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2013年9月2日
マネタリーベース

日銀が供給するお金の量、「異次元緩和」で金融調節目標に昇格

日本銀行が供給する通貨のことです。具体的には、市中に出回っている現金(銀行券と 硬貨)と、金融機関が預金の払い戻しなどに備えて日銀に預けている「当座預金」の残高 の合計を指します。 日銀は景気低迷時には金融機関が持つ国債を買い上げ、マネタリーベースを増やして経 済を刺激します。逆に、景気過熱時には日銀が持つ国債を金融機関に売却して資金を吸い 上げ、マネタリーベースを減らすことでインフレを抑制し、バブルの発生を防ぎます。 マネタリーベースは、もともと金融政策の姿勢を示す指標の一つでしたが、日銀が 2013 年 4 月 4 日に「量的・質的金融緩和」に踏み切った際、金融調整目標を従来の無担保コー ル翌日物金利からマネタリーベースに変更したことで、より重要な指標となりました。日 銀のこれまでとは次元の異なる大胆な金融緩和を受けて、2013 年 4 月末のマネタリーベー ス残高は前年同月比 26.2%増の 155 兆円に急増し、その後も過去最高水準を更新し続けて います(2013 年 8 月末残高:約 177 兆円)。 金融緩和策としてマネタリーベースを増やすのはなぜでしょうか。日銀が供給するお金 の量が増えれば、それを借りるコスト、すなわち金利が下がるため、企業は借り入れを増 やそうとし、金融機関は低利の国債で運用するより企業への貸し出しを増やした方が有利 と考えるようになると期待できるからです。また、お金の量が増えればその価値は下がり、 相対的に物の価値が上がるはずで、この面からもデフレ脱却に寄与すると考えられます。 これに対し、そもそも企業の資金需要が乏しければ、いくらマネタリーベースを増やし ても、銀行にお金がとどまり、企業や個人などに出回るお金は限定的になるとの指摘もあ ります。今後、日銀の「異次元緩和」の効果が現れるかどうか注目されます。

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