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2012年11月1日
ライフプランを書いてみませんか?
コンサルタント
森本 有紀

 社会人になって初めて、半年いや一年近く先の予定が埋まることを経験している。 9 月には来年の手帳と卓上カレンダーを入手し、先の予定に思いをはせ、繁忙状況を想像しながら、資料作成や必要な段取りや仕事に自分で締め切りを設け、手帳に書き込んでいく。ついでに、古い(といっても現役の)手帳から必要な情報を転記していく。元日や自分の誕生日のところで、ふと、この年(歳)をどんなものにするか考えるときがある。そんなとき、決まって思い出すものがある。最初に入った会社で書いた「ライフプラン」だ。 新卒で入った会社には、「ライフプラン」を作成するという習慣があった。それは、生命保険やローンを組むときに作成するお金の管理を目的にしたものではなく、人生そのものの計画をするものである。 50 年分の枠が与えられた白紙のライフプランシートに、当時22 歳の私は50 年分の夢を書きつづった。22 歳から72 歳までの人生であるから、昇進、転職、結婚、出産…となり、そこには生まれてもいない子供の小学校入学から結婚式まで書き込むことになる。ライフイベント以外にも、仕事の内容や収入、自宅購入等の資産形成、趣味や友人付き合いと幅広く書き込んでいく。 真面目な新入社員だったころの私は、恥ずかしい夢物語を真剣に書いたのを思い出す。そのライフプランは、上司との面談で使用する。仕事上の目標管理と同様に、私生活の目標も上司が面倒を見てくれるのだ。 目標や夢を大きくつづったライフプランを上司に発表(この場合、告白のほうが正しいかもしれないが)すると、上司からは人生経験を踏まえたキャリアパスの方向性や、そのために必要な知識や人脈、習得すべきスキルなどを時系列で示してもらったのを覚えている。高度すぎて私には実践できなかったが、合コン指南もあった。 上司からすれば、部下のライフプランは笑いのツボ満載で、失笑を堪えての面談だったのだろうと思うが、新入社員のときにそんな経験ができたことを非常に感謝している。その後1 度書き直しただけ、また残念ながら?そのプラン通りの人生でもないが、折に触れ、10 年、20 年という単位で、どう生きていきたいか、今でも考える瞬間がある。  研修の場で「ライフプランを書いてみましょう」と提案することがある。50 年分を用意すると何日あっても書き上がらないので、10 年分を用意する。多くの人はペンを握っては、悩み、悩んでは書けない…という動作を繰り返している。自分と家族の年齢を記入し、それぞれのライフステージを入れて、ふと長期的な視点でプライベート(ライフ)を考えたことがない、あるいは仕事ばかりで、家族をおろそかにしていたと気づくようだ。管理職クラスだと定年がちらつき、さて…と思い至る人もいる。 機会を見つけてこっそりとライフプランを書いてみてはいかがだろう。何か気づくかもしれない。