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2006年9月1日
繊維トレンド9・10月号 2006 No.60

■特別レポートI

アジア化繊産業ビジョン -世界の合繊需給見通しについて-

日本化学繊維協会 業務調査グループ グループ長 杉原 克

【要点(Point)】
(1)2010年の世界の合繊生産能力は5,220万トン、消費は4,130万トンで、需給ギャップは1,090万トンと予想される。
(2)中国、インドでは合繊への投資が旺盛である一方、その他は厳しい事業環境から構造調整が進展し、世界の合繊供給は今後さらに中国、インドにシフトする。
(3)国内消費の拡大が予想される中国、インドは需給問題に楽観的で、その他アジア諸国・地域との間で、需給ギャップに対する考えに温度差がある。

■海外動向

中国の“繊維力” ― 内側から見た繊維事情― 第5回 繊維雑感(その2)繊維と住宅

東レ株式会社専任理事 御法川 紘一

【要点(Point)】
(1)中国GDP拡大の原動力の一つは不動産投資であり、この中で住宅は15%を占める。
(2)中国における繊維生産量の1/3はホームテキスタイル向け、1/6は資材用、1/2が衣料用途である。
(3)住宅に向けられる繊維としては寝装用、インテリア用(カーテン、イス張り、カーペット)があるが、一戸当たりの繊維消費金額は新築住宅費の数パーセントと小さい。生活水準の向上に伴い消費量の拡大が期待される。

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ファッションビジネスにおけるアジア連携の可能性と課題 - AFF中国大会で考える-

坂口 昌章 客員研究員 有限会社シナジープランニング代表取締役

【要点(Point)】
(1)時代の変化と共に産業も変化するのが自然な姿である。産業保護、技術の継承が目的化すると、新しいビジネスへの転換が困難になる。日本以外の国では、技術の継承よりも資本の継承を優先している。
(2)労働集約型産業は、人件費の低い地域でなければ競争力を持てない。日本が先進国となり、生活コストが上昇したことで、労働集約型産業の維持は困難になっている。その結果、事業を継承しようとすれば、人件費の低い地域を求めて、世界を彷徨することになる。しかし、経営者の多くはライフスタイルが豊かになっていないし、地域経済にも貢献していない。
(3)ビジネスだけでなく、個人の生活もアジア連携によって豊かになれる。少ない年金でも、物価の低い地域に生活拠点を移せば生活ができる。その場合でも、あくまで日本とのつながりが必要であり、ビジネスもまた、日本とつながっていることが日本企業の強みである。
(4)中国ビジネスは中国生産から中国市場参入へと幅が広がっている。しかし、現在の日本企業は独資による直接上陸に偏っている。ヨーロッパ企業が日本市場にどのように進出したかを考えれば、中国企業との連携による市場進出の可能性が見えてくる。
(5)日本の繊維ファッション業界の中で、唯一、アジア連携の活動をしているのはアジアファッション連合会である。そこで、更なるアジア連携の強化と新しいビジネスモデルの構築のために、日中両国による以下の5つの共同研究会の設立を提案したい。
(1)日本人デザイナーブランド共同研究会、(2)ライセンスブランド共同研究会、(3)ファッション・フランチャイズ共同研究会、(4)海外ライフスタイル共同研究会、(5)外国人雇用共同研究会。

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中国財務リスクマネジメント -不正リスクとその対処策について-

公認会計士 齊藤 公彦

【要点(Point)】
(1)中国子会社の財務報告をおろそかにしては、結果として、投資回収ができず、企業価値を損なう可能性が高くなる。
(2)中国子会社及び親会社において内部統制を適切に構築することは、財務報告のレベルを高め、不正リスクを軽減することに貢献する。
(3)中国ビジネスの成功のためには、企業経営に不可欠な内部統制の構築・運用コストを適切に確保することが極めて肝要である。

中国アパレルブランドと代理商

横川 美都 研究員

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2005年の世界の化合繊生産動向

日本化学繊維協会業務調査グループグループ長 杉原 克

【要点(Point)】
(1)2005年の世界の繊維需要は前年比2.1%減の約7,140万トンで1998年以来の減少であった。綿花の反動減という要素が強い。
(2)同年の世界の化合繊生産は前年比0.7%増の4,140万トンとほぼ横ばいであった。中国がペースダウン、その他はおおむね減少。
(3)2006年は中国、インドが増加する一方、その他の主要国・地域は減少を続けている。こうした傾向は当面続くものとみられる。

イタリアファッション業界の戦略 第2回 -ジョルジオ・アルマーニ ヨーロッパファッションに革命をもたらした男-

小林元 特別研究員

【要点(Point)】
(1)アルマーニは、権力や地位を誇示する堅苦しい紳士服を美しく着心地の良いものに変え、イタリア人独自の感覚によるデザインを確立した。
(2)60年代に中産階級が増え、人と人が共生する社会とそれにふさわしい装いを求めていた。彼はその上層部に狙いを定めた。
(3)したがって、彼のスタイルは、マズローの“自尊”の段階を超えた、“共生”の段階のものであると考える。

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■国内動向

世界織物工業の国際競争の変遷と北陸産地の技術開発の動向

小山英之 特別研究員

【要点(Point)】
(1)中国織物工業の世界シェアは、合繊長繊維織物50%、綿織物29%に達し、今年も革新織機の大増設が行われ、中国の拡大は止まるところを知らない。世界織物需給は、中国の大増産によって供給過剰が表面化し、各国間のサバイバル競争が熾烈化している。
(2)世界の産業発展史をひもとけば、歴史の流れを的確に掴み、変化の流れに適応できた産業だけが生き残っている。先進国織物工業の国際競争の教訓を整理すると、ブランド力を持った消費者訴求力(ファッション・デザイン)、高機能衣料分野およびハイテク産業資材分野の技術開発力が、最も有効な国際分業対策となっていることを知らされる。
(3)北陸合繊長繊維織物産地は、国際分業対策として新技術・新商品の開発、高レベルの品質維持、多品種・小ロット生産、マーケットイン等を推進している。特に、「世界合繊テキスタイルの開発センター」としての役割は、北陸産地のサバイバルにとって重要な国際分業対策になっており、世界をリードする高機能技術の一段の開発促進と、産業資材分野のハイテク複合材料の技術開発が緊要となっている。

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向若性団塊世代 -「気分は30代」「新しさは善」を満たす消費を謳歌する-

伊藤忠ファッションシステム株式会社 情報フォーラムチーム チーム長 小原 直花

【要点(Point)】
(1)「2007 年問題」で一段と注目されている団塊世代。定年後の退職金の行方など、今後の消費動向がいろいろと取り沙汰されている。しかし、70歳までは働き続けたいとする人が多く、60歳が大きな転換期とはならず、今後10年ほどは現在の延長の生活を送ると考えられる。
(2)日本の高度経済成長とともに歩んできた世代だけに、新しいモノ・コトは生活を豊かにしてくれるもの、「新しさは善」といった価値観が根底にある。そのため、新商品、新スポットなどへの関心は非常に高い。
(3)「気分は30 代」。友達親子という関係にある子供たちの影響もさることながら、常に時代の中心にいる、自分たちがやればマスになるといった思いが全体に感じられる。男女ともに充実感ある30代の気分をいまだに持ち、それを満たすための消費を繰り広げている。

50代からのレディースマーケットを考える

フリージャーナリスト 土井弘美

 

【要点(Point)】
(1)注目を浴びているシニア市場をリードしているのが、50代の女性といわれる。これまでのミセスと全く異なった感覚を持つ彼女たち。その感性にあったウエアとはどのようなものか。
(2)デザイナーズブランドである「ヒロコ ビス」、伝統のある基幹ブランド「ピアーレ」、後発の「デコイコレクション」の、切り口の異なる3つのブランドを取材した。
(3)それぞれに工夫のある3ブランドから、ミセスブランドの方向性を探っていく。

■知りたかった繊維ビジネスのキーポイント

繊維の最終消費量とミル消費量

日本化学繊維協会 業務調査グループ グループ長 杉原 克

■「中国繊維ファッションビジネス研究会」インフォメーション

『中国繊維ファッションビジネス研究会』第5回公開セミナー抄録

■The News

アジアスケールで繊維ファッションビジネスを考える業界人の集まり 『AF 人の会2006』開催

■統計・資料

主要合繊別・国別・メーカー別設備能力(現状及び増設計画)