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2014年10月1日
経営センサー10月号 2014 No.166

■今月のピックアップちゃーと

世界を旅する中間層 ~2014年国際観光客到着数も過去最高更新の予想~

■経済・産業

自動車産業の構造変化と部品企業への影響 ―欧州完成車メーカーVWから考える日本自動車産業への示唆―

一般財団法人 機械振興協会 経済研究所 調査研究部 研究副主幹 太田 志乃

【要点(Point)】
(1)自動車産業は市場の変化、製品多様化など変革期に直面している。その中で、完成車メーカーが展開するのが新製品開発戦略である。
(2)新製品開発戦略の影響が生じているのが欧州である。VWの製品開発戦略「MQB」の下、部品メーカーも含めた変化が起こりつつある
(3)日本では完成車メーカーの取り組みは緒に就いたばかりだが、欧州の事例から今後の国内自動車産業構造変化を考えるときを迎えている。

■アジア・新興国

期待の星?インドネシア経済の現状と課題

独立行政法人 日本貿易振興機構 アジア経済研究所 開発研究センター 貧困削減・社会開発 研究グループ長 濱田 美紀

【要点(Point)】
(1)経済成長の鈍化が懸念されるものの、若い人口を多く抱える現地市場の有望性には依然として期待が集まる。
(2)天然資源輸出依存が強まり製造業は弱体化。この構造を変えようと痛みを伴う改革を進めているが、保護主義と映る場面も多い。
(3)新政権の課題も従来と変わらず。燃料価格補助金の削減と待ったなしの状態が慢性化するインフラ整備を確実に進めること。
(4)新しいタイプの大統領の誕生に、国内外で革新的な政策が期待される中、過大な期待の管理も重要課題。

■産業技術

メタンハイドレートの実現可能性に関する“中間的”考察 ――夢の“近海産エネルギー資源”はモノになるのか?ならないのか?―

産業技術調査部 シニアリサーチャー 岩谷 俊之

【要点(Point)】
(1)日本周辺の海底に眠るエネルギー資源として、メタンハイドレートへの注目が高まっている。政府のメタンハイドレート開発PJはすでに第2フェーズを迎え、2018(平成30)年には商業化に向けた準備を終える予定になっている。
(2)しかしメタンハイドレートはその埋蔵量も部分的に推定されている段階で、産出技術の確立もまだその途上にある。ましてやコストについてはさまざまな仮定条件に基づいて試算するしかないため、その評価もポジティブなものからネガティブなものまで極端に差がある。
(3)本稿ではどちらかの極端に偏ることなく中間的なシナリオを仮定しながら、メタンハイドレートの有望性を検証したが、その評価も天然ガス輸入価格などの外的要因で大きく左右される。
(4)求められるのはそういった環境変化に一喜一憂することなく、「いずれ化石燃料は逼迫する」という長期的前提に立った継続的技術開発であろう。

PDF : 詳細(PDF:1,119KB)

■視点・論点

人材の課題を解決する秘策 ─クラウド・ソーシングとライフロング・ラーニング─ 

一橋大学 名誉教授 石倉 洋子

昨年から本格的にすすめられてきた「アベノミクス」の恩恵を受け、企業業績が回復しつつある中、人材不足が叫ばれるようになってきた。特に、多くの人が必要なサービス業や建設業などで、「人が足りず、閉店しなくてはならない」「納期に間に合わない」といった報道が見られる。

PDF : 詳細(PDF:977KB)

■マネジメント

アジア・イスラム圏での異文化融合マネジメント ―日本とイスラム精神の類似性を活かして―

株式会社ジェイエイシーリクルートメント 海外進出支援室 シニア・アドバイザー 上島 眞人

【要点(Point)】
(1)近年イスラム世界の台頭が著しい。世界人口の約5人に1人がイスラム教徒であるだけでなく、「イスラム金融」や「ハラル製品」などイスラム関連のビジネスも急速に伸びている。
(2)世界的にイスラム人口が多いのは、イスラム教発祥の地である中東ではなくアジアで、中でもイスラム大国は約2億人のイスラム教徒(ムスリム)がいるインドネシアであり、パキスタン、インドがこれに続いている。
(3)一方、日本企業のアジア・イスラム圏への進出も増えている。ところがイスラム文化に対する理解不足から現地従業員とのトラブルも多くなっている。しかし、本来日本人とイスラム教徒とは精神的に近い部分が多く、日本人にとってイスラム教の基本知識を理解することは比較的容易である。
(4)日本人、ムスリムの相互理解による異文化融合のマネジメントの実現は、双方にとってWin-Winの状況を生み出し、事業成功の基本的なカギとなる。

■環境・エネルギー

原発なき時代を担う太陽光発電

立命館大学大学院 客員教授 村沢 義久

【要点(Point)】
(1)福島第一原発事故が収束しない中、原発再稼働は難しい。
(2)一方太陽光発電は今年中に総発電量(kWh)ベースで2%に達し、発電コストも急速に低下している。
(3)「原発後」の日本の電力を担うのは太陽光発電を中心とした再生可能エネルギーである。

■経済用語解説

ちょっと教えて!現代のキーワード 

「バリューチェーン」 「資源の呪い」

■お薦め名著

『「買う」と決める瞬間』 ―ショッパーの悩みをどう解決するか―

ハーブ・ソレンセン 著 (株)TNSインフォプラン 監訳 大里 真理子/スコフィールド 素子 訳

■ズーム・アイ

ものぐさ活用法

調査研究・コンサルティング部門 繊維調査担当 安楽 貴代美

私の利き手は右ですが、数年前から、PCのマウスを利き手ではない左手で操作するようにしています。その利点は、マウスを動かしながら右手で他の動作ができることです。