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2015年11月6日
バイオミメティクスの新展開
~ 生物に学ぶものづくりイノベーションの現状と課題 ~
チーフアナリスト
永井 知美

・生物の優れた構造や機能などを解析して、そこに潜む原理を解明し、新たな工学技術を生み出す取り組みであるバイオミメティクスへの注目が高まっている。 ・バイオミメティクスは、分子系、機械系、材料系の3つに大別される。近年の新潮流としては、材料系を中核に、これまで個別に展開してきた分子系と機械系の研究を統合した総合的なバイオミメティクス研究が進展している。 ・バイオミメティクスで他国に先行しているのはドイツである。国を挙げた産業展開策が講じられ、産学官連携や生物技術と機械工学の融合研究が進んでいる。国際標準化でもドイツが主導権を握っている。 ・バイオミメティクスに対するわが国の産業界や国の動きはドイツと比べると周回遅れだが、最近政策面で進展が見られる。 ・現在、生物データベースに含まれる大量の画像データからものづくりのイノベーティブな発想を導き出すのを支援するデータベースの構築プロジェクトが進んでいる。これは日本発、世界初の試みで、異分野連携によるイノベーション創出を促すための武器になると期待される。 ・バイオミメティクスの応用範囲は広く、多様な分野でイノベーション創出のエンジンになることが期待される。だが、その実現には生物学と工学や医学など異分野の連携が必要不可欠である。

【キーワード】

バイオミメティクス(生物模倣技術)、バイオミミクリー、分子系・機械系・材料系バイオミメティクス、独の産学官連携ネットワークBIOKON、国際標準化、生物学と工学の融合、バイオミメティクス・データベース、走査型電子顕微鏡(SEM)、ナノスーツ法、異分野連携

PDF : TBR産業経済の論点 No.15-09(819K)