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2009年10月15日
民主党新政権の経済政策の焦点
チーフエコノミスト
増田 貴司

・民主党の経済政策のアキレス腱は、成長戦略が欠如していることである。マクロ政策運営の意識も薄いようにみえる。 ・家計が豊かになることを目指すべきという民主党の考え方は正しいが、豊かな国民生活の実現のためには所得のパイを増やす成長戦略が必要不可欠である。企業活動が活性化しなければ、家計も豊かになれない。 ・人口減少で国内市場のパイが増えない以上、日本企業はアジア新興国など海外市場の開拓に注力する必要がある。新政権がFTA・EPA交渉を迅速に進め、企業がグローバル戦略を展開しやすい環境を整備していくことを期待したい。 ・農業、医療、教育など、潜在需要があるのに強い規制の下で非効率に運営されてきた分野では、抜本的な規制緩和により産業としての活性化を図る必要がある。 ・環境関連分野には思い切った資源配分を行い、規制緩和を徹底して新規事業創出を促すことによってイノベーションを加速し、産業を活性化させるビジョンを示すことが望ましい。 ・新政権が温暖化ガスの中期目標として1990年対比25%削減という意欲的な目標を掲げたことは、日本の産業の枠組みを変えるきっかけになる可能性がある。 ・民主党は中小企業法人税の引き下げを表明しているが、企業活性化を図るには大企業にも目を向け、主要国の中で最も高い法人税を引き下げることが望まれる。 ・官僚依存からの脱却のためには、新設の国家戦略局(現状、室)がマクロ的な戦略とビジョンを持つ必要がある。 ・新政権はマニフェストの基本的な考え方を尊重しながらも、実際の政策はより合理的、整合的なものへと修正していく勇気を持つことが必要だろう。

【キーワード】

マニフェスト、成長戦略、所得再分配、FTA・EPA、規制緩和、環境規制、法人税引き下げ、産業育成政策、官僚依存、グローバル化、市場原理

PDF : TBR産業経済の論点 No.09-09(473KB)