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2001年10月1日
繊維トレンド10月号 2001 No.19

■特別インタビュー

日本の紡績業界の展望 日本紡績協会 会長・(大和紡績(株)社長) 武藤 治太氏に聞く

インタビュアー:東レ経営研究所 副社長 大川 三千男

 厳しい状況にある日本の繊維業界の中で、紡績業界は通商政策に対して先頭をきって積極的に取り組まれています。また、紡績錘数が大きく減少する中で、各社各様の優れた事業を展開しておられます。本年6月から日本紡績協会会長に就任された大和紡績(株)社長の武藤氏にインタビューし、日本の繊維業界の活路を考える上で非常に参考になるお話を伺いました。

■市況

下期の市況をよむ -原油価格、年末に向け下落 ポリエステル失速したまま浮上せず-

向川 利和 特別研究員 繊維産業アナリスト

1.原油価格先物相場は売り越し(弱気)  OPECの追加減産実施(9月から日量100万バレル)で、軟化基調に一応歯止めがかかっているものの、年末に向け下落する可能性が強い。高値安定が続いた原油価格は、OPECの減産強化にもかかわらず、世界的な景気減速を映して、石油需要の伸び悩みは鮮明で、市場に与える減産のインパクトは弱まっている。

■業界情報

5年後の東アジア-合長織物勢力図が一変 中国一人勝ち、韓台日は大幅減の予想

向川 利和 特別研究員 繊維産業アナリスト

1.原油価格先物相場は売り越し(弱気)  「中国が2倍近くに増え、競合部分の多い韓国は30%以上、台湾は20~25%、日本も15~20%の減少を余儀なくされる」-今後5年間で東アジアの合繊長繊維織物産業地図が大きく変わるとのリポートを福井県繊維協会が発表した。日本は、国内衣料縫製用が40~50%、純輸出は30%前後大幅に減るが、持ち帰り用は7%減でとどまり、非衣料用は15%前後増加する見通しであるとした。

■世界の動向

イタリア繊維産業の強さの秘密 -名古屋商工会議所繊維生産部会における講演抄録-

小林 元 小林イタリアオフィス代表

はじめに  今日の題は「イタリア繊維産業強さの秘密」ですが、イタリアの繊維産業は、中小企業がほとんど握っているので、「イタリアの繊維産業、中小企業の強さの秘密」と言い換えてもいいと思います。私はALCANTARA社という会社を通じて、この非常に活力のあるイタリアの中小企業に接したので、まず、ALCANTARA社という会社について概要をご説明して、二番目にこのALCANTARA社がなぜ成功したかということを述べ、それからイタリアの中小企業の強さの秘密、なぜこれほど世界的にイタリアブームを起こし、かつ日本でも大変受け入れられているのか、ということを申し上げたいと思います。

■産地動向

輸入急増の中で苦境打開の努力を続ける和歌山ニット産地

藤井 健三 繊維調査部 部長

1.はじめに  丸編みニット生地の生産規模で全国一を誇る和歌山産地は、年々加速するニット製品の輸入増加により産地の規模の大幅な縮小を余儀なくされているが、厳しい状況の中での生き残り策を模索する新たな動きも産地の中に芽生えている。苦境の中で状況打開の努力を続けている和歌山ニット産地の現状をレポートする。

■新技術動向

ペットボトルリサイクルへの取り組みの現状

藤井 健三 繊維調査部 部長

1.はじめに  1997年4月の「容器包装リサイクル法」施行以後、ペットボトルのリサイクルは、消費社による分別排出、市町村による分別収集、事業者による再商品化という新しい役割分担の下で容器包装リサイクルシステムがスタートしている。回収されたPETボトルのリサイクル方法としては下記の3種類がある。 (1)マテリアルリサイクル:再生素材を中間原料まで戻して新たな別の製品に生まれ変わらせる。 (2)ケミカルリサイクル:製品を分解して原料にまで戻し、再利用する。 (3)サーマルリサイクル:不要になった製品を燃焼させて熱エネルギーとして再利用する。 今回は、ペットボトルのマテリアルリサイクルについて取り組みの現状を報告する。

■ファッション

ファッション産業における意匠権の活用 -デザインは消耗品か-

財団法人ファッション産業人材育成機構 IFI総合研究所 所長 恵美 和昭

 ファッション産業は、デザインの貢献度が高い産業であるにもかかわらず、デザインを消耗品として消費している。意匠権に対する認識も低く、類似・模倣に対しても寛容である。ファッション・ビジネス事情に関しては、わが国と大きな違いがない欧米のデザイン保護の情況に照らして、わがくにのファッション業界のデザインのあり方を考える。

■伝説に残る織物の里シリーズ4

着物のふるさと-京都西陣

繊維調査部

 西陣織の源流となる京都の高級織物の発祥は、延暦13年(794年)の平安遷都以後設立された「おりべのつかさ織部司」(今でいえば、工業省繊維局紡織課といったところ)にあります。この「織部司」は、織部町(現在の上京区上長者町近辺)の職人を督励して、錦、綾、羅などを独占的に織り出していました。

■統計・資料

1. 北陸産地(ポリ長織物業界)、戦後の景気循環  2. 日本の景気循環 3. 北陸産地織物生産量  4. 県別織物種類別生産量  5. 北陸産地織物染色加工量  6. ポリ長織物需給(全国)  7. ナイ長織物需給(全国)  8. 北東アジア4カ国のポリ長織物輸出実績(2000年)  9. [参考] 国内主要8大産地の短繊維織物生産推移