機能性と気楽な都会人とのギャップを橋渡しするアスレジャーを謳った織物やジャージーが引き続き注目を集めており、それがラグジュアリーなスーツやコートの裏地にも及んでいる。
(5)
オーストリアのレンツィン社は、衣料の購買ではデザイン・スタイル・色・パターンそして価格に先立って生地の柔らかいことが消費者の第一番の購買動機だとの認識に基づいて柔らかさを「見える化」する物理的な測定方法を開発した。その概要を紹介する。

 

日本の中小繊維企業の再興 -セコリ荘による繊維産地とのつながりの構築-

株式会社フランドル 経営本部 経営統括室 経営戦略部 課長 篠原 航平

【要点】
(1)
セコリ荘とは2013年9月に宮浦晋哉氏が開始した、日本の繊維産地とデザイナーやアパレル企業らをつなぐ場所である。
(2)
セコリ荘宮浦氏の核となる業務は繊維産地のコーディネイトである。繊維産地を訪問し、企画、取材などを行う。
(3)
セコリ荘はTextile Japanという活動に拡大しようとしている。Textile Japan はメディア運営、新しい生地問屋の運営、教育機関の運営の3つを主軸とする。

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第55回ドルンビルン国際化合繊会議 (MFC2016) 報告 

東レ株式会社 繊維加工技術部 塩谷 隆

【要点】
(1)
第55回ドルンビルン国際化合繊会議は2016年9月20日~ 22日に開催され、34カ国から603名が参加した。日本からは28名で過去最多(2015年19名)。
(2)
発表件数は計100件で例年並み。日本からの発表件数は8件(昨年6件)であったが、ドイツ、オーストリア、ポルトガルに次ぐ4位であり、近年は常に上位に入っている。
(3)
今回のコンセプトを総括的にまとめると、「イノベーション(製品コンセプト、技術、プロセス)」 と「サステナビリティ」であった。また、全体を通して多かったテーマは「高性能繊維」「バイオ材料、バイオ加工」「軽量・立体構造体」「スマートテキスタイルの高度化」「環境対応加工」である。
(4)
この会議は、「欧州を中心とする産官学交流の場」ではあるが、今回は欧州以外も取り込んだ「よりグローバルな視点でのネットワーク基盤」に変貌しつつある雰囲気を感じた。また、全体として、企業広告や商品広告が非常に目立ち、スポンサーシップが強調されていた。

■縫製/アパレル

ファッションとIT のこれから

東京ファッションプランニング株式会社 デザイン・企画カンパニー社長 山田 桂子

【要点】
(1)
日本のファッションEC市場は着実に拡大している。2015年は1兆3,839億円の市場規模だった。
(2)
日本のファッションECで圧倒的に強いのはゾゾタウン。1強状態が長らく続いていたが、楽天、アマゾンもファッション分野に本腰を入れ始め、今後競合が激化しそうだ。
(3)
レンタルサービス、ヴァーチャルスタイリスト、クラウドソーシングの3つの切り口がある。
(4)
ファッション業界にも確実にIT化の波が広がっている。新しいテクノロジーは、新しいビジネスチャンスを生み出すだろう。

■新市場/新商品/新技術動向

枚方(ひらかた)T-SITE の業態開発 -本を軸にして「モノ」から「コト」を売る-

フリージャーナリスト 土井 弘美

【要点】
(1)
生活提案型デパートメントとして、近鉄百貨店跡地に誕生。
(2)
館内に約300の椅子を置き、座ってくつろぎつつ本を読める。
(3)
4階にはライフスタイル雑貨約20ブランドをワゴンで展開、3カ月ごとに入れ替える。
(4)
5階の「子どもと学び」には、充実した絵本とともに子どもの遊ぶスペースも。

■キーポイン

「歩引き」取引廃止宣言

日本化学繊維協会 常務理事 杉原 克

繊維ファッションSCM推進協議会は、その前身が1994 年に設立され、サ プライチェーンでの情報共有化を進めるに当たり、川上から川下に至る、 各業種間に存在する不合理な「取引慣行」の整備を行うことが最重要課題 との認識のもと、積極的に活動を続けてきた。

■統計・資料

Ⅰ.日本の合繊各社の主要海外繊維生産拠点リスト(2017 年1 月) 東レ/帝人/旭化成/三菱レイヨン/東洋紡/ユニチカ/セーレン/東邦テナックス/カネカ Ⅱ.日本の紡績各社の主要海外繊維生産拠点リスト(2017 年1 月) ダイワボウホールディングス/シキボウ/クラボウ/ニッケ/日清紡/トーア紡コーポレーション/オーミケンシ/富士紡ホールティングス