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2015年5月1日
経営センサー5月号 2015 No.172

■今月のピックアップちゃーと

無視できない外国人旅行者の購買力 ~訪日中国人の爆食・爆買が百貨店売上を押し上げ~

■繊維産業シンポジウム講演抄録

繊維産業シンポジウム講演抄録 未来企業:信念で未来を創る

一橋大学大学院 国際企業戦略研究科 研究科長 教授 一條 和生 氏

2015年3月6日に開催した繊維産業シンポジウム「北陸産地が目指す新しい方向性」(東レとの共催)における「未来企業:信念で未来を創る」一橋大学大学院国際企業戦略研究科 教授 一條和生氏のご講演をご紹介します。なお、当日はマツダ株式会社 代表取締役会長 金井誠太氏、東レ株式会社 繊維事業本部 副本部長 テキスタイル事業部門長 首藤和彦取締役の3人の講師にご講演いただきました。東レ株式会社 首藤取締役の講演内容は『繊維トレンド』5・6月号で紹介しています。

■経済・産業

中国ビジネスを変える新型都市化計画の推進 ―注視すべきビジネスチャンス、コストおよびマクロ経済上のリスク―

三菱東京UFJ銀行 企画部 経済調査室 調査役 萩原 陽子

【要点】
(1)
中国の新型都市化計画は都市・農村で大きく異なる戸籍・土地制度の改革にまで踏み込む画期的なものである。
(2)
新型都市化計画の投資規模は日本のGDPの1.4倍との試算もあり、膨大な投資機会があるとともに巨大な資金負担もある。
(3)
新型都市化計画はビジネス上のチャンス、コストおよびマクロ経済上のリスクなど経営環境を大きく変えるファクターとして注意を要する。

■業界展望

観光立国実現へ向けての日本の課題 ―過去最高を更新する訪日外国人、2,000万人到達への課題は?―

産業経済調査部門 シニアアナリスト 永井 知美

【要点】
(1)
訪日外国人旅行者が過去最高ペースで増加している。2014年、訪日外国人旅行者は前年比29.4%増の1,341万人と、2年連続で過去最高を更新した。円安、ビザ要件緩和、世界的な観光需要の高まりを背景に、足元も絶好調が続いている。
(2)
観光は長らく「遊び」の位置づけだったが、近年、にわかに注目度が高まっている。観光の生産波及効果と雇用誘発効果は思いのほか大きい。旅行消費の増大は宿泊業、小売業、運輸業だけでなく、ものづくり分野にもプラスの影響を及ぼす。
(3)
外国人旅行者が急増している日本ではあるが、世界的にみるとまだ観光立国とは言い難い。2013年の外国人訪問者数の国・地域別ランキングをみると、日本は世界27位、アジアでも8位である。
(4)
観光の経済効果の大きさ、世界的な観光ブームを受け、日本政府は観光重視の姿勢を強めている。 これまでにビザ要件緩和、免税対象の拡大等で効果をあげてきた。
(5)
政府が成果指標として掲げている「2020年2,000万人、2030年3,000万人」を達成するには、地方空港の活用など、アクセスの拡充がカギとなるだろう。

PDF : 詳細(1533KB)

■視点・論点

三つの「2020年」

エコノミスト、大阪商工会議所 大阪経済調査会 代表幹事 元・三和総合研究所 取締役理事 松下 滋

政府が成果指標として掲げている「2020年2,000万人、2030年3,000万人」を達成するには、地方空港の活用など、アクセスの拡充がカギとなるだろう。

■マネジメント

技術者は技術マネジメントに工夫を! ―技術のライフサイクル、技術者のライフサイクル―

株式会社ロゴ 取締役副社長 酒井 昌昭

画期的な新フォーマットと新商品でシェアを確保できると先行者利益が得られ、かつデファクトスタンダード(事実上の標準)につながる。 反面、新技術に世代を譲る旧世代の技術者は、自分の持つスキルの陳腐化をどう克服するか。電子立国日本の時代に、アナログからデジタルへの技術革新があった。その事例から、豊富な経験を持った先輩技術者には、新世代に技術力を発揮させる“技術マネジメント力”が期待される。これにどう応えるか、ヒントになれば幸いである。

(1)
放送局用ビデオテープレコーダー(