2010年1月6日
2010年世界経済を読み解く10のキーワード
~ 企業は潮流を見極め、大胆なかじとりを ~
シニアエコノミスト
福田 佳之
・本稿は2010年の世界経済の動向について、キーワードを抽出しながら解説するものである。2010年単年の世界経済動向を取り上げるというよりは、その後数年程度の流れにも配慮した。キーワードは以下の通り。
①原油・商品バブル
⑥ボゴール目標
②貧困問題
⑦市場品質
③ポスト京都議定書
⑧「サンドイッチ現象」からの脱却
④排出権取引制度
⑨チップセット
⑤官民連携
⑩プラットフォームビジネス
・構成は大きく三部構成となっている。まず、2010年の世界経済全体の動向を概観し、先進国を中心に緩やかな回復が続くものの、原油や商品の価格高騰等が回復を脅かす恐れを指摘する(キーワード①②)。
・次に、今後のポスト京都議定書の交渉について予想しており、2010年は、途上国側の歩み寄り、米国の排出権取引制度の導入の動き、そして、欧米企業の環境ビジネスへの参入、を受けて同議定書締結に向けて大きな進展があると見ている(キーワード③④⑤)。
・最後に、活況を呈するアジア地域で生じている二つの構造変化を解説する。アジア内需の拡大と中国部品産業の成長は、韓国や台湾などアジア企業にとって好機であり、アジア企業は世界的な不況期にもかかわらず事業拡大に動くと思われる(キーワード⑥~⑩、韓国企業関連は⑦⑧、台湾企業関連は⑨⑩)。
・企業はこうした世界の潮流を見据えた対応と戦略を講じていくべきであろう。
【キーワード】
貧困層、感染症、ポスト京都議定書、温室効果ガス、COP15、排出権取引、炭素税、官民連携、スマートインフラ、デザーテック、水ビジネス、水メジャー、インフラファンド、ボゴール目標、APEC、地域専門家、ビジョン2020、サンドイッチ現象、チップセット、EMS、鴻海精密工業、Foxconn、聯發科技、MediaTek、山寨機
PDF : TBR産業経済の論点 No.10-01(445KB)