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2015年2月2日
GPIF

世界最大の年金基金、その運用改革は市場の注目の的

 国民が払った国民年金と厚生年金の保険料を一括して運用している機関「年金積立金管 理運用独立行政法人」のことです。英語名のガバメント・ペンション・インベストメント・ ファンドの頭文字をとって GPIF と呼ばれます。運用資産は約 130 兆円と世界最大の年金基 金で、民間の信託銀行や運用会社に委託して市場で運用しています。  GPIF の前身は年金福祉事業団で、2001 年に年金資金運用基金、2006 年に GPIF に改組さ れて今日に至っています。かつては、年金マネーを使って大規模保養施設のグリーンピア 事業を展開するなどして大幅な赤字を出した時期もありましたが、現在は市場運用に特化 しています。  GPIF では、どの資産にどの程度配分するかという資産構成割合(基本ポートフォリオ) を基に積立金を運用しています。 2014 年 10 月 31 日、GPIF は資産構成割合の見直しを柱とする運用改革を発表しました。 国内株、外国株の割合をともに 12%から 25%に引き上げる一方、国内債による運用は 60% から 35%まで縮小するといった内容です。従来の国債中心の運用を改め、株式など価格変 動の大きい資産の比率を上げる積極運用に転じました。  この見直しにより、当面は日本株に強い買い需要が見込まれ、株価を下支えする要因に なることが期待されますが、一方で、年金マネーがより大きな価格変動リスクにさらされ ることになります。  GPIF の資産の原資は国民への年金給付に回る保険料ですので、年金受給者の長期的な利 益に資する観点から、安全で効率的な運用に徹する原則が貫かれる必要があります。公的 年金の運用改革を目先の株価の維持押し上げ策として論じることは好ましくないといえる でしょう。

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