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2007年11月1日
繊維トレンド11・12月号 2007 No.67

■特別レポート

「繊維産業の展望と課題 技術と感性で世界に飛躍するために -先端素材からファッションまで-(中間とりまとめ)」概要について

経済産業省 製造産業局 繊維 課企画調整一係長 落合美奈子

【要点(Point)】
(1)本報告書は平成15年に取りまとめられた繊維ビジョン(「日本の繊維産業が進むべき方向ととるべき政策」)において、平成19年度までの5年間を最後の改革期間として位置付けたことを受けて、改革期間後の繊維産業の指針として策定された。
(2)本報告書を取りまとめた目的は「繊維産業」の「斜陽産業」というイメージを払拭し、今後も成長が見込まれる魅力的な産業だということを繊維産業に従事している人にとどまらず、広く消費者や若者達に対して認識を深めてもらうことである。
(3)今後、本報告書で掲げたアクションプランをいかに実現していくかが重要である。そのためには、政府及び個々の企業が自ら前向きに取り組みを実行していくことが必要不可欠である。

■海外動向

中国の“繊維力” ― 内側から見た繊維事情― 第9回 繊維雑感(その4)水と繊維産業欧州の繊維産業政策と研究開発動向

東レ株式会社 水処理・環境事業本部 水処理部門 顧問 御法川 紘一

【要点(Point)】
(1)中国の水は、量の不足、河川(水源)の汚染という大きな問題に直面している。
量の不足対策としては、技術として膜を利用する海水淡水化、廃水の再利用がある。
廃水再利用については、MF / RO 膜、MBR / RO 膜という膜技術が実用化されている。
(2)繊維産業においては、水は綿花の増産、染色における自来水(水道水)の確保、廃水の処理と再利用という喫緊の課題がある。
(3)綿花については、新疆での節水潅漑技術の普及により更なる増産が見込まれる。
(4)染色産業は廃水規制により環境汚染企業の淘汰が進んだ。環境規制により廃水の増加は認められず、旺盛な需要に応じるための増設には廃水再利用が不可欠になりつつある。膜技術による廃水再利用は極めて期待の大きい技術であり、コスト、性能向上により爆発的な普及が期待できる。

PDF : 詳細(PDF:933KB)

アジアにおけるFTA の広がり

日本化学繊維協会 業務調査グループ主任 鍵山 博哉

【要点(Point)】
(1)近年アジアでFTAが拡大している。アセアンを中心に、日本、韓国、中国も相次いでFTA交渉を進めており、数年以内にFTAをベースにしたアジアの貿易自由化が完成する見通しである。
(2)アジア各国の繊維品輸出においては、現在はFTA対象国の比率がそれほど高くないが、今後数年で高まり、実質的な自由化が進むことが予想されている。
(3)アセアンを軸にしたFTAによるアジアの繊維貿易フローの変化は不透明な部分もあるが、今後はますますアセアンの活用度が高まる可能性が高い。一方で、原産地規則などのルールも協定ごとに異なっていることも留意が必要である。

中国ビジネス10のミスマッチ ― 日本企業が変わらなければ中国ビジネスは成功しない―

坂口 昌章 客員研究員 有限会社シナジープランニング 代表取締役

【要点(Point)】
(1)中国アパレル産業の発展のスピードは早い。その現実は、日本人の想像をはるかに超えているようだ。
(2)数多くの中国企業や政府機関を訪問し、中国人の有識者や経営者と面談して感じた日本と中国のミスマッチを10のポイントにまとめた。
(3)「輸出と輸入のミスマッチ」「リーズナブルとラグジュアリー」「シンプルとエレガンス」「単品志向とライフスタイル志向」「ドメスティックとグローバル」「雑誌広告とマスプロモーション」「『高齢で保守的な経営者』と『若くて柔軟な経営者』」「直営店ビジネスと代理商ビジネス」「現地法人の現地化」「アパレル企業のオフィス環境、経営者のライフスタイル」
(4)このミスマッチをどのように具体的に埋めていくかが、今後の中国ビジネスの鍵となるだろう。

PDF : 詳細(PDF:852KB)

中国財務デューデリジェンスの事例分析 その3

あらた監査法人 財務報告アドバイザリー部 公認会計士 齊藤 公彦

China News 中国人女性をもっとおしゃれに ― オリジナルブランドbittokozukkoi の挑戦―

横川 美都 研究員

 「最近、文化服装学院の同級生が上海でオリジナルブランドのショップを開いたから、今度、紹介するね」上海の日系アパレル商社でデザイナーをしている友人にそう言われたのは今から1年ほど前のことだったと思います。その後も、別の知り合いから武康路の洋館におしゃれなショップができたと聞き、一度訊ねてみたいと思っていました。ところが、なかなかタイミングが合わず1年が過ぎてしまいました。先ごろ、ようやくショップ『rosa de bittoko』にお伺いし、マネジャーで中国でのプロジェクトの責任者でもある佐藤大介氏(前述の友人の同級生)にお話をさせていただきました。その際、佐藤さんから聞いた「父親である社長が初めて訪れた北京。この時に見た現地女性を自分たちの服でおしゃれにしたいと思ったことがすべての始まりだったんです」という言葉が非常に印象に残り、今回インタビューをお願いしました。  前回ご紹介した『AIAIA』の深山さん同様、自分たちのセンスを信じ、上海、そして中国のファッションマーケットに飛び込んだ佐藤さん。筆者と同世代の彼がどんな想いを持って上海でビジネス展開をしているのでしょうか。

