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2017年11月6日
経営センサー11月号 2017 No.197

■今月のピックアップちゃーと

中国シェア自転車、猛スピードで成長中 ~混沌の中で新ビジネスが育つ中国経済~

■経済・産業

Look West! ―インドから見たアフリカ市場開拓―

日本貿易振興機構(ジェトロ)海外調査部 アジア大洋州課 リサーチ・マネージャー 西澤 知史

【要点】
(1)
インド進出日系企業がアフリカビジネスへの関心を高めている。インド市場向けに開発した製品をアフリカに輸出する考えだ。
(2)
在ケニアの印僑企業は、インドでの日系企業のモノづくりに強い関心を示した。消費財や産業機械などに商機が見込める。
(3)
社内の地域割りが障壁でインドからアフリカに直販ができないケースもあった。社内営業体制の見直しなどの準備が必要だ。
(4)
ジェトロは具体的なビジネスの創出に向けセミナーや商談会を各地で開催。インド発のアフリカミッションなども実施予定だ

■産業技術

安全と安心の齟齬(豊洲市場と原発) ―リスクへの対応と補償の明示が安心を広める―

工学博士 株式会社 東レ経営研究所 特別研究員 成戸 昌信

【要点】
(1)
安全学や失敗学で安全をいくら追究しても必ずしも安心につながらない。安全と安心は混同して議論され、時に政治とメディアが話を混乱させる。
(2)
安全は科学の原理原則に基づいて合理的に経営(manage)すべきものであるが、それでもリスクはゼロにならず、絶対安全はない。安全の強弁で安心は保証できない。事業者や為政者が覚悟をもってリスクへの対応を準備しそれを説明することの方が重要だ。
(3)
安心は個人や集団の心理である。「残余リスク」を明示して真剣に準備していることの認識や、「安全の破綻」が起きた時にどう対処されるかの予見で安心は左右される。リスク管理への信頼性と想定被害への補償が安心を広める基礎となる。
(4)
事故の補償は従来、無過失責任も含め損害賠償責任として処理されてきた。わが国に必要な原発については被害に対して損害保険的な無条件補償とし、補償内容と額を事前契約することが安心と社会認容につながるだろう。それは同時に事業者・国による原発の安全確保強化への強制力になる。

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■視点・論点

危険なPR動画の「ウケ狙い」 ―炎上するハラスメント表現 動画制作に求められる根拠と覚悟―

株式会社大森朝日事務所 代表取締役/広報・危機管理コンサルタント 大森 朝日

この数年、PR動画やCMの炎上 1 事案が増えている。ソーシャルメディアの影響力が高まり、いかにしてネット上で話題になるかという点が重視され、視聴者の「ウケ狙い」から行き過ぎた表現になってしまうようだ。中でもセクシュアルハラスメントに該当するような内容やジェンダーの観点から問題がある内容が目立ち、企業や自治体、組織のイメージを大きく傷つける結果となっている。こうした炎上事案がどうして起きるのか事例を挙げながら検討していきたい。

■マネジメント

デジタルビジネスと社会課題に挑む ―現場や生活者のアイデアを活かす仕組みづくり―

富士通株式会社 デジタルフロントビジネスグループ デジタルフロント事業本部 本部長代理 柴崎 辰彦

【要点】
(1)
デジタル化の時代を迎え、自前主義の限界からさまざまな企業が新規事業開発・検討に際してオープン・イノベーションの取り組みに期待を寄せている。
(2)
ITベンダーのビジネスは、企業の情報システム部門への受託型サービスから事業部門やその先の生活者との共創型サービスの提供が必要となる。
(3)
共創型サービス提供にあたり、ⅰ)新たな顧客やパートナーとの関係づくり、ⅱ)共創型人材の育成、ⅲ)社内外をつなげる仕組み作り、等社内外のリソースを最適に組み合わせ、新しいサービスを創出するオープン・サービス・イノベーションが必要になる。
(4)
お客様の現場や生活者との共創型サービス創出のための仕組みづくりとしてオウンドメディアの活用やアイデアソン、ハッカソンと呼ばれるイノベーション手法の活用が有効であることが分かってきた。
(5)
潜在的な人材にも「キッカケ」を与えることでイノベーターに進化させることができることが長年の実践から分かってきた。今後もビジネスのエコシステムの創造にチャレンジしていきたい。

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■ダイバーシティ & ワークライフバランス

キッズライン ―シェアリングエコノミーで日本にベビーシッターの文化を広めたい―

株式会社キッズライン 代表取締役社長 経沢 香保子 氏 ダイバーシティ&ワークライフバランス推進部 上席シニアコンサルタント 塚越 学 経営センサー編集部 石川 裕子

キッズラインのサービスとは キッズラインは、いわゆる「シェアリングエコノミー」による、ベビーシッターマッチングサービスでネットで即時予約できる、安心、安全、安価なサービスを目指している。1時間1,000円からという、ベビーシッター業界半値以下である利用料金、即日24時間予約でき、ベビーシッター登録者(同社では、キッズサポーターと呼ぶ)の顔写真、保有資格、経歴、利用料金、登録スケジュールなどの情報に加え、利用者からの体験レビュー(利用後の感想)までも確認することができる。キッズサポーターの情報を提供することにより、母親や子供に合った条件でシッターを選ぶことを可能にしている。

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■人材

会計教育 見直しのススメ

人材開発部 コンサルタント 森本 有紀

【要点】
(1)
会計・財務はすべてのビジネスパーソンにとって必須知識であり、組織の力を左右する重要なスキルであるにもかかわらず、苦手意識を持つ人が多いのが現状である。
(2)
日本の会計教育のアプローチが古く、初心者に分かりにくいという指摘もある中で、企業内の会計教育は見直しの余地ありと考える。
(3)
新しいアプローチで初心者にも苦手意識を抱かせない会計教育や、組織への影響力の大きい管理職を対象とする学び直しを支援することで、組織の会計力アップを図るべき時が来ている。

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■経済用語解説

ちょっと教えて!現代のキーワード

「ZEV規制」「パワー半導体」

■お薦め名著

『幸福の習慣』

トム・ラス 著 ジム・ハーター 著 森川 里美 訳

■ズーム・アイ

固定観念というものは…

繊維調査部 松平 俊哉

今から40年ほど前、筆者がまだ学生時代の話ですが、日本に復帰して間もない沖縄に行った時のことです。当時の沖縄では、車は右側通行、アメリカ統治時代の名残が色濃く残り、8月だったこともあり、気候面からも日本とは思えない雰囲気でした。