close

2020年4月17日
経営センサー4月号 2020 No.221

■今月のピックアップちゃーと

インドが3年ぶりに有望事業展開先トップに ~「インドの時代」の幕開けか~

産業経済調査チーム

■特別講演会抄録

成功する日本企業には「共通の本質」がある ─組織の不条理とダイナミック・ケイパビリティ─

慶應義塾大学 商学部・大学院商学研究科 教授 菊澤 研宗 氏

東レ経営研究所では、2019年11月5日、経団連会館にて「予測困難な時代に求められる経営、人材とは―成功する企業の本質と新ビジネス創出のヒント―」と題した、2019年度特別講演会を開催しました。本号では慶應義塾大学商学部・大学院商学研究科教授 菊澤研宗 氏の講演をご紹介します。

Point
(1)現状の非効率を変革しようとしても、その変革のための取引コストが極めて大きいと、損得計算の結果、人は現状を維持する方が合理的と考え、失敗してしまう不条理に至る。
(2)不条理を理論的に回避する有効な方法の一つとして、既存の資源を再構成し、プラスを高めて変革する「ダイナミック・ケイパビリティ」があるが、これだけでは二次的不条理に陥る。
(3)優秀な日本人ほど一見客観的に見える基準により行動しようとするが、不条理を回避するには、リーダーは主観的な価値判断を行い、その責任を取ることを恐れてはならない。

PDF :  詳細(1,095KB)

■産業経済

産油国と米国シェール開発企業との対決は第2幕に突入 ―原油市場と米国石油化学産業の動向―

産業経済調査部長 兼 チーフエコノミスト 福田 佳之

Point
(1)原油価格(WTI)は1バレル20ドル台前半まで急低下して推移している。3月のOPECプラス産油国会合でサウジアラビアとロシアの減産合意がまとまらず、サウジなどが一転増産に踏み切ることを明らかにしたことが大きい。一方、シェールオイルの増産のペースは低下している。
(2)また新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で世界各国の景気減速と原油需要の低迷が見込まれていることも油価低迷に影響した。
(3)米国のシェール由来の安価な原料を基にしたエチレンプラントは完成しており、本格稼働している。また2020年代の建設計画も発表されている。ただ中長期的には米中貿易摩擦の影響と循環経済(サーキュラーエコノミー)の進展が懸念材料であり、今後供給過剰に陥る可能性もある。

PDF :  詳細(1,054KB)

「欧州グリーンディール」とグローバル企業の戦略 ―循環型経済と生物多様性への展開―

公益社団法人 日本経済研究センター 特任研究員 林 秀毅

Point
(1)2019年12月、欧州連合(EU)は「欧州グリーンディール」を発表し、2050年に温室効果ガスの排出をゼロにする政策目標として掲げた。
(2)「欧州グリーンディール」では、循環型経済(サーキュラーエコノミー)、生物多様性の維持なども最優先課題として挙げている。
(3)これらの政策目標は互いに関連しつつ、素材産業を中心とするグローバル企業のサプライチェーン戦略に大きな影響を与えるだろう。

PDF : 詳細(1,011KB)

■視点・論点

ハラスメントを許さない組織づくり

リクルートワークス研究所 人事研究センター長・主幹研究員 石原 直子

なぜ、いま、ハラスメントか 2019年6月に労働施策総合推進法や女性活躍推進法が改正され、パワーハラスメント(以下、パワハラ)の防止に向けた対策を企業に義務づけること、セクシュアルハラスメント(以下、セクハラ)などの防止対策の実効性の向上を求めることなどが決められた。大企業では2020年4月から、中小企業では2022年4月から、これらの法が適用される。

PDF :  詳細(907KB)

■マネジメント

海外から見た“日本型経営”の課題と希望 ―世界で再び輝くための3つの提言―

Asian Identity Co., Ltd. CEO & Founder 中村 勝裕

Point
(1)日本企業の国際的地位の低下は、各種調査結果から否定できない状況にある。海外スタッフからの就職先としての人気も低下傾向にあり、経営手法や日本人の価値観のアップデートが急務である。
(2)その課題の多くは文化的な特徴から説明ができる。日本人の特徴である「勤勉さ」「精緻さ」「計画性」はモノ作り全盛の時代は強みであったが、産業構造が変わった結果、今では逆に弱みとなりつつある。
(3)打開策として3つの提言をする。それは①リーダーが異文化を理解し、ラグビー日本代表のような多様性が強みとなる組織を作ること。②「中庸」「調和」の精神を世界に誇る日本的リーダーシップの武器と位置付けること。③組織内に“出島”を作ることで同調圧力に負けずにイノベーションを生み出すことである。

PDF : 詳細(1,009KB)

■ヒューマン・ディベロップメント

女性が輝く企業特集~岩手県プラザイン水沢の事例~ ―離職率の高いホテル業界で最近10年間、女性従業員(育児関連)退職者ゼロの快挙―

株式会社プラザ企画 総務担当 後藤 康文 氏 ダイバーシティ&ワークライフバランス推進部長 宮原 淳二

Point
(1)女性従業員がここ10年間退職ゼロの理由は、優秀な女性従業員がいかにして退職しないで仕事を継続できるか、を視点に人事制度を都度改訂していたため。
(2)ホテル業界では珍しく、副業・兼業を認めており、女性のキャリアアップを支援。資格取得にも注力しており、能力開発に余念がない。
(3)数多くの外部認定を受賞されており、次はプラチナえるぼしに応募予定。地域に愛され続けるホテルを目指している。

PDF :  詳細(1,018KB)

「共通の目的がない集団」は「チーム」ではなく「グループ」

元株式会社リンクアンドモチベーション 取締役 麻野 耕司

Point
(1)チームとグループの違いは「共通の目的」の有無。
(2)目標には3つの種類がある(行動目標、成果目標、意義目標)。
(3)環境変化のスピードが速い時代においては意義目標が重要になる。

■ちょっと教えて!現代のキーワード

「カーボンリサイクル」 「エッジコンピューティング」

産業経済調査部門

■お薦め名著

『世界でいちばん働きがいのある会社』

マイケルC. ブッシュ 著 笹山 裕子 訳

■ズーム・アイ

目に見えない力の戦いが知恵を生む

人材開発部 福田 貴一

「かんじんなことは、目に見えないんだよ」 これはサン=テグジュペリの『星の王子さま』に出てくる有名な一節。物語の中でキツネが王子さまに秘密のおくりものをするとき、そう言いました。