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2015年2月1日
繊維トレンド1・2月号 2015 No.110

■ファイバー/テキスタイル

上期の東南アジア 合繊原料・製品市況を読む

特別研究員 繊維産業アナリスト 向川 利和

【要点(Point)】
マクロ的には、「世界経済は緩やかに減速」下振れの懸念がある
(1)アメリカ 雇用と消費増の好循環が続く
(2)ユーロ圏 下振れが鮮明で、デフレ懸念続き雇用も回復せず
(3)アベノミクスで日本は戦後15回目の好況局面
(4)アジア 6%超の成長続く。AEC(アセアン経済共同体)の誕生に期待高まるが中国経済の減速が懸念材料
原油、ナフサ、合繊原料、合繊製品に中国からのデフレ圧力
アジア主要国の概況
(1)韓国 景気回復の勢い弱く、輸出主導経済に限界―中国の減速で動揺
(2)台湾 輸出鈍化で低成長脱せず
(3)中国 高度成長から安定成長へ手探り続く
(4)タイ 政治混乱続き景気減速
(5)マレーシア 輸出回復で堅調を維持
(6)インドネシア 成長鈍化も高い潜在力。10年ぶりの政権交代で新風吹くか
(7)インド 成長鈍化続く。10年ぶりの政権交代で工業国への転換目指す

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China Fashion Week レポート -素材軸のコレクションで、PR効果を強化-

繊維調査部

 2014年10月25日~11月2日、北京にてMercedes-Benz China Fashion Week(梅赛德斯-奔驰中国国际时装周、以下CFW)2015/SSが開催された。今回で18回目となる同コレクションは、中国最大のファッションの祭典であり、年々その規模を拡大し、約80のショーやイベントが開催された。本稿では、そのうち10月30日に行われた東レのファッションショーと、素材プロモーションについて紹介する。

PDF : 詳細(PDF:1,310KB)

欧州外初「ミラノウニカ」展参加 -欧州展示会参加にみる日本メーカーの可能性 小松精練中山常務(東レ合繊クラスター輸出ワーキンググループ長)に聞く-

繊維調査部

 2014年9月、イタリアのミラノウニカ展で欧州外初となる日本企業の参加が受け入れられた。本稿では、東レ合繊クラスターとしての出展の推進役の一人である小松精練株式会社中山大輔常務取締役に、その出展概要と、現地バイヤーからの期待や評価、また出展した日本企業側の手応えを聞くとともに、欧州市場開拓に長い経験のある小松精練社から見た、日本製テキスタイルの欧州向けビジネスの可能性を探る。

イタリアとスウェーデンから欧州繊維産業の動きを見れば ―新たな方向を探るミラノウニカとストックホルムH&Mの長期戦略―

株式会社インテグレード 代表取締役社長 欧州繊維専門月刊誌『Twist』在日特派員 永松 道晴

【要点(Point)】
(1)イタリアデニムの革新的プレゼン、英国ウールマーク社との協業、日本パビリオンの設置など、ミラノウニカは、他の展示会に先駆けてモノづくりを得意とするイタリアの強みを演出している。
(2)展示会全体を通じて獣毛繊維の価値と多様性が重視されている。ブラッシュ、キルト、ループ、ブ-クレ、フェルトの厚手が大勢を占め、ツイードはじめ英国カントリー好みの色・柄・風合いが目立つ。
(3)ジャケットやシャツにジャージーが盛んに取り上げられて、ラグジュアリーなスーティングやジャケッティングからファンキーなニットアイテムやシャーティングにまで及んでいる。
(4)スウェーデンの小売り大手H&Mは消費者のためにサステナブル(環境維持)でエシカル(倫理)の本道を行くことを長期戦略の原点として、有機綿の調達、水資源の保護、新興国の貧困対策等多角的な具体策を推進している。
(5)H&Mはその主要生産国バングラデシュでのモノづくりについて労働環境の改善を中心に同国政府と緊密に連携して、その製品調達が地元労働者の生活の質の向上につながることで消費者に対する責任の一端を果たすという企業哲学を実践している。