ドイツにみるアパレルのグローバル戦略

ファッションジャーナリスト 福永 成明

■国内動向

日米百貨店市場の衰退と大手アパレルの事業再構築

株式会社小島ファッションマーケティング 代表取締役 小島 健輔

【要点(Point)】
(1)米国と同様、日本の百貨店市場も衰退が続いている。
(2)米国と同様、日本の百貨店も急ピッチで統合に動いている。
(3)米国と同様、市場の縮小と取引条件の悪化を嫌い、大手アパレルの百貨店脱出が加速している。

日本発プレタポルテラグジュアリーブランドの創造に向けて ― その4 今日本のビジネス界がやるべきこと―

小林 元 特別研究員

【要点(Point)】
(1)日本国内の階層の分化が進み、ラグジュアリーブランドの需要は増大する。
(2)日本発のラグジュアリーブランド創造の機は熟した。
(3)それを創り出すためには、ビジネスモデルの根幹からの変革が必要。
(4)明治以降今日まで、やりすぎた欧米化の針を戻して、“用と美”のバランスを江戸時代にならって取り戻す必要がある。
(5)レクサスは、トヨタによるその方向に向かっての挑戦である。

戦略の抜本的練り直しが始まった北陸産地の動向 ― 産地企業の国際分業の現状と今後の課題―

小山 英之 特別研究員

 

【要点(Point)】
(1)日本の衣料市場の輸入品比率は、数量ベースで9割、合繊長繊維織物の輸出比率は6 割と高率であり、北陸産地はグローバル競争の真っ只中で生き残りを模索している。
(2)本稿は、北陸産地の競争力と国際分業対策に焦点を当て、現時点の問題のポイントを浮き彫りにし、戦略の見直しが始まった産地企業の動向と、今後の課題についてレポートする。
(3)高機能・産業資材テキスタイルは、技術開発力が生命であり、高感性分野も技術開発基盤の上にファッションの華を咲かせたものである。産地企業が国際分業の確立と高収益を確保するには、大局観に立ったイノベーションの将来方向を正確に捉え、一点集中の新技術の開発に総力を挙げることである。

シリーズ高コスト先進国における企業生き残りのKey Factor -第4回 JFWを考える-ふたつのステイクホルダーの視点から―

青山学院大学 経営学部 専任講師 ヘリオット・ワット大学経営大学院 ロジスティクス・リサーチ・センター 研究員 東 伸一

【要点(Point)】
(1)欧米のバイヤー・プレス担当者の間では、JFWのために日本を訪れる動機付けは一般的に低いが、その理由としてa.出向の知覚コストと知覚リスク、b.地理的距離、c.欧米で評価を受ける日本人デザイナーの多くは既にヨーロッパに拠点を移していること、の3点が挙げられる。
(2)JFWの一環として計画されている「日本ニット製品製造業展」をめぐって、各組合内の足並みが構造的に揃わない中、墨田区のニッターへのインタビュー調査を通して、「内発的な」国内製造業生き残りモデルについて考察を行った。
(3)(1)、(2) いずれのケースにおいても、ファッションの持つ「自己組織的なダイナミズム」を重視するのか、あるいは計画的な外部からの「ファシリテーション」を優先するのかということが議論の中心となる。

大きく変わるミセスマーケット

東京ファッションプランニング株式会社 デザイン・企画カンパニー 社長 山田 桂子

【要点(Point)】
(1)新世代ミセスを構成するのは、DC洗礼世代とハナコ世代。従来のミセスの枠組みでは捉えきれない新たなミセスが登場。
(2)高いファッション意識を持つ新世代ミセスは、ヤングマインドの高いファッションを好み、チャレンジ精神も旺盛。
(3)アラウンド40、アラウンド50に向けたファッション雑誌が続々と創刊。先行する雑誌に、ファッション業界は遅れを取っている。

■新市場・新製品・新技術動向

シリーズ 無店舗販売の可能性を探る 顧客との双方向性と商品の豊富さが人気支える「ショップチャンネル」

フリージャーナリスト 土井 弘美

【要点(Point)】
(1)ショップチャンネルは1997年に24時間生放送を実現、06年12月には997億円もの売上を計上する大企業に成長した。
(2)これは、視聴可能世帯の増加によるところもあるが、何よりスタジオとコールセンターが結ばれ、視聴者の反応がダイレクトに番組に反映されているところが大きい。
(3)商品の種類は多く、毎週700以上の新商品が紹介されるが、これを支えているのがバイヤー。展示会で気にいったら即座に発注、機会を逃さない。
(4)ショップチャンネルは一つの完成したビジネスモデル。「女性が自分のものを買う」支持によってここまで拡大してきたともいえる。

■知りたかった繊維ビジネスのキーポイント

CFWとJFW

坂口昌章 客員研究員 有限会社シナジープランニング 代表取締役

■「中国繊維ファッションビジネス研究会」インフォメーション

「中国繊維ファッションビジネス研究会」第10回オープンセミナー開催と新サービス開始の報告