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2018年11月22日
繊維トレンド11・12月号 2018 No.133

■ファイバー/テキスタイル

中国繊維流行トレンド2018/2019(前編)

東レ株式会社 北京事務所長 寺師 啓

【要点(Point)】
(1)中国化繊工業協会は、政府・大学と共催で「中国繊維流行トレンド」を2012年から発表し、中国繊維産業の新製品とブランドの周知に努めている。
(2)今年発表された「中国繊維流行トレンド2018/2019 」では「環境保全」「技術革新」「性能向上」「イノベーション」4 つのテーマ、10種類の製品が選出された。
(3)前編となる今号では環境保全テーマの「バイオ繊維」「リサイクル無染色ポリエステル繊維」技術革新テーマの「新型触媒ポリエステル繊維」「グラフェン変性機能性繊維」をご紹介する。

アジア化繊産業の標準化への関心の高まりとACFIF標準化作業委員会について

日本化学繊維協会 業務調査グループ 主席部員 鍵山 博哉

【要点(Point)】
(1)世界の繊維産業は、「アジア」が牽引する形で今後も成長を予測。
(2)アジアでは、高機能繊維、高性能繊維分野の今後の成長が期待される。
(3)機能性分野では、目に見えない機能に対する信頼性の確保、消費者への安心・安全の確保から、標準化が秩序ある発展のキーワード。
(4)アジア化繊産業連盟(ACFIF:Asian Chemical Fibers Industries Federation)では、標準化の重要性に鑑み、2017年 4月に開催された第11回アジア化繊産業会議で「ACFIF 標準化作業委員会」を設立。日本は、中国とともに共同事務局を務める。
(5)2018年 4月、その活動の一環として、第1回ACFIF 標準化作業委員会および同ワークショップを日本・大阪にて開催。アジアの化繊産業が共同で標準化に取り組む第一歩となった。

中国セルロース繊維産業 緑色発展3 カ年行動計画の概要

日本化学繊維協会 常務理事 杉原 克

【要点(Point)】
(1)再生可能であるパルプ等を原料とするセルロース繊維はサステナブルの観点から注目されている。
(2)中国ではサステナブル対応を推進するため、セルロース繊維メーカーが緑色連盟を結成。このほど3 カ年計画を発表した。
(3)原料調達、生産工程、製品安全の各段階での管理強化および各種プラットフォームの構築を推進する内容となっている。
(4)2020年でエネルギー消費10%低減、水消費31%低減(いずれも2016年対比)等が目標。

ミラノとフィレンツェから2019/20年秋冬向け生地と糸のトレンドと ウールマーク社ウールラボ2019/20年秋冬のファッションコンセプトの提案

株式会社インテグレード 代表取締役社長 欧州繊維専門月刊誌『Twist』在日特派員 永松 道晴

【要点(Point)】
(1)ミラノウニカでは2019/20 年秋冬向けにハイエンドで革新的な生地が展示されていた。クラシックに機能性を付与することで伝統とイノベーションを結びつけた生地をプレゼンすることが基調となっている。昨年に引き続き焦点はサステナビリティで、これは今やイタリア繊維産業全体の合い言葉となっている。自然な生成りの色調のフリースのジャケットやコートがトレンドとなっており、ブラウンが新たにホットな基本色として、明るいベージュから木の実の茶、さび、カッパーまで幅広く取り上げられている。
(2)フィレンツェのピッティフィラティでも2018年の標語としてサステナビリティを掲げている。品質と起源・由来、生産過程についてサステナビリティを具体的に実証するのでなければファッションのシステム自体が瓦解してしまうとの問題意識からだ。リサーチエリアのSpazio Ricercaでは、ミレニアル世代に続く“iGeneration ”にアピールする新発想や社会への影響をW.W.W.コレクションで指し示している。薄いレモン色、テラコッタ、セージグリーン、薄い紫の色調がインターネット時代を表すとの示唆もある。
(3)英国のウールマーク社が、ウールの糸と生地について、世界中で商業的に仕入れ可能なベストの調達情報と、2019/20年秋冬のファッションの傾向を7項目のテーマに分けて提示している。アウトドア指向の時代で、ウールを基調とする糸・生地にも高度な機能性が求められている。

■縫製/アパレル

ファッションとテクノロジーを考える ANREALAGE―日常の中の非日常

株式会社フランドル 社長室 経営戦略・広報室 次長 篠原 航平

【要点(Point)】
(1)ANREALAGE (アンリアレイジ)は2003年に森永邦彦氏によって創設されたアパレルブランドである。その時代における日常と非日常の境界線を洋服で表現することをコンセプトとし、テクノロジーの活用が特徴の1 つである。
(2)テクノロジーを活用しようと考えた理由は、(1)今まで表現が不可能だったことを表現することができるから。また、それにより(2)人が今まで洋服で感じたことのない感情を作り出すことができるから。
(3)自分の中のテーマと、今の時代の方向性、リサーチを続けてきたテクノロジーが交わったとき、コレクションのテーマとして取り上げる。テクノロジーを採用する際に着目するのは、人の身体に密接なもので、かつ洋服にない技術という点。
(4)ANREALAGE にとって、テクノロジーは一つの武器。テクノロジーによって、着る人、見る人の感情の変化をもたらす洋服を作っていきたい。
(5)日本のファッション産業が維持、発展していく上で、最も大切なのはクリエーション。継続することも非常に重要。

PDF : 詳細(PDF:1,82MB)

米国ラルフローレンの「再建計画」

株式会社牛田 代表取締役 牛田 賢

【要点(Point)】
(1)1990年代以降、ラルフローレンは米国で大きな成功を収めたものの、米国以外では戦略的に事業を展開することができない状態が続いた。
(2)1990年代、米国での成功は「強力なブランド力」に依存し、ブランド数増、商品数増によって売上を増大したものであり、新たなチャネルへの対応や経営効率を考慮したものではなかった。
(3)1997年にニューヨーク証券取引所に上場した後、本業以外の事業に労力を費やした。例えば、1999年にシカゴでレストラン、2010年にパリでカフェ、2015年にニューヨークでレストランを展開したが、これらはスケールを追求できる事業ではなかった。
(4)2015年に、初めて外部からCEO を招聘し、大リストラを実行したものの、CEO 自身が約1 年半で退任することとなったため、成長戦略を実行するまでには至らなかった。2017年に、あらためて外部からCEO を招聘し、商品企画の刷新、海外事業の拡大、ECおよびWEB マーケティングの強化などに取り組んでいる。
(5)営業利益が過去最高となった2014年の水準まで業績を戻すには、今後5 年以上かかる見込みである。

■新市場/新商品/新技術動向

本格的な取り組みが求められ始めた「サステナビリティ」(後編) -出遅れが懸念される日本の大手アパレルメーカー-

東京ファッションプランニング株式会社 デザイン・企画カンパニー 社長 山田 桂子

【要点(Point)】
(1)サステナビリティの高い企業として、イケア、ネスレ、ダノン、アップルなど、日本でも知名度の高い企業が名前を連ねる。
(2)アパレル企業としては、パタゴニアの名前が挙がる。環境保護活動を積極的に行い、1985年以来、自然環境の保護/回復のために売上の1%を利用することを誓約し、実行している。
(3)日本の企業としては、アシックス、ファーストリテイリングが、「サステナビリティレポート」を発刊し、サステナビリティに対する具体的な目標を掲げている。
(4)著名ブランドを傘下に持つファッションコングロマリットも、サステナビリティへの取り組みを表明している。一方、日本の大手アパレルメーカーは、サステナビリティに対する取り組みが遅れている。
(5)日経225 銘柄のうち、217 社がサステナビリティレポートを発行している。日本でも確実にサステナビリティに対する意識は高まっている。

■キーポイント

拡大基調にある寝具寝装市場 -睡眠への注目で新たなステージへ-

ダイセン株式会社 「繊維ニュース」記者 長尾 昇

 国内の寝具寝装市場は2014年以降、拡大基調にある。訪日外国人の増加などを 受けてホテルをはじめとした業務用途が伸びているほか、小売市場は睡眠への関 心の高まりを追い風にして、“健康”や“美容”を切り口とした新たな寝具寝装 が注目されている。一方、流通構造や販売チャネルの変化が著しく、寝具寝装業 界のリーディングカンパニーである製造卸などにとっては厳しい環境にあり、再 編が進んでいる。

■統計・資料

主要商品市況

1.原油 2.ナフサ 3.PTA 4.EG 5.カプロラクタム 6.アクリロニトリル 7.ポリプロピレン