close

2012年12月20日
シェールガス革命が米国にもたらす経済効果は4,000億ドル超
「シェールガス革命」と日本企業の戦略(2)
シニアエコノミスト
福田 佳之

・シェールガス革命は米国のエネルギー産業のみならず、製造業にもインパクトを与えている。その影響を試算すると、少なく見積もっても2020年までに4,000億ドルの生産増を米国にもたらすだろう。 ・シェールガスの増産は、精製・貯留の装置や採掘・輸送の鋼管などのインフラ需要が増加する。米国内外の鉄鋼や機械の企業がこれらのインフラ需要を見込んで活発な事業展開を行っている。 ・全米天然ガス協会によると、関連インフラ投資は2020年までに1,000億ドル程度に達し、35年までに2,000億ドルを超えると見ている。 ・シェールガスには、天然ガスであるメタンだけでなく、エタン、プロパンなど石油化学製品の原料となる天然ガス液が含まれる。シェールガスの増産は天然ガス液の増大につながり、石油化学産業にとって同原料の安価調達が可能となっている。 ・この結果、米国の石油化学産業はコスト競争力を高めており、石油化学製品の生産を増加させている。また、彼らは生産拠点の国内増設に動いており、内外の化学産業を中心に製造業の国内回帰が見られる。 ・全米化学工業会が12年5月に発表したシェールガスの経済効果について、化学産業には2,000億ドル超の生産と60万人の雇用の増加、同産業を含む関連8産業合計で見ると、3,400億ドル超の生産と110万人超の雇用の増加がもたらされるとしており、シェールガス革命のインパクトはかなりの規模になる見通しである。

【キーワード】

シェールガス、パイプライン、シームレスパイプ、ガス圧縮装置、LNGプラント、米国エネルギー情報局(EIA)、天然ガス液(NGL)、石油化学製品、エチレン、ナフサ、ダウ・ケミカル、窒素肥料、アンモニア、尿素、メタノール、GTL

PDF : TBR産業経済の論点 No.12-09(351KB)