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2005年9月1日
経営センサー9月号 2005 No.75

■経済・産業

中国は順調に資本流入するもドイツは流入減 -近年の世界各国での対内直接投資動向- 

福田 佳之 産業経済調査部 エコノミスト

【要点(Point)】
(1)経済のグローバル化が進展する中で、企業は本国以外への投資に際し、理論的には所有、立地、内部化の優位性やライバル企業の動向を考慮して決定すると考えられる。
(2)世界各国の2003年の対内直接投資はイラク戦争もあって米国を中心に3年連続の減少。ただし、発展途上国については、中国を中心に資本が流入し、堅調。
(3)アイルランドやフランスは直接投資受け入れに前向きで、外国から資本が順調に投下されている。その反面、ドイツは生産拠点の中東欧シフトもあって減少が続く。
(4)中国は対内直接投資の契約額や実行額の前年比から考慮すると、外国からの投資が鈍化する恐れがある。

シリーズ:製造業の現場は今(3)  強さの秘密はここにあった  元気なモノづくり中小企業の事例に学ぶ

増田 貴司 産業経済調査部 チーフ・エコノミスト

【要点(Point)】
(1)今号では、優れた技術力をベースに独自の強みを構築して競争力を発揮している元気なモノづくり中小企業の事例として、次の3企業を取り上げ、その強さの背景に迫ってみたい。
<事例1>株式会社クマクラ(精密機械加工)
<事例2>原田精機工業有限会社(輸送用機器の試作加工)
<事例3>日本電鍍工業株式会社(メッキ加工)
(2)これら元気な中小製造業企業の事例から、われわれは、(1)新製品開発の競争力、(2)現場の力を発揮する戦略、(3)MOT的手法の実践例、を学ぶことができる。
(3)「元気なモノづくり中小企業の強さの秘密」を10箇条にまとめると、
(1)オンリーワンの技術・製品の開発、(2)高度な自社技術を世の中にアピール、(3)ローテクとハイテクの融合で強みを構築、(4)事業分野の選択と集中、(5)難しい注文でも断らないで挑戦する、(6)「コンサルタント、技術顧問」的機能を持つ、(7)外部ネットワークの活用、(8)顧客のささやきに耳を傾けてニーズを吸い上げ、(9)開発から設計・製造まで一人の技術者が一貫して行う、(10)人材育成に熱心である、となる。

自動車業界 -欧米市場でシェア拡大。中国市場の攻略なるか-

永井 知美  産業経済調査部 産業アナリスト

【要点(Point)】
(1)自動車産業は、日本経済を支える重要な基幹産業である。
(2)2004年度の大手自動車メーカーの連結決算は、円高、原材料価格高騰という逆風下、海外市場で販売台数を伸ばして最高益を更新する企業が相次いだ。
(3)大手自動車メーカーにとっての主戦場はアメリカである。日本車は品質の良さで高い評価を受け、シェアを伸ばしている。
(4)自動車業界にとってアメリカは「現在」、アジアは「未来」である。自動車メーカーは、巨大な成長市場・中国を攻略すべく進出を加速させている。

■視点・論点

ベンチャーのリスクとは? 

ジェイ・ボンド証券株式会社 代表取締役社長 斎藤 聖美

《低い起業家マインド》  会社勤めを辞めて「社長」になってから早や13年になる。今、社長を務める会社も設立から6年目に入った。普通、起業家は、会社を興して数年で事業を軌道に乗せて、ベンチャー企業から中小企業に脱皮する。上場にこぎつけ、大企業の仲間入りする会社もある。それなのに私は、13年経っても相変わらず「起業家」どまり。5つの会社を立ち上げて、軌道に乗せて経営を譲り、あるいは事業撤退の決断をしてきた私を、口の悪い友人は「苦労するのが好きなんだね」と言い、「次は何のビジネスをするの?」と尋ねる。私だって好き好んで起業の苦労をしているわけではない。いろいろな事情があって、こうなっているだけだ。

■マネジメント

中国における企業集団財務公司設立の意義(上) 

望月コンサルティング(上海)有限公司 董事長 公認会計士 望月 一央

【要点(Point)】
(1)中国における企業集団財務公司は中国金融体制の重要な構成要素と位置付けられ、その果たす役割は今後急速に拡大することが予想されている。
(2)外国企業が企業集団財務公司を設立するためには、その前提として、外商投資性公司を設立し、多国籍企業区本部の認定を受けることが必要となる。
(3)多国籍企業地区本部による企業集団財務公司設立の際にも、さらに、一定の条件が設けられている。また、類似の制度として、一般外商企業集団財務公司、金融機関外商独資財務公司の設立が考えられる。

新「会社法」のあらまし 第2回

弁護士  松崎 曻

  新「会社法」は、6月29日に成立し、執筆時点では施行は平成18年5月頃と思われる。今回は、会社の機関に関する改正点に触れる。 《会社の機関設計の多様化》 (1) 20種の会社タイプ新会社法で株式会社は、有限会社をも取り込んだことから、その機関設計には、様々なバリエーションが設けられた。法の条文は一見バラバラで、条文自体から、どのようなタイプの会社が存在しうるのか導き出すのは難しいが、機関設計の上で株式会社が取りうるタイプを分類すると図表のようになる。このようにまとめてしまうと、その考え方はそれほど複雑ではない。結局、図表に示したような全部で20種類(《1》から《20》)の機関設計が存在しうることになる。

■人材

企業DNAとミドルマネジャーの触媒作用 

株式会社マネジメントコンサルティングアソシエーツ 代表取締役 澤本 豊雄

【要点(Point)】
(1)勝ち残り企業には創業者の創業者価値観を継承して進化した企業DNAがある。
(2)企業DNAを継承していくプロセスで重要なのはミドルマネジャーの役割の認識とその実行にある。
(3)他社で成功したスキルやノウハウをそのまま真似しても企業DNAが違うとうまくいかない(トヨタのカンバンシステム企業DNA「改善し続ける」〔停滞は悪〕)。

人事系異業種交流会「ヒューマン研究会」第16期開講中

「ソリューションセールス研究会」第2期開講

■経済用語解説

ちょっと教えて!現代のキーワード  「破壊的イノベーション」「生体認証(バイオメトリクス)」

■お薦め名著

『技術経営の挑戦』 『戦略不全の倫理』 -収穫なき繁忙との離別- 三品 和広

■ズーム・アイ

万国博雑感

鶴見 徹

 少し前から、また世の中で「モチベーション理論(動機付け論)」がはやっています。(一定の周期でブームがあるようです。)これらは主に、マネージャーの方々とか、職場の上の方々向けに論じられているものが多いです。もしくは個人そのもののやる気について触れられています。  しかし個人的には、若干違和感があります。なぜなら、「私だって組織の一員として、いつも上司や組織をモチベートしたい!」と思っているからです。

■今月のピックアップちゃーと

結婚=幸せ? ~結婚観の国際比較に関する調査~

■TBRの広場

繊維産業シンポジウム開催のご案内