第53回 Dornbirn 国際化合繊会議(MFC 2014)報告

東レ株式会社 繊維加工技術部 塩谷 隆

【要点(Point)】
(1)第53回ドルンビルン国際化合繊会議は2014年9月10日~12日に開催され、二十数カ国から約630名が参加した(日本からは13名)。
(2)発表件数は計109件で例年並みであった。日本からの発表件数は5件(昨年8件)であったが、ドイツ、オーストリアに次ぐ3位であり、欧州以外では最も存在感があった。
(3)発表内容では、今回は『仕上げ加工技術』と不織布を含む『構造体』に関するテーマが目立った。『仕上げ加工技術』においては、「ナノ」「エレクトロケミカル」「コーティング」、『構造体』においては、「軽量化」「3Dなどの立体化」「コンポジット」がキーワードであった。
(4)テーマ推進のためには、EUプロジェクト、地域内連携(クラスター活動など)、産官学連携、異業種連携などの体制づくりがますます重要となっている。

■縫製/アパレル

中国ほか海外進出を成功させるための準備と計画

事業開発研究所株式会社 代表取締役 島田 浩司

【要点(Point)】
(1)中国市場は、私たちに何を求めて来たのか?そして、これからどのように変化していくのか?
(2)市場の変化と価値の変化、そして、為替の変化を読み、今、何を売るかを考える
(3)同じ市場調査でも、どこまでやるかで、どれだけ時間をかけるかで、違ってくる
(4)中長期計画からゴール設定 その前に「いくら投資してどんな人材を起用するか?」

2013年の中国の可処分所得と消費支出、アパレル品市場 

株式会社フランドル 上海事務所 所長 篠原 航平

【要点(Point)】
(1)可処分所得が高い地域は、消費支出も高く、主に沿岸部に集中している。また可処分所得に対し消費支出の方が地域別のバラつきが大きい。
(2)可処分所得、消費支出共に増加のペースは鈍くなっているが、毎年着実な成長を続け、その水準の日本との差はどんどん縮まっている。
(3)消費支出の内訳は、シェア1位が食料、2位が交通・通信、3位が教育/教養娯楽で、4位に10.55%で被服及び履物が位置し、その後に住居/光熱・水道他が続く。
(4)被服及び履物の消費支出の5年間の増加率の平均は8カテゴリーの平均より高いものの、2013年に関しては8カテゴリーの中で最低である。
(5)2013年の小売数量は、シェア1位が婦人服、2位が下着、3位が子供服、4位が紳士服、5位が防寒服、6位がカジュアルウエアであった。
(6)2013年のアパレル品の消費支出及び小売数量の増加率は低い。このような状況下、現在中国で最も盛んな取り組みがO2Oである。

■小売/消費市場

2015年 NYが注目するファッションワールド

英字ファッション情報誌 「NY Street Fashion: Multicultural Fashion & Lifestyle Magazine」 シニアエディター マヤ・カワムラ

【要点(Point)】
(1)NYファッションウイークを主催するIMGグループの買収劇で運営が心配された主要会場「テント」であったが、2014年秋には89件のショーが実現。既に2015年秋には再度移転も計画され、新たな門出が注目される2015年NYファッションウイークだが、オバマ大統領夫人もホワイトハウスにてファッション行事を実施するなど、ファッション教育と共に、産業自体も「国益」として前進していく過程を見る。
(2)混乱の中、「ProjectNYC」「MRket」等、ファッション合同産業展示会は独自の手法で、NY ファッション産業を盛り上げ、重要な役割を果たす。
(3)メトロポリタン美術館「チャールズ・ジェームズ」展の影響もあり、高級仕立服も新たなジャンルとして見直されている。
(4)英国発TOPSHOPの5番街旗艦店オープンは、再度ファストファッションの存在感を印象付ける。日本発ブランド「UNIQLO」も厳しい国際競争の中、米国でも認知度向上のため、積極的な姿勢で挑んでいる。

■知りたかった繊維ビジネスのキーポイント

標準化の戦略的活用

日本化学繊維協会 理事 杉原 克

注目される標準化  近年、市場創造や企業競争力強化のための標準化の重要性が説かれている。2014年5月には経産省が「標準化官民戦略」を発表し、その機運はますます盛り上がっている。特に日本では、日本が世界をリードする高機能・高性能繊維の市場拡大のツールとして、標準化が注目されている。

■統計・資料

Ⅰ.日本の合繊各社の主要海外繊維生産拠点リスト(2015年1月)

東レ/帝人/旭化成/三菱レイヨン/東洋紡/ユニチカ/セーレン/東邦テナックス/カネカ

Ⅱ.日本の紡績各社の主要海外繊維生産拠点リスト(2015年1月)

ダイワボウホールディングス/シキボウ/クラボウ/ニッケ/日清紡/トーア紡コーポレーション/オーミケンシ/富士紡ホールティングス