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2001年12月1日
繊維トレンド12月号 2001 No.21

■特別講演会抄録

北陸産地に活路はあるか 

東レ株式会社 顧問・日本繊維産業連盟 常任委員 櫻井 正樹

 本誌2月号で「わが国繊維産業の課題と挑戦」と題し、日本の繊維産業の構造変化を踏まえて、生き残りのためのいくつかの課題を指摘したが、今回は、「繊維活性化のための条件」として何をなすべきかという観点からより具体的な方策を提案したい。

■市況

主要国・地域の合繊需給を読む  シリーズ第1回 経済改革をバネに高成長を目指すインド 

向川 利和 特別研究員 繊維産業アナリスト

 ブラジル経済が安定成長を維持できるかどうか、今その岐路に立っている。アルゼンチン危機の影響で、株式・金融市場は混乱し、昨年は70年振りの干魃による電力危機にも見舞われてた。世界経済の減速下で起こった米国を狙った同時テロの影響で、直接投資受け入れ額が大幅に落ち込む可能性がある。広大な国土と豊富な資源を生かし、文字通り大国への歩みを進めるために、ブラジル政府の危機管理能力が試されている。

■世界の動向

内側から見た中国(今昔物語)14―完結編(その2) -今、そして未来は・・・-

東麗酒伊織染(南通)有限公司 社長 御法川 紘一

 本誌2000年5月号から連載してきた『内側から見た中国(今昔物語)』は今月号でいよいよ最終回を迎える。これまでに中国陝西省の国営企業第2印染との合弁会社である華昌の総経理として勤務した筆者の経験に基づき、中国特有の文化や国営企業の実態、経営のポイントなどを紹介してきた。 今月号は先月号に引き続き、本連載の完結編として、華昌を離れたこの5年間を振り返り、さらにWTO加盟が決定した中国の将来、そして日本の生きる道について述べたい。なお、完結編(その1)については2001年11月号をご参照いただきたい。 

■産地動向

ヤングカジュアル分野で生き残りをかける 山梨横編産地 

藤井 健三 繊維調査部長

 戦後、子供ニットセーターの産地としての地位を確立し、輸出産業の一翼を担った山梨横編産地は、輸入物とカットソーにその地位を奪われ、婦人物への用途転換を余儀なくされたが、それも近年の輸入浸透率90%を超える洪水の如き輸入製品に押され、ヤングカジュアルを中心とする高級婦人物に産地の生き残りをかけている。

■内外企業動向

SPA(製造小売業)向け一貫モデル工場 -クラボウ津工場とワールドの新しい試み- 

藤井 健三 繊維調査部長

 ワールドはSPA向け生産の一貫モデル工場をクラボウ津工場の敷地内に設置し、今夏より稼働している(ワールドインダストリー津技術研究所)。これは、ワールドが推進している原材料メーカーや縫製メーカーなどとのコラボレーションによる生産系ビジネスモデルづくりのために立ち上げたWP2(注1)の検証のための実験モデル一貫工場であり、紡績・織布・染色・縫製・出荷の工程を同一敷地内で垂直的に一貫で行うという極めて珍しい工場である。

■ファッション

今注目されるアジア発高級ブランド  -大衆化したヨーロッパブランドとは異なるその新しい魅力とは-

株式会社サンモトヤマ 宣伝広報室 室長 目黒 由紀子 

イタリア流マーケティングに学ぶ(その2)  消費者と同じ目線でみて物作りをする 

小林 元 小林イタリアオフィス代表

 もう20年も前から日本では"消費者は王様"をいわれていた。しかし、日本の物づくりの多くは、今だもって供給者面の論理(マスプロ、マスセール)によって行われており、供給者は消費者を上から見ているように思う。 

■繊維産業政策

繊維製品の取引適正化について 

繊維調査部

 繊維製品の取引については生産・流通の拡分野においてその改善が強く求められているが、昨年から今年にかけて実施された「繊維業界と公正取引委員会・経済産業省との検討会」における取引慣行の事例報告をもとに下請法および独占禁止法上問題となる事例や考え方を具体的に例示した事例集が平成13年9月28日に公正取引委員会から出されたのでここにその概要を報告する。

■伝説に残る織物の里シリーズ6

琴糸の里を田を訪ねて -滋賀県湖北~伊香郡木之本町大音-

繊維調査部

 湖北観光の拠点といえる木之本は北国街道沿いに宿場町として栄えました。JRの木ノ本駅から西に向かうと、古戦場として有名なしずがだけ賤ヶ岳 があり、山頂からは、琵琶湖の雄大な風景や羽衣伝説で有名な余呉湖をのぞむことが出来ます。 木之本町をはじめ近隣の町の寺には観音像が数多く祭られていることから木之本町は「観音の里」と呼ばれ、同時に古戦場の賤ヶ岳から「戦国の里」と呼ばれています。そして、良質の生糸から琴糸、三味線糸を生産することから「琴糸の里」とも呼ばれています。

■統計・資料

主要合繊品種別、地域別市況【2001年第IVQ(10~12月)】 

1. 原油・ナフサ価格の推移 2. 綿花・合繊短繊維価格の推移(P-SF、綿花)  3. 合繊原料価格の推移(PTA、EG、CPL)  4. 綿糸・T/C糸・T/R糸価格の推移(綿糸、T/C糸、T/R糸)  5. 長繊維価格の推移(P-FY、N-FY)  6. 短繊維織物価格の推移(T/C、T/R)  7. 長繊維織物価格の推移(P-タフタ)