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2013年1月22日
次世代自動車として注目される天然ガス自動車(NGV)の台頭 
「シェールガス革命」と日本企業の戦略(3)
シニアエコノミスト
福田 佳之

・シェールガス増産による天然ガス価格の低下は、米国連邦政府の火力発電所に対する排ガス規制とあいまって石炭発電から天然ガス発電へのシフトを促進する。米国エネルギー情報局(EIA)によると、石炭発電のシェアは2010年の45%から低下して35年には38%となる一方、天然ガス発電のシェアは2010年の24%から上昇して35年には28%に到達する。 ・実際、発電産業は石炭から天然ガスに燃料シフトを進めており、また、発電装置メーカーも米国に拠点を置いて関連需要の取り込みを狙っている。 ・米国自動車産業への影響としては、天然ガス価格の低下は天然ガス自動車(NGV)の魅力を高めている。燃費が劇的に改善したことで、主に大型車の分野でディーゼル車からNGVへの切り替えが進んでいる。自動車メーカーも大型車から中小型車までNGVのラインナップをそろえだしており、政府も、石油の海外依存度を下げるために、NGVの開発・普及に本腰を入れ始めた。今後、保有台数1,000万台といわれる大型車の分野でNGV需要が本格化しよう。 ・一方、中小型NGVの普及は遅々として進まない。中小型NGVは普及に関する課題を二つ抱えており、一点目は高い車両価格であり、二点目は、貧弱なガススタンド網である。 ・原油高・天然ガス安と環境規制が続き、上記二つの課題を解決するための連邦政府及び州政府の支援が本格化すれば、中小型NGVは次世代車として台頭する可能性が高い。ただ現状は、上で述べた課題を解決するための政府支援が貧弱なこともあって、中小型NGVの台頭までにはしばらく時間がかかるだろう。

【キーワード】

天然ガス発電、MATS(水銀及びその他大気有害物質基準)、ガスタービン、直接還元製鉄法(DRI)、天然ガス自動車(NGV)、CNG、LNG、バイフューエル車、「Civic Natural Gas」、「America’s Natural Gas Highway」、米国の石油の中東依存、NAT-GAS法案、電気自動車、天然ガスタンク、吸着型天然ガスタンク(ANG)、住宅用ガス補給装置、「Phil」、「CNG In A Box™」

PDF : TBR産業経済の論点 No.13-02(465KB)