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2005年3月1日
繊維トレンド3・4月号 2005 No.51

■特別レポート

日本繊維産業連盟役員総会における前田勝之助会長の挨拶 「守り」を固める環境整備に加え、「攻め」の活動をさらに強化 -平成17年の活動方針-

日本繊維産業連盟は、日本紡績協会、日本化学繊維協会など26団体で構成され、繊維産業全体に関する重要問題について対策を講じる団体である。 去る1月27日(木)に開催された同連盟の役員総会において、 (1)繊維産業の構造改革の推進 (2)輸出拡大と通商政策 (3)国際交流 (4)国内事業基盤の維持強化 ・・・・などの平成17年活動方針が決定された。 前田勝之助会長は、「守りを固める環境整備に加え、攻めの活動をさらに強化していきたい。個々の企業においても、日常業務の中で積極的に構造改革に取り組み、実効性をあげていただきたい」と挨拶した。 同連盟の協力を得て、役員総会における会長挨拶をここに掲載し、皆様のご参考に供したい。

■海外動向

中国の"繊維力" -内側から見た繊維事情- 

東レ株式会社 専任理事 御法川 紘一

【要点(Point)】
(1)ここ5年間の中国の躍進には目を見張る物がある。あれよあれよと言う間に世界有数の生産大国、消費大国、輸出大国になってしまった。色々な矛盾を抱え早晩行き詰まると言われながらも益々発展を続ける。
(2)特に繊維においては、ここ5年間の世界の発展はほとんどが中国の発展であった。この”繊維力”(生産力,消費力,輸出力)を支えるのは一体何であろうか。
(3)一般の人の生活はとても豊かになった。国の方針に従った”開発区”が全国津々浦々、1818ヶ所にも出来た。国営会社改革もほぼ完了しテキスタイルの”第三国営”が台頭してきた。

中国アパレル -ブランド意識の高まりとビジネス変化- 

有限会社シナジープランニング 代表取締役 坂口 昌章

【要点(Point)】
(1)クォータフリーにより、中国の欧米向けの生産が増える。同時に、OEMメーカーがオリジナル商品を国内市場向けに販売する事例も増え、アパレル起業がブームになっている。
(2)中国のアパレル卸は安価品中心で日本のメーカーが取引するのは困難。多くのアパレルは、直営店+FC展開で直販している。
(3)縫製工場を持たず、企画と小売部門に集中する日本型モデルが中国アパレルの中からも生まれている。ファッションビジネスでは企画と小売が重要であるという理解である。
(4)ブランドイメージを大切にするのであれば直営店が望ましい。しかし、資金力がなければFC展開が有利である。
(5)中国市場で成功するには、謙虚に中国市場を観察し、中国の生活者ニーズに対応することである。日本のやり方をそのまま展開しても成功する確率は低い。

上海女性の価値観・ライフスタイル分析 マーケットとして注目すべき上海マーケットを見る

伊藤忠ファッションシステム株式会社 エディティングスタジオ チーム長 小原 直花

【要点(Point)】
(1)消費に興味を持ち、自分の努力次第でまだまだ生活向上が望めると、転職などを繰り返しキャリアアップを図る。注目すべきターゲットは、働き盛りの文革開放世代と、グローバル視点を持つ一人っ子政策世代。
(2)衣・食・住・遊・知、生活全般にお金をかける。中でも、ファッション(服やアクセサリー小物、化粧品など)に関する興味は非常に高い。
(3)日々成長を遂げる上海マーケット。モノはますます溢れるばかり、市場と生活者をつなぐ情報やサービスの提供が望まれている。

日本とアセアンとの繊維FTAについて 

日本化学繊維協会 業務調査グループ  主任 鍵山 博哉

 100年に一度の世界同時不況の中、単価の安さなどからアクセサリー(服飾雑貨)の重要性が見直されている。ここではニューヨークで開催されるレディースアクセサリーの見本市展示会Accessories TheShow について、現地でファッション情報誌のエディターを務めるカワムラ氏にご紹介いただく。

【要点(Point)】
(1)日本は諸外国に比べFTAの取り組みに出遅れていたが、近年、積極姿勢に転換。繊維業界にとって関心の高いアセアンとのFTA交渉も進められている。
(2)日本の繊維産業は、アセアンとのFTA/EPAに対しては、中国に次ぐ貿易相でありさらなる輸出拡大が望める点、アセアンが日系企業の重要な投資拠点であるという点から期待が大きい。
(3)一方、アセアンの繊維産業にとっても、ポストATCにおいて、技術力の勝る日本との協力関係強化を模索している部分もある。こうしたことから、日本とアセアンとのFTAは、お互いに補完できる部分も大きいものと見られる。
(4)FTAにおける原産地規則は、繊維産業にとって戦略的な通商政策のために重要なファクターである。

