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2004年7月1日
「わが国製造業の競争力は回復したか」
チーフエコノミスト
増田 貴司

・わが国製造業は、リストラによる増益から増収を伴った増益へと移行し、国内での工場建設の動きが活発化している。これらを背景に、日本の製造業が国際競争力を取り戻したという見方が強まっている。 ・企業の国際競争力は、貿易収支や貿易特化係数だけでは測れない。 ・企業の国際競争力の構成要素は、(1)生産の競争力、(2)新製品開発の競争力、に二分して考えることができる。 ・日本企業の競争力に対する意識は、この10数年間で技術力だけでなく価格競争力を重視する方向に変わってきた。 ・マクロ経済指標や利益パフォーマンスは、必ずしも企業の競争力に直結しない。 ・工場の「国内回帰」という流行りのキーワードは、景気回復の結果にすぎない現象を日本の「モノづくり復権」や「空洞化克服」の表れと考える幻想を世間に与えやすい言葉である。国内立地製造業は、自らの実力を過大評価することなく、地道にモノづくり能力向上の努力を続けるべきだ。

PDF : TBR産業経済の論点 No.04-14(127KB)