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2016年11月1日
経営センサー11月号 2016 No.187

■今月のピックアップちゃーと

世界の原油埋蔵量は17年ぶりに減少 油価低下で探鉱・開発投資の削減が影響

■経済・産業

[景気観測] 日本経済の今を理解する10のポイント

理事 産業経済調査部長 チーフエコノミスト 増田 貴司

【要点】
(1)
日本経済は景気回復が続いているが、その実感に乏しい。雇用指標がバブル期並みに良好な中で、大型経済対策が打たれ、日銀の金融緩和は新たな枠組み導入により強化された。
(2)
日本経済の現状をどのように理解し、先行きをどう見通せばいいのか。それを読み解くポイントをQ&A形式でまとめてみた。10個の問い(Q)は次のとおり。
1.最近の日本の景気の足取りと今後の見通しは?
2.日本経済の成長の牽引役は何か?
3.景気の浮揚力が乏しいのはなぜか?
4.景気回復は弱々しいのに、なぜ雇用情勢が際立って良好なのか?
5.日本のデフレは終わったのか、まだ続いているのか?
6.日本経済が低成長から抜け出せない理由は何か?
7.景気回復期なのになぜ大型景気対策が打たれるのか? 今必要な経済政策は?
8.2016年9月の日銀の新たな金融緩和の枠組み導入で、金融政策はどう変わったか?
9.2%のインフレ目標は必要なのか?
10.2017年度にかけての景気のリスク要因は何か?

PDF : 詳細(1651KB)

 

英国のEU離脱(ブレグジット)による日本企業への影響と対策 ―ビジネスマンがおさえておくべきポイントとは―

PwCアドバイザリー合同会社 シニアマネージャー 舟引 勇

【要点】
(1)
英国のEUへの離脱通知が2017年3月末までに実施される見込みから、原則として2年間の交渉期間を経て2019年3月末までにEU離脱することとなる。
(2)
日本政府から英国・EUへの要望書が英国で話題。
(3)
ブレグジットによるシナリオ別影響度分析を実施し、早期の対策が必要。

■アジア・新興国

サプライサイドの構造改革と中国景気の行方

株式会社大和総研 主席研究員 経済調査部担当部長 齋藤 尚登

【要点】
(1)
2016年5月以降、元安が大きく進展したが、昨年8月、今年1月と異なり「人民元ショック」は起きていない。外貨準備の安定が安心材料となっている。
(2)
サプライサイドの構造改革は5本柱からなり、そのうち(1)過剰生産能力の解消、(2)過剰不動産在庫の削減、(3)脱レバレッジ、は4兆元の景気対策の後始末である。
(3)
中国の実質GDP成長率は2015年の前年比6.9%から、2016年は同6.7%程度、2017年は同6.4%程度と、緩やかな減速が続くと予想している。

■視点・論点

アジア日系子会社の人材確保事情 ―中国・インド・東南アジア日系子会社670社への調査から―

株式会社ジェイ エイ シー リクルートメント 海外進出支援室 室長 佐原 賢治

【要点】
(1)
アジアでは即戦力の管理職採用が盛ん。直近1年以内に41%の企業が募集。
(2)
十分な数の候補者は期待できず。
(3)
採用の成否に「給与」が影響、「採用に失敗した」とする企業の43%は「給与がネック」。
(4)
アジアでは依然として部長クラスの給与上昇が続く。インドでは49%の企業が「10%以上」の昇給。

PDF : 詳細(1020KB)

■マネジメント

【青山学院大学大学院 国際マネジメント研究科 シリーズ】 人事施策の推移と日本型人事の行方  ―高まる人事戦略の多様性―

青山学院大学大学院 国際マネジメント研究科 教授 須田 敏子

【要点】
(1)
1990年代中盤以降広まった成果主義人事。当初は目標管理と処遇との連動や年俸制などが中心であったが、これらの人事施策の変化が社員等級構造や賃金制度の変化を誘発した。この原因は、人事戦略全体を構成する一部の個別人事施策が変化した結果、個別人事施策間の補完性が崩れ、成果主義人事と補完性を有するコンピテンシーや職務ベースの社員等級・賃金制度といった施策の導入につながったと捉えられる。
(2)
日本という国レベルの環境以外にも、産業レベル・個別企業レベルなどさまざまなレベルの環境が人事戦略に影響を与え、日本型人事の変化度合いも産業セクターや個別企業によって異なる。筆者が調査した製薬産業では日本企業全体の傾向以上に変化が進展しており、日本型人事の変化プロセスの中で人事戦略は多様化しているようだ

 

[連載]第1回(全3回) イノベーション創出の要件について考える ―「青色LED開発」から学ぶ―

一般社団法人 企業研究会 顧問・MOT 研究室長 浦川 卓也

【要点】
(1)
わが国経済の持続的成長のためにイノベーション、とりわけ新市場を創出するプロダクト・イノベーションが必須である。
(2)
その代表事例である「青色LED開発」の主たる成功要因は、ビジョンと情熱、的確な研究開発戦略と忍耐力、一心同体的な産学官連携と事業化、多様な人材交流にある。
(3)
イノベーション創出のカギは、新しい顧客価値創造に向けた「構想力」にあり、「構想」の質がイノベーションの質を決める。技術は、構想実現の手段である。

■経済用語解説

ちょっと教えて!現代のキーワード

「リスクオフ」 「ミレニアル世代」

■お薦め名著

『良い戦略、悪い戦略』 ―戦略のカーネル(核)は現状認識、基本方針、行動力にあり―

リチャード・P・ルメルト 著 村井 章子 監訳

■ズーム・アイ

「問題」の捉え方

人材開発部 森本 有紀

労働安全衛生法に基づくストレスチェックを先日受けた。今年はその場で結果が出るようになったようだ。私はもともと「調査」を仕事としていたので、設問と結果・分析の関係を考えてしまう癖がある。結果を見ながら、あの設問にこう答えたら、この部分の結果は違っただろうなぁなどと、タイムリーが故につまらないことを考えてしまった。