■国内動向

シリーズ 「ファッション・リテイリングの最新動向」 第4回 百貨店、量販店に未来はあるか

株式会社小島ファッションマーケティング 代表取締役 小島 健輔

【要点(Point)】
(1)全国百貨店の既存店売上高は、1992年以降、96年を除いて前年を割り続けており、その結果、総売上高は、ピークだった91年の81.1%、坪販売効率は同59.6%まで低下した。
(2)日本の百貨店、量販店とも上記数値以上に深刻な問題を抱え、未来に向けた新たな発展を見込むのが難しい状況にある。その理由として、百貨店は、売場運営権の大半をブランドビジネスに委ねたこと、衣料消費全体が大幅に縮小する中で衣料品の売り場を積極的に拡大したこと、ライフスタイルのカジュアル化への対応が遅れたことなどがあり、一方の量販店は、中央集権的なチェーンストア理論・哲学に固執したことがかえって個店の営業活力を削ぐことになり、各々隘路に陥り、ともに未来への可能性を自ら封印していることにある。

シリーズ「既成の枠に捉われないローカル出身の革新的企業の台頭」 第3回 (株)ポイント 差別化戦略における垂直・水平軸概念と自社ブランド・ポートフォリオのマネジメント

流通科学大学付属流通科学研究所  客員研究員  葉   ヘリオット・ワット大学経営大学院 ロジスティクス・リサーチ・センター研究員  流 通科学大学付属流通科学研究所 専任講師 東 伸一

【要点(Point)】
(1)「カジュアルウェア購買時、女性は男性ほどブランドを意識しない。」という発想が現在の(株)ポイントの設立の契機となった。
(2)既存市場における「垂直的差別化」(価格の高低)と「水平的差別化」(「好き」・「嫌い」によるテイスト軸)の2軸の分析を通じた機動的な新業態開発力が(株)ポイントの成長のひとつのキーとなっている。
(3)(株)ポイントが自社ブランド・ポートフォリオを展開する中間価格市場では、大手アパレル企業の郊外型業態を中心とする新規参入が相次いでいるため、今後は一層の競争激化が予想されている。
  本稿では、上場から4年間で売上倍増、経常利益82.3%増、純利益(中間期)97.3%増、既存店の対前年売上高7.6%増を記録し、SPA型専門店企業のなかでも著しく目立った好業績を誇る株式会社ポイントをケースとして取り上げ、その成長要因とマーケティングの方向性に関する簡単な考察を試みる。また、厳しい消費環境下にもかかわらず、「ローカル出身」専門店である(株)ポイントが消費者の間で高い選好度を得ている背景および同社の今後の課題点に関する推考を行うものとする。

■新製品・新技術動向

光干渉繊維及びナノファイバーの開発

帝人ファイバー株式会社 取締役・研究開発センター長 飯室 弘之

●繊維をナノオーダーで構造制御することの意義は大きく分けて2つある。 ●1つは、ミクロ(ナノ)構造を制御することにより、新規なマクロ性能を創出することである。事例として既に事業化まで進んでいる光干渉繊維"モルフォテックス"を紹介する。 ●もう1つは、ナノサイズの構造物を単体として取り出したときに、どのような新機能が期待できるかであり、開発中の事例として"ポリエステルナノファイバー"を紹介する。

■知りたかった繊維ビジネスのキーワード

キャラクターブランド ~日本のオリジナルコンテンツを活用したブランド開発~

有限会社シナジープランニング 坂口 昌章

◆キャラクターズブランドとキャラクターブランド ◆巨大なキャラクター市場とメディア ◆ファッションをメディアと考える ◆キャラクターを活用したブランド開発 ◆キャクターブランドの共同開発を ◆他業界、異業種との連携を

■統計・資料

主要商品市況 

原油/ナフサ/PTA/EG/カプロラクタム/アクリロニトリル/綿花・ポリエステルステープル  ナイロンフィラメント・同織物/ポリエステルフィラメント・同織物/アクリルステープル  同紡績糸/ポリエステル綿混(T/C) 紡績糸及び織物