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2005年2月1日
経営センサー1・2月号 2005 No.69

ごあいさつ

佐々木 常夫 代表取締役社長

 新年あけましておめでとうございます。  新春にあたり所感の一端を述べ、ご挨拶とさせて頂きます。 <ドミノ倒しスピード競争の勝因は>  昨年の暮(11月20日)NHKで放映された「ドミノカップ2004・小学生が挑戦ドミノ倒しスピード競争」という番組を見ました。全国の各ブロックで勝ち上がったドミノ倒しの有力校5校が、与えられた厳しい障害物(高い山を越える、4つの飛島を渡る、輪の中を通す、など)を乗り越え、40mのドミノをいかに早く倒しきるかの争いで、そのために各小学校があらゆる知恵を絞ったゲームでした。

新春対談 《日本文化の力はかなりのもの-日本の豊かさと教育の事情-》

文化庁長官 河合 隼雄 氏 佐々木 常夫 代表取締役社長

日本の教育の問題 -何でもランク付けしてしまう- 《佐々木》: 長官が座長を務められていた「21世紀日本の構想」懇談会で教育の問題が出ていましたが、長官からご覧になって今の日本の教育はどうあったらいいと思われるか、そのあたりをお聞かせください。 《河合》: 日本の教育の問題というより、日本人の問題と言った方がいいと思います。みんなあまりにも順番にこだわり過ぎて、個性を見るということが下手です。自分の子どもの個性を育てていこうとは思わずに、何番にいるか、少しでも上に上がったほうがいいという見方ばかりする。

■経済・産業

2005年日本経済を読み解く12のキーワード

増田 貴司 産業経済調査部長 チーフ・エコノミスト

●本稿では、年頭に当たり、2005年の日本経済を展望する上で焦点となるトピックスについて、12のキーワードを掲げつつ解説してみたい。 ●12のキーワードを列挙すると、以下のとおりである。 (1)人口減少社会 (2)持続可能な年金制度 (3)若年雇用問題とニート (4)アクティブシニアの消費 (5)男性消費 (6)ポスト「韓流」 (7)M&Aの活発化 (8)多角化と垂直統合 (9)IT革命の進展 (10)アナログ的要素と素材の復権 (11)IT在庫調整の一巡 (12)意味の乏しい景気の山谷の議論

2005年の米国経済は「慎重な強気」

日本貿易振興機構 海外調査部 北米課 上席課長代理  鈴木 裕明

【要点(Point)】
(1)2005年の米国経済は3%台半ばでの成長がコンセンサスとなっており、引き続き潜在成長率を上回ることが見込まれている。
(2)日本のメディア論調に見られるように、3%台半ばの成長を達成するためには、確かに、《1》原油価格の更なる高騰、《2》住宅価格急落、《3》双子の赤字拡大によるドル暴落といった、見通しが困難なリスク要因が顕在化しないことが前提条件となる。
(3)これらリスク要因を検討してみると、あくまでメインシナリオとなるものではなく、米国経済の見方は「慎重な強気姿勢」といったところが平均値となっている。その結果、日米経済関係も良好な状態が継続するものとみられる。

日本の主要業種収益動向 -2期連続の最高益更新へ-

永井 知美 産業経済調査部 産業アナリスト

【要点(Point)】
(1)全国上場企業の2004年9月中間連結決算は、リストラ効果で利益が出やすくなっているところにデジタル景気、外需好調などの追い風が吹き増収増益となった(全産業ベース)
(2)2005年3月期の業績は、2期連続で過去最高益を更新する見通しである。ただ、原材料価格上昇、円高、製品価格下落などにより、一部業種では収益拡大ペースが鈍ると見られる。
(3)主要8業種の決算および業界動向について概観したい。

新産業創造に向けた技術の課題 -文化・知識・環境融合ビジネスの創造と技術者のリーダーシップ-

飯田 汎 特別研究員

【要点(Point)】
(1)今年は「アインシュタインの奇跡の年」1905年から100年目にあたる『世界物理年』である。改めて日本に期待をかけたアインシュタインのメッセージを再認識したい。
(2)先進技術文化立国の形成に向けて、今は国際社会のなかで日本の役割を認識すべき時であり、地球温暖化問題や化石エネルギーなど地球資源の枯渇から「環境調和社会」の実現に道をつけ、中国の発展に関してもこの点から対処すべきである。
(3)「文化創造社会」形成に根ざした日本人の心(+Jマインド)のなかでも、「自然従順・共生」「無・小を大切にする美意識」「求道精神」「受容・利他の精神」を中核と考え、この点から「農業の再生」や「美しい日本」の建設の意義を問いたい。
(4)経産省の「新産業創造戦略」7課題は、“文化・知識・環境”融合社会にも適合する課題であり、日本人のマインドとの関係を評価した。
(5)国際競争力の期待される58課題(日経産業掲載)のうち、上位の交通・機械、IT、環境・エネルギーの課題はもとより、低位置にある「医療・バイオ産業」の課題は日本人の資質に適合する期待すべき課題であり、積極的に推進することを薦めたい。

