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2018年5月14日
経営センサー5月号 2018 No.202

■今月のピックアップちゃーと

1億台が目前に迫る世界の自動車生産 ~過去10年で中国、インド、メキシコの生産拡大が顕著~

■繊維産業シンポジウム講演抄録

イノベーションの本質 ―それは何ではないか―

一橋大学大学院 国際企業戦略研究科(ICS: International Corporate Strategy)教授 楠木 建 氏

2018年3月2日に開催した繊維産業シンポジウム「北陸産地の新たな成長と産業競争力強化」(東レとの共催)における一橋大学大学院国際企業戦略研究科 教授 楠木 建氏のご講演をご紹介します。なお、当日の講演内容のうち、東レ株式会社 取締役・繊維事業本部 三木 憲一郎 副本部長の講演内容は『繊維トレンド』5・6月号で、株式会社アダストリア 代表取締役会長兼最高経営責任者(CEO)兼社長 福田 三千男氏のご講演内容は『繊維トレンド』7・8月号で紹介する予定です。 はじめに 皆さん、楠木と申します。本日はこのような機会をいただきましてありがとうございます。私の専門は「競争戦略」ですが、本日は、皆さんがよく耳にされる、「イノベーション」についてお話しいたします。

■産業経済

投資家から見た企業のESGの在り方 ―海外事例の紹介も含めて―

産業能率大学 経営学部 教授 あすかコーポレイトアドバイザリー 取締役 ファウンディングパートナー 光定 洋介

【要点】
(1)
企業のESG活動を通じて、売上、利益の維持拡大など、投資家は最終的に中長期的企業価値向上や株式リターンにつながることを求めている。
(2)
ESGが、自社のビジネスモデルをより競争力のあるものにするための戦略とどのように結び付いているかを説明できることが望ましい。
(3)
さまざまな企業のESGに関するベストプラクティスを熟知している投資家と胸襟を開いた対話を進め、知見を高め、改善を繰り返すことが必要である。

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■技術・業界展望

半導体好調はいつまで続くのか ―急増するメモリー需要で世界第3位の半導体企業になったSKハイニックス(韓国)の事例―

チーフアナリスト(産業調査担当) 永井 知美

【要点】
(1)
日米韓連合として東芝メモリ売却先の一角となったSKハイニックス(韓国)は、メモリーの世界的企業である。サムスン電子に比べると影が薄かったが、メモリーの需要増加、価格上昇を背景に17年、売上高で世界第3位の半導体企業になった。
(2)
メモリーが高成長を遂げた背景には需要増加、価格上昇、メモリー業界の寡占化進展がある。インターネット等ネットワークの高度化やIoTの普及にともなうデジタルデータの急増で、メモリー需要は急拡大した。メモリー業界では寡占化も進展しており、価格の高止まり要因になっている。
(3)
半導体用途の拡大を背景に、半導体市場の先行きに関しては楽観的見方が少なくない。メモリーに関しては18年中の需給大幅緩和は考えにくいが、その先には中国、新型メモリーという撹かく乱要因が待っている。SKハイニックスが、東芝メモリ買収に名乗りを上げたのも、メモリー業界の先行きに対する危機感の表れといえる。

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■視点・論点

中国企業との連携を考える ―ビジネス連携の今日的意義―

浦上アジア経営研究所 代表 浦上 清

はじめに 中国は2018年に改革開放40周年を迎える。改革開放の追求により、中国はこれまでとは異なる新しい時代に入っていった。中国経済は、外資を利用した経済拡大と制度の改革を基底に、飛躍的に発展した。

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■マネジメント

最近の素材メーカーの事業戦略の動向と方向性

エミネンスLLC 代表パートナー 今枝 昌宏

【要点】
(1)
戦略は、市場の選択と市場への自社のアプローチであるビジネスモデルに分けて考えると理解しやすい。
(2)
成長性・収益性の高い市場を選択すべきであるが、市場を選択して選択した市場でシェアを高めることが事業の収益と安定につながる。
(3)
市場定義を製品軸から顧客軸、用途軸に移すことがトレンドである。
(4)
社外からのイノベーション流入の仕組みを作ることが重要で、顧客との提携の他、ベンチャーキャピタル創設などが有効である。
(5)
サプライチェーンによる結びつきを強めることにより顧客の囲い込みを進めるべきであり、更にサプライチェーン情報のプラットフォーム化を検討すべきである。
(6)
デジタル化の進展により、運転ノウハウを計算機上に巻き取る可能性が出現し、ノウハウのライセンシングの事業化機会が出現すると予測する。

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■ヒューマン・ディベロップメント

「希望の残業学」プロジェクトより(後編) ―残業習慣はどのように解消されるか企業施策とマネジメントの視点から―

株式会社パーソル総合研究所 主任研究員 小林 祐児

【要点】
(1)
半数以上の残業施策は、効果実感無し。デメリットは①残業の見えない化と②会社への不信感の増大。
(2)
施策効果最大化の鍵となる、施策へのコミットメントを上げるには、「告知のオムニチャネル化」が有効。
(3)
部下に残業させずパフォーマンスを上げるマネジメントのポイントは①ジャッジ力②グリップ力③チームアップ力の向上。

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独自の「人財」育成プログラムで目指す、全員『めっちゃプロフェッショナル』 ―職人の早期育成と業界内連携、ICT活用による高度技能伝承への挑戦―

株式会社KMユナイテッド 社長 Founder/CEO 竹延 幸雄 氏 ダイバーシティ&ワークライフバランス推進部 コンサルタント 金子 真弓 フリージャーナリスト 土井 弘美

急速な少子高齢化とそれに伴う人口減少により、国内における労働力確保は喫緊の課題となっています。今回は、最前線で働く技能労働者の高齢化や若年入職者の減少による担い手不足が一層に進む建設業において、多様な人材の活用、技能伝承・育成に挑む企業の取り組みをご紹介します。

【要点】
(1)
KMユナイテッドは大阪・大手塗装会社・竹延の子会社として、人材育成を目的に創設。当時、高度な技能を持つベテラン職人の高齢化や、職人全体の意識・質の低下などにより、人材育成が難しい状態だった。
(2)
同社は「人財」育成プログラムの構築に着手。『めっちゃプロフェッショナル』をモットーに、特定の作業への限定・集中化と段階的育成を行うことで、職人の早期戦力化と生産性の向上を実現。
(3)
約30名の従業員のうち、20名が女性や外国人を含めた未経験者。多様な人材の育成と活躍が、これまでになかった製品の開発や高度な技術力が要求される施工など、企業にとって高い付加価値を生み出している。
(4)
業界内での連携やシステム開発会社との協働、ICT・デジタル技術の活用で、さまざまな職人の熟練技を携帯端末で視聴、学習することができる「技ログ」の開発に乗り出した。

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■経済用語解説

ちょっと教えて!現代のキーワード

「マスカスタマイゼーション」「SBT」

■お薦め名著

『あれか、これか』

野口 真人 著