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2006年3月1日
経営センサー3月号 2006 No.80

■特別企画

グローバル高収益企業を目指して -日本的経営の強みと課題 - 

株式会社良品計画 代表取締役社長  松井 忠三 アジア・アドバイザリー・サービス株式会社 会長  ジェームス C.アベグレン 株式会社東レ経営研究所 産業経済調査部長 チーフエコノミスト  増田 貴司

東レ経営研究所では、去る2005年11月21日(月)、経団連会館にて「東レ経営研究所2005年度特別講演会」を開催しました。当日は、一時期低迷していた『無印良品』を鮮やかに蘇らせた松井忠三氏(株式会社良品計画代表取締役社長)と、「終身雇用」という言葉の生みの親であり、歴史的名著『日本の経営』の著者であるジェームス・C・アベグレン氏(アジア・アドバイザリー・サービス株式会社会長)のお二人を講師としてお招きし、「グローバル高収益企業を目指して」というテーマのもと、企業経営の課題と成功の条件についてお話しいただきました。また、弊研究所からは、産業経済調査部長・チーフエコノミストの増田貴司が講演いたしました。

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■経済・産業

IT化・デジタル化が変える「ゲームのルール」  -米国企業の対応は世界寡占と完全分業- 

日本貿易振興機構 海外調査部 北米課 上席課長代理 鈴木 裕明

【要点(Point)】
(1)90年代後半からのIT化・デジタル化の波は、モジュール化を通じたIT機器産業の寡占化、サービス部分を含めた国際分業の著しい進展、新興国市場の急速な立ち上がりという3つの変革を引き起こした。
(2)その結果、IT機器産業では、競争上のゲームのルールが全く変わった。米国企業は、新たなルールに則り、世界寡占達成型と完全分業移行型の2つの型に企業戦略を対応させていった。
(3)多くの日本企業にとっては、2つの型いずれを取るにしても、従来からの企業体質を大きく変える必要がある。
(4)IT化・デジタル化の波は、今後、IT機器産業を超えて他業界へも波及する可能性が考えられ、それにつれ、各業界のゲームのルールがどのように変わっていくのか、注意していくことが必要だ。

シリーズ:製造業の現場は今(6)  日本の重厚長大産業、復活の理由 -鉄鋼業と造船業の事例に見る(2)- 

永井 知美 産業経済調査部 産業アナリスト

【要点(Point)】
(1)数年前まで「斜陽産業」の印象が強かった鉄鋼、石油、化学等重厚長大産業の利益が高水準で推移している。
(2)重厚長大産業好調の背景には、中国需要の増大があるが、原因はそれだけではない。リストラや業界再編による競争力向上もある。
(3)重厚長大産業の一角・造船業界は、海運活況による船腹需給逼迫を背景にフル操業状態にある。造船業界特有の事情により業績回復は先送りとなっているものの、新造船建造量でいまだ世界トップクラスである。高コスト、古い設備というハンディを抱えながら、国内生産を堅持し競争力を維持している背景には何があるのか、三井造船株式会社千葉事業所への取材等を踏まえて考察してみた。

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サンデン・フォレストの開発 -挑戦し創造し貢献する新拠点-

サンデン株式会社 総務人事部 企画グループ リーダー 細谷 泰治

【要点(Point)】
(1)群馬県赤城山のふもとにあるサンデン株式会社の赤城事業所(サンデン・フォレスト)は、「環境と産業の共存」をテーマに掲げた環境配慮型の異色の工場として注目を集めている。
(2)サンデンがサンデン・フォレスト開発を決断し赤城事業所が稼動開始した2002年当時は、日本国内の大規模投資はまれであった。
(3)開発に当たっては、工場設備の先進性は無論、事業所全体で、経済・環境・社会の面で社会的責任を果たしていくことを目指した。
(4)現在、環境配慮の事業所で地球環境に負担をかけない製品群の開発を目指し、自動販売機、ショーケース、ストーブ、電子機器部品等を製造している。
(5)フォレストでは様々なステークホルダーとの協創を実施しており、今後もその活動の輪は拡大してゆく。

■視点・論点

日本組織の自己監視・監査機能の欠如を問う

元サントリー株式会社 常勤監査役 坂本 幸雄

《問題提起》  昨年もまた数々の公的組織や民間会社で不正、無駄遣い、不祥事が多発している。NHKの会長辞任に至る内部犯罪、社保庁や大阪市役所などの公金無駄遣いから最近の耐震強度偽装事件まで官民共通に様々な不正・不祥事が発生していることに深い憤りを感じる。その上これらの不正・不祥事では何よりもまず当事者の使命感や倫理観の欠如が責められるべきものではあるが、もうひとつの側面として、そこには官民問わず、日本の組織共通に、自己監視・監査機能が欠如している由々しき状況も窺える。 

■マネジメント

グローバル企業・トップインタビュー  変化する日本市場 -成功する外資系企業のトップから学ぶ-

第二回 ハイネケン ジャパン株式会社  ハイネケン ジャパン株式会社 代表取締役社長 ヤスパー B.モンマ氏 

-ハイネケン ジャパンの設立は1983年と聞いておりますが、ハイネケンのラベルのついたビールを日本人が飲めるようになったのはいつごろですか。 モンマ:ハイネケン社は、戦略上まず輸出を通じて事業基盤を築き、代理店契約、子会社設置、そして、さらに事業が拡大していけば、生産拠点として工場をつくります。日本で初めてハイネケンビールが販売されたのは、1961年のことです。当初は、日本全国どこの家庭でも、ハイネケンのビールが手に入る状況ではなく、レストランやバーなどで飲んでいただいていました。 

在中国日系企業が取り組む大学生のインターンシップ 

フリージャーナリスト 中島 恵

【要点(Point)】
(1)深にある日系工業団地「テクノセンター」ではユニークなインターンシップ活動を行っている。
(2)お仕着せのプログラムはなく、出稼ぎ労働者と生活をともにすることによって、大学生たちに自分の生き方を考えさせる場を提供している。
(3)大学生だけでなく社会人の人材育成にも貢献し、企業として日中関係の改善にも寄与している。

■人材

結論志向と戦略塾 

株式会社ジュライ 代表取締役 津田 久資

【要点(Point)】
(1)戦略塾は、戦略策定のためのツールをただ紹介するのではなく、心技体を総合的にトレーニングするために、設計されたプログラム。
(2)この心技体でも特筆したいのは、心=「結論志向」その意味は「限られた情報=不完全な情報の中でも、常に今ベストな結論をだすという心構え」のこと。
(3)いつチャンスが来るか、いつピンチが来るかわからないのがビジネス環境。その環境の中で、「情報が不完全だから答えが出せない」ではリーダーは務まらない。

■経済用語解説

ちょっと教えて!現代のキーワード  ・有限責任事業組合(LLP) ・コモディティ化

■お薦め名著

『歪みを愛でる』  -美の範疇を広げるための創造力- 

川尻 潤著

■ズーム・アイ

部下が上司をモチベートする!?

釘崎 康宏

 少し前から、また世の中で「モチベーション理論(動機付け論)」がはやっています。(一定の周期でブームがあるようです。)これらは主に、マネージャーの方々とか、職場の上の方々向けに論じられているものが多いです。もしくは個人そのもののやる気について触れられています。  しかし個人的には、若干違和感があります。なぜなら、「私だって組織の一員として、いつも上司や組織をモチベートしたい!」と思っているからです。

■今月のピックアップちゃーと

海外で日本酒ブーム再来か? ~清酒のアメリカ向け輸出はウナギのぼり~

■TBRの広場

「言わずもがなの風土」を越える「場」と「仕掛け」 ~異業種交流型ワークショップの勧め~