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2015年3月2日
「スロー」時間のススメ
コンサルタント
永池 明日香

先日、タヒチのボラボラ島に旅行にいってきました。  タヒチは南太平洋に浮かぶ、大小さまざまな118の島々から成るフランスの海外領土です。初めてボラボラ島に降り立った時、青い空と青い海と白い砂浜のコントラストの美しさ、絵はがきそのままの風景に、まさに楽園だと感激しました。  ボラボラ島では、時間がゆっくり流れます。ゆったりとした生活をし、現地のポリネシアンの人たちは皆にこやかで人が良さそうでした。そんな中、ふと気が付いたのが、目に見えるところに時計がないということ。ビーチにもプールにもスパにも目立つところに時計がありません。時間を気にせず時を過ごすため、リゾート地ではあえてそうしているのだとは思います。「時は金なり」と言いますが、そんな貴重な時間をのんびり過ごすことがまた最高の贅沢なのでしょう。とはいえ、腕時計を付け忘れても気が付いたら自分の腕を見て時間を確認してしまう私としては落ち着かない気がしました。時間を気にしてしまう習性はリゾート地でのんびり…という時でもそう簡単には抜けないものです。  また、ボラボラ島ではさまざまな人に出会いました。印象的だったのが、パリで“モーレツサラリーマン”だったフランス人男性が、そんな生活に疲れてボラボラ島で観光ガイドをしていたこと。今は自然に囲まれたリゾート地で美しい海を仕事場にして、多くの観光客を相手にゆったりとした時間を過ごしているとキラキラした笑顔で言っていました。そんな人たちがボラボラ島には結構いるそうです。  一方で、フランスに留学し、その後ワーキングホリデイに行っていた日本人男性が、フランスでは仕事が見つからず、ボラボラ島で日本人相手に観光ガイドをしているという話もありました。彼にとっては、ボラボラ島での生活は楽しいけれど、数週間で飽きたらしいです。しかし、現地会社のサラリーマンで観光ガイドとして働いている彼は、そう簡単に仕事を投げ出すわけにはいきません。次のチャンスをうかがいながら、日々働いているのでしょう。  現在、日本でもスローライフに魅力を感じて地方へ移住する若者がいるようです。日経新聞の記事によると、進学や就職のため、15~24歳が大都市に集まる傾向は続いているようですが、一方で、若手社会人をみれば、都市から地方へという大移動が起こりつつあるとのことです。“スピードや効率化”が叫ばれる現代社会だからこそ、「スロー」に憧れるのかもしれません。幸せのかたちは人それぞれ、何に価値を見いだすかもその人しだいです。  今回の旅行中何が自分にとって大切か、何が幸せか、どう生きるか、ふとそんなことを考えさせられました。ボラボラ島でのゆったりとした時間の中で、心豊かに過ごすことができ、自然といろいろなことに思いを巡らせることができたのでしょう。「スローライフ」まではなかなかできませんが、忙しい中でも、「スロー」時間は大切なのかもしれません。皆さんにとっての幸せとは? 大切なものとは? ふと立ち止まって考えてみるのも良いのではないでしょうか。