■視点・論点

平成17年の干支 乙酉の意義

財団法人郷学研修所 安岡正篤記念館 理事長 安岡 正泰

 中国の歴史が考古学によって明確に実在が証明されたのは、夏王朝の次の殷(BC1500年頃)の時代からである。20世紀の初めその殷王朝の遺跡(殷墟)から発掘された甲骨文(亀の甲や牛の骨に刻まれた文字)のなかに既に十干十二支の名が記されている。  それからのちの漢代に入り、干支は整い普及し始めたと考えられている。黄河流域に定着した農民が農作物の豊凶など自然と共生しながら一年の生産計画を立てていく際に、干支を経験的に適用していたのではないかと言える。

■マネジメント

魅せるネジの開発と脱下請け化への挑戦 -川端ネジ製作所-

ヘリオット・ワット大学経営大学院 ロジスティクス・リサーチ・センター研究員 流通科学大学付属流通科学研究所 専任講師 東 伸一

【要点(Point)】
(1)先進国の繊維ファッション製造業活性化に向けた取り組みは様々な形で試みられてきているが、産業構造上の制約や環境変化などにより、有効なアプローチが見出されない状態が継続している。
(2)企業活動のグローバル化が所与となっている状況下において、逆に特定地域のもつユニークな性格に対する注目が集まっている。
(3)「ものづくりのまち」東大阪市の川端ネジ製作所のアートネジ創造によるイノベーション・プロセスから、グローバル化・ポスト消費社会時代における産業集積内製造業のひとつの在り方を考察することで、日本のモノづくり、製造業全般における空洞化対応策への手がかりを垣間見ることができるのではないだろうか。
(4)かつて、絶対的な自信を持つ精密さを武器に、知る人ぞ知る製造業者であった川端ネジは、“隠すネジ”という従来の既成概念を打破し“見せる(魅せる)ネジ”というコンセプトを開発することで、新たなコーポレートイメージの創造・定着に成功し、商品開発とブランド戦略がうまくかみ合った事例として注目されている。

■人材

21世紀型リーダー像 -混沌とした時代をブレークスルーするためのリーダーのあり方-

(有)シー・アンド・シー藤田 代表取締役 藤田 訓弘

【要点(Point)】
(1)平成不況が長期化し、正にカオス(混沌)状態になっている世情を何とかブレークスルーしたいと日本国民全体が躍起になっているが、実態はもがいていると言った方が正しい。
(2)一方、環境変化は益々スピードアップされ、その変化に対応できない企業、人は負け組にならざるを得ないというのが実態で、この“人、変化、スピード”という“21世紀のサバイバル3キーワード”に手を当ててブレークスルーする“21世紀型リーダー”の出現が待たれるところである。
(3)その21世紀型リーダーに求められる“人間的能力”と“論理思考能力”という二面性を具体化し、実践的リーダー像を具現化することが本論文の目的である。

人事歳時記 第五回 -サスティナブル・ビジネス(1)-

北原 正敏  特別研究員

 昨年夏、委員の1人として「サスティナブル・ビジネス・フォーラム」を立ち上げ、11月に東京国際フォーラムで第1回セミナーを開催した。当日は、全米で初めてサスティナブル・ビジネスの専門コースを設置したミシガン州のアクィナス大学のサスティナブル・ビジネスセンター長のマシュー・テュース教授の基調講演に続き、同大学で教鞭をとる山崎正人助教授、国の環境問題に積極的に取組んでいる三ツ矢憲生衆議院議員らとパネルディスカッションを行った。私はコーディネーターを務めた。

■経済用語解説

ちょっと教えて!現代のキーワード  「市場化テスト」「次世代DVD」

■お薦め名著

『創造する経営者』 P.F.ドラッカー 著 上田惇生 訳  -企業戦略と事業創造のバイブル-  『声の力』 河合隼雄 阪田寛夫 谷川俊太郎 池田直樹 著  -人と人を結ぶ肉声-

■ズーム・アイ

読書の楽しみ

高橋 健治

 1時間を超える通勤を、もっぱら「読書」で楽しんでいます。1年半ほど前、遠近両用のメガネを買い換えてから目の具合が良くなり、長距離通勤は「痛勤」から「楽勤」になりました(少しオーバーですが)。本は近くの図書館で借り、新書・文庫などが中心です。  まず始めたのが「講談社ブルーバックス」シリーズです。証券から製造業に移ってかなり経つのに、いまだ理系に弱いことから、「まずは、やさしい理系の読書から」と思い立ちました。

■今月のピックアップちゃーと

「成果」の出づらい成果主義  ~業績評価制度に関する厚生労働省調査~

■TBRの広場

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