close

2001年9月1日
繊維トレンド9月号 2001 No.18

■業界情報

2003年度売上5千億円、営業利益350億円 東レ、繊維事業新中経課題発表 

向川 利和 特別研究員 繊維産業アナリスト

 東レは、7月25日、繊維事業中期経営課題「ActionProgramforNewBusinessModelasNo.1」(01~03年度)を発表した。GlobalReengineeringの強化とIT武装化による国内外ネットワークの推進で、最終年度(2003年度)には連結売上高5000億円(00年度実績4335億円)、営業利益350億円(同230億円)を目指す。そのための課題は、国内が(1)営業改革の推進(2)産業用途の拡大(3)収益力強化(4)PTのリエンジニアリング(5)環境対策の5つ。海外では、(1)中国のWTO加盟への対応(2)05年以降のQuotafreeをにらんだテキスタイル事業の展開(3)産業用途の拡大(4)アセアン各社の収益拡大の4つ。

■市況

ポリ長織物は絹の中国へ里帰り(3) <第3部> 韓国・大邱産地  -産地崩壊の危機感漂う韓国大邱産地 

向川 利和 特別研究員 繊維産業アナリスト

 韓国最大の繊維産地、大邱が崩壊の危機に直面している。韓国の繊維輸出は、1~5月累計で前年同期に比べ12%も減少しているが、ポリ長織物輸出で8割近いシェアーをもつ大邱産地では、輸出出荷額は22%減と全国平均を大きく上回って落ち込んでいる。

■特別寄稿

中国南通経済技術開発区は日本企業による繊維産業の投資を熱烈歓迎

中国南通経済技術開発区管理委員会 主任 宋 飛

南通市紡織工業の発展概要および将来計画について

中国南通市経済貿易委員会 副主任 蔡 惠忠

■世界の動向

WRAP制度について

繊維調査部

 米国には、WRAPという強制労働等の問題がない外国アパレル製品を認定する制度がある。日本においても、フェアな競争の観点から、繊維製品の製造過程における環境基準や労働基準が遵守されていることを消費者・ユーザーに知らせるマークを表示し、公正な労働による製品であることを証明する制度の導入について検討されている。以下では米国におけるWRAP制度について紹介する。

■産地動向

生き残りを図る繊維産地の新しい試み -泉州産地事例-

株式会社大阪繊維リソースセンター 代表取締役常務 松田 正夫

 戦後の日本経済の復興の推進役となった繊維産業。それを底辺で支えた各地の繊維産地企業は、いま生き残りをかけ、必死で闘っている。しかし既にその規模は、最盛時の4割を切るまでになっている。その産地の中から若手経営者による新しい動きが出てきた。そのキーワードはグループ化、協業化である。「1社ではダメなら2社で、3社でやろう」と連携による体質強化を図り、自から企画力、マーケティング力をつけ、一歩でも前に出ようとする動きである。

■新技術動向

羊毛の再生技術の開発と今後の展開

愛知県尾張繊維技術センター 加工技術部 技師 加藤 一徳

 羊毛を構成するケラチンタンパク質に注目し、羊毛の可溶化と引き続く粉末化によってケラチン微粉末を作成した。この微粉末を原料に、湿式紡糸によって繊維状に再生したり、また加熱圧縮成形によってプラスチック状の成形板に再構成する技術を検討している。再生したケラチン繊維は、鉛などの重金属イオンやホルマリンガスを吸着する性能を持つ。いまだ研究開発の緒に就いたばかりではあるが、羊毛の新規用途開発として、また廃棄羊毛のマテリアルリサイクルとして期待している。

■ファッション

拡大する複合素材 -2002春夏ファッション素材動向-

東レ株式会社 繊維事業本部 婦人・紳士衣料事業部 コーディネーター 江原 典子

 1997年頃から素材のトレンドが大きく複合化へと進みました。今マーケットで人気があるのは綿を軸にしたもので、今後注目されるのはシルクと綿など相反するような質感をもった素材の複合です。東レは合繊メーカーとして初めて複合素材だけの展示会「ヴァーチュミックス」展を開催しました。東レの素材展「TORAYTOFF」での評価を含めて2002年春夏素材動向を報告します。

■伝説に残る織物の里シリーズ4

福井県足羽山龍ヶ岡古墳から発掘された「日本最古の絹織物」

繊維調査部

 JR福井駅から西南に向って車で5分ほど行くと、市の中心を流れる足羽川を隔てて、三つの丘陵を望むことができます。その一つが福井市のシンボルあすわやま足羽山です。そのふもとにある足羽山公園には福井の基礎を築いたといわれる継体天皇像や郷土歴史博物館、さらには数十基にもおよぶ古墳群があり、休みの日にはたくさんの家族連れが訪れるレジャースポットとなっています。

■統計・資料

I.合繊主要4品種、生産・在庫の推移

1. 日本 2. 韓国  3. 台湾  4. インドネシア  5. タイ  6. アメリカ  7. 中国 

II.全国紡績糸生産統計 

III.全国織物生産統計