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2017年5月8日
中小企業経営者の『婚活』が事業継続のカギに!
部長(D&WLB推進部)
宮原 淳二

先日、東京都が主催する婚活イベント『縁結日2017』(2017年3月4日開催)に、パネルディスカッションのコーディネーターとして参加した。小池都知事の強いリーダーシップのもと今年はじめて開催された。少子化が進行している東京では、待機児童解消等の子育て支援策の拡充も重要であるが、その前にまず結婚対策であろう、という意図がある。    国立社会保障・人口問題研究所が先日発表した調査によれば、50歳までに1度も結婚したことがない人の割合を示す「生涯未婚率」は、2015年に男性で23.37%、女性で14.06%と過去最高になった。切実な問題である。    内閣府の調査で、結婚しない理由のトップは『適当な人にめぐり合えない』で、2 位は『結婚後の生活資金が足りないと思うから』と続く。しかしながら男女とも9割は「いずれ結婚したい」という願望を持っている。筆者としては長時間労働を是正し男女が集う場にひんぱんに足を運んで欲しいし、政府には世帯形成期にある30代〜40代に対する税制優遇策(住宅取得等)を拡充してもらいたいと思っている。結婚する、しないはあくまで個人の自由であるが、未婚化やそれに伴う少子化は持続可能な社会をつくるうえで克服せねばならぬ国家的な課題だと思う。    また未婚化は中小企業の事業継続にも大きく影響する。東京商工リサーチの調査では、2016年に休業や廃業、解散した会社の数は、調査開始以降最高の2万9,600社にのぼり、その多くを同族経営の中小企業が占める。これまで自分の子どもに会社経営を継承して事業を拡大してきた経営者は、未婚化による「後継者不足」では事業そのものが継続しにくい。    独身経営者に結婚のハードルを上げる要因は2つあるようだ。1つは、とにかく多忙過ぎて「婚活」の時間がとれないことだ。経営に真剣な社長ほど業務に邁進し、結婚が後回しになってしまう。もう1つが、婚活をすると目立ってしまうことだ。地元で顔の知れた中小企業経営者はお見合いパーティーなどに出席しづらいようである。そんな中、経営者や後継者向けの婚活を事業化した会社がある。マリッジパートナーズ(仙台市)という、人材サービス業のヒューレックスの子会社である。地方銀行と連携し、中小オーナー企業の経営者や後継者などに対象を絞った結婚相談サービスを提供している。提供するサービスの中でも特に気を配るのがプライバシーの確保だ。出会いの場は男女2人に専属のコンシェルジュだけが同席し、レストランの個室なども手配する。また結婚までの具体的な計画を立てて、短期集中で取り組ませることをモットーにしている。独身経営者は婚活には奥手でも、目的が明確なプロジェクトは得意なタイプが多いようで、互いの意思を尊重し合い婚活を続けた結果、成婚率は約3割(通常1割以上)、と高い水準を保っている。結婚願望のある独身経営者がこうした婚活サービスをうまく活用できれば、中小企業の事業継続の可能性は大いに高まるし、ひいては少子化克服の一助になるであろう。