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2020年12月17日
経営センサー12月号 2020 No.228

■今月のピックアップちゃーと

日本企業が直面する新卒採用の2021年問題 ~採用活動が厳しくなる中で問われる企業の人材確保策~

産業経済調査チーム

■産業経済

欧州は水素利用のトップランナーに? ―社会実装に向け動き出した「欧州水素戦略」―

産業経済調査部 研究員 山口 智也

Point
(1)欧州委員会が2020年7月に発表した「欧州の気候中立に向けた水素戦略」(以下「欧州水素戦略」)は、水素社会の段階を実証実験から社会への実装に移行させるもので、日本の水素戦略に比べて高い目標を掲げている。
(2)野心的といってもよい目標を掲げている背景として、地球温暖化防止に向け、再生可能エネルギーの最適な利用、化石燃料が大半を占める熱エネルギー源の置き換えといったことが不可欠になっており、水素の利用拡大が有効策として認識されていることが挙げられる。
(3)欧州では、以前より再生可能エネルギー由来の電力を使って水を電気分解して水素を生成する仕組みの開発、燃料電池車や熱電併給型の燃料電池のコスト低減や普及拡大といった取り組みが域内全体で進められており、欧州水素戦略はその総仕上げといえる。
(4)欧州水素戦略が実行される過程で水素分野への投資拡大が期待され、市場の成長が期待できる。市場は巨大かつ裾野が広いため、日本企業の参入余地は大きい。

コロナ後のESG投資 ―ピンチをチャンスにする新しいビジネスのヒント―

産業能率大学 経営学部 教授 あすかコーポレイトアドバイザリー株式会社 取締役ファウンディングパートナー 光定 洋介

Point
(1)コロナ後も、パンデミックリスクが再認識されたことやスチュワードシップ再改定によって、投資家のESG投資に対する増加トレンドは変わらない。
(2)企業は、ESGに関するコミュニケーション姿勢に注意が必要。情報開示では全てを開示し、対話に際しては企業価値への影響を説明することが重要である。
(3)コロナ後はESGの中の社会(S)に注目したESG活動にも注目される。また、グリーンリカバリーとデジタル関連の公共投資が増加するだろう。
(4)コロナ後もSDGsへの注目も続き、ここでも人権や環境への配慮が大きなテーマになろう。そこには新しいアイデアで企業価値を上げるチャンスが数多くある。

■技術・業界展望

急変する国内携帯電話基地局市場 ―サムスン電子とNECの連携、NTTのNECへの600億円出資とNTTドコモ完全子会社化の意義―

長崎県立大学 経営学部 国際経営学科 教授 江崎 康弘

Point
(1)グローバル携帯電話基地局市場
(2)ファーウェイの急成長
(3)米国政府によるファーウェイへの集中攻撃
(4)サムスン電子とNECの連携
(5)NTTのNECへの600億円出資とドコモ完全子会社化

■視点・論点

新型コロナウイルスで七転八倒

NPO法人アジア・アパレルものづくりネットワーク 代表理事 小島 正憲

Point
(1)新型コロナウイルスは全世界の縫製工場を襲った。
(2)新型コロナウイルスは全世界のアパレル需要を奪った。
(3)人命尊重と会社(工場)の存続の両立を目指す。

■マネジメント

技術シーズの新規事業開発への結びつけ方 ―技術と潜在ニーズを結びつけ、新たな事業を生み出すための考え方とノウハウ―

株式会社リーディング・イノベーション 代表取締役/新規事業開発上級職人 芦澤 誉三

Point
(1)潜在ニーズは、どのようにすれば掘り起こすことができるのか。潜在ニーズの捉え方を変えると掘り起こす仕方も見えてくる。
(2)自社の技術を知るために技術の要素分解は重要である。しかし、新規事業テーマを発案するには分解ではなく、むしろ抽象化が重要である。
(3)ニーズ指向、シーズ指向とは異なる目的指向。シーズ起点でニーズ指向の事業を創る“目的指向アプローチ”の考え方と進め方を解説。

アフターコロナ時代にこそ必要な工場の“基礎力”

株式会社ジェムコ日本経営 コンサルティング事業部 本部長コンサルタント 古谷 賢一

Point
(1)アフターコロナ時代の工場に求められるのは、今まで変わるべきといわれながら、変われなかったことを、確実に変革する力である。
(2)想定される環境変化(生産の国内回帰、作業者の絶対的な不足、テレワークの推進)に対峙するには、ものづくりの基本に立ち返る必要がある。
(3)変革に奇策はない。生産性を高める基本、楽にできる、誰でもできる、どこでもできる、を工場は徹底して追求しなければならない。

日本企業の再生と人材マネジメント ―スペシャリストの活用―(上)

TIMコンサルティング 代表 古田 健二

Point
(1)世界の各種産業において、日本企業の存在感が低下している。この状況から脱却し、再生するためには、まずこの実態を認め、真のイノベーションを促進することが必要である。
(2)そのためには適切なテクノロジーマネジメントが重要である。テクノロジーマネジメントとは、研究開発マネジメントとは異なり、技術を適切に活用することである。
(3)テクノロジーマネジメントは人材に帰結するといっても過言ではない。変化する経営環境を受けて、人材マネジメントにおいても変化が求められている。

■ちょっと教えて!現代のキーワード

「行政のデジタル化」 「バイオマス」

産業経済調査部門

■お薦め名著

『シリコンバレーのVC=ベンチャーキャピタリストは何を見ているのか』

山本 康正 著

■ズーム・アイ

名プロデューサーに見る育成術!?

ダイバーシティ&ワークライフバランス推進部 金子 真弓

コロナ禍で思いがけず増えた「おうち時間」。もっぱら動画配信サービスにお世話になっている私が、外出自粛中に特に熱中したのは、韓国と日本の音楽事務所が共同で立ち上げた『Nizi Project』というアイドル発掘オーディションの模様を伝える番組でした。