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2010年8月1日
経営センサー7・8月号 2010 No.124

■特別レポート

『戦略シフト:今、世界で生き残るために 日本と日本企業がすべきこと』

一橋大学大学院 国際企業戦略研究科 教授 石倉 洋子

 2010年3月5日に開催した繊維産業シンポジウム「北陸産地復活を目指して」(東レ株式会社との共催)における一橋大学大学院 国際企業戦略研究科 教授 石倉洋子氏の講演をご紹介します。  なお、当日は丸紅株式会社 丸紅経済研究所 所長 柴田明夫氏、東レ株式会社 佐野髙男常務取締役の3人の講師にご講演いただき、柴田明夫氏の講演内容を前号(『経営センサー』6月号)、佐野髙男氏の講演内容を『繊維トレンド』5・6月号で紹介しています。

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改造EV ビジネスで町工場が主役に

東京大学 総長室アドバイザー 村沢 義久

【要点(Point)】
(1)電気自動車の時代には先進国のみならず中国、インドのメーカーが台頭する。
(2)ハイテク化ばかりが人類の進歩ではない。ものづくりの本質に立ち返る必要がある。
(3)町工場による「スモール・ハンドレッド」企業群が改造EVのビジネス化によりCO2を削減し地方経済を活性化する。

■経済・産業

欧州ソブリン・リスクをどう見るか -2011年に向けたユーロ圏経済の展望-

みずほ総合研究所株式会社 シニアエコノミスト 中村 正嗣

【要点(Point)】
(1)ユーロ圏経済は緩やかなペースだが、2010年に入っても景気回復が続いている。
(2)ただし、各国別にみていくと、輸出にけん引されるドイツと景気低迷が鮮明なギリシャと、「南北」の景気回復ペースに大きく格差が生じている。
(3)2011年に向けても、中国を中心とした新興国や米国の景気回復を受けた輸出依存の緩やかな景気回復が続く見通し。
(4)しかし、欧州ソブリン・リスクの行方が大きな懸念要因。南欧諸国の財政問題は短期間での解消が困難であり、今後も注視が必要。

 

水は産業活性化の起爆剤となるか(後編) -日本の水関連産業の競争力と「和製水メジャー」- 

福田 佳之 産業経済調査部 シニアエコノミスト

【要点(Point)】
(1)水関連産業政策を実施し地場企業の成長を促してきた国として、スペイン、シンガポール、韓国などが挙げられる。いずれも海外先進企業との連携に重点を置くオープンな地場企業育成策をとっている点が特徴である。
(2)水関連素材・機器分野の日本企業は他の先進国企業と比較すると健闘しているが、今後も更なるコスト削減と低価格化を追求しなければならない。また、水市場の9割を占める水道事業に何らかの形で進出すべきであり、新興国企業との提携がカギを握る。
(3)長い目で見た場合、水循環事業を営む「和製水メジャー」の誕生が望まれる。ただし「和製水メジャー」はこれまでの水道事業の高コスト構造を打破しない限り、国際競争力を持ち得ない。
(4)政府は、オープンなスタイルで水関連産業の活性化に取り組むべきである。また役割として実証実験や官民連携の支援だけでなく、積極的なトップセールス、水ビジネスとリンクした公的援助、上下水道行政のワンストップサービスの実現が望まれる。

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地域を挙げた低炭素社会づくりの取り組み -低炭素社会構築に向けた技術シーズ発掘・社会システム実証モデル事業の事例から-

増田 真 産業技術調査部 リサーチャー

【要点(Point)】
(1)低炭素社会構築には、国レベルでの取り組みだけでなく、地域社会ごとに主体的な取り組みを行うことが重要となっている。
(2)「低炭素社会構築に向けた技術シーズ発掘・社会システム実証モデル事業」は、技術シーズを有する地域企業・大学・研究機関と、自治体・地域住民の連携により、低炭素社会に向けた有望技術の開発や、これを活用する社会システムの実証・立ち上げを目指す取り組みを重点的に支援するものである。
(3)低炭素社会実現のための技術とは、必ずしも革新的技術に限らない。このような技術のうち、中長期的に温室効果ガス排出量削減につながるものを発掘することも重要である。
(4)地域の取り組みとして継続されていくためには、環境負荷の低減という側面だけでなく、問題解決や産業振興にもつながることが望まれる。

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■視点・論点

「今なぜドラッカー人気か」を問うことが、今なぜブームになったか 

ドラッカー学会代表 立命館大学経営大学院 客員教授 上田 惇生

■マネジメント

現代インド最新事情(1) 「不可触民」州首相の登場 -カースト制はどこまで変わったか-

東京大学 名誉教授 中里 成章

【要点(Point)】
(1)2007年、インドのウッタル・プラデーシュ州でマヤワティという名の「不可触民」の女性が州首相となり、「マヤワティ革命」として注目を集めている。
(2)「不可触民」という呼称が廃れ「ダリット」という言葉に取って代わられたことに端的に示されているように、「ダリット」の地位向上は近年のインドの社会変動の大きな特色となっている。
(3)カースト制を捉える枠組みとしては、「上位カースト」「その他の後進諸階級」及び「指定カースト」(=「ダリット」)の三区分を用いるのが一般化している。
(4)「マヤワティ革命」は、「ダリット」がインド国内政治における主体的な政治勢力として足場を固め、高度経済成長から取り残された「上位カースト」の下層部分を取り込むことによって政権を掌握する力をつけてきたことを示している。

 

元気なモノづくり中堅企業に学ぶ トップインタビュー(第10回) 世界一薄い絆創膏で世界市場に進出 -医師や教授たちのアイデアを次々と形にしていく優秀なスタッフたち-

リバテープ製薬株式会社 社長 杉山 宏治

【要点(Point)】
(1)リバテープ製薬のルーツは、西南戦争にまでさかのぼる。重傷を負った薩摩の軍医から秘伝の膏薬の製法を聞き、それを軸に「星子旭光堂」が創設された。後に日本で最初に救急絆創膏を開発、「リバテープ製薬」と改名される。
(2)現在では病院で主に使用されるサージカルテープ、地元の特産である馬油を使った化粧品、健康食品など多方面にわたる商品開発を行っている。全国7,000の医療施設を顧客に持つ。
(3)近年、0.01ミリという極薄の絆創膏「フレックスケア」や工夫された消毒用綿棒「スワブスティック」などを次々に開発。医療現場で働くドクターや大学の教授たちのアイデアを形にしていくことができるのが、同社の強みだ。
(4)ドクターや教授たちの話を受け止めるためにも、優秀な人材の確保が必要と考え、これに努めた結果、多くの優れたスタッフが育っている。

■人材

職場のメンタルヘルス対策 -本当に機能させるための方法-

福田 貴一 人材開発部

【要点(Point)】
(1)メンタルヘルスに関する職場での対策(ラインによるケア)は重要であるが、管理者とその部下という職制上の枠組みだけで捉えると、そこにはいくつかの問題(ハードル)がある(上司と部下の“物理的ハードル”、“関係性のハードル”、“管理者の資質的ハードル”)。
(2)職場のメンタルヘルス対策を実質的に機能させるには、それらのハードルを克服する組織的な仕掛けが必要となる。
(3)その一つとして、所属部署にとらわれず他のメンバーの様子を察知し適切にかかわることができる人材(ラインケアサポーター)を養成し配置することは有効な手段である。

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■経済用語解説

ちょっと教えて!現代のキーワード

「BOPビジネス」「生物多様性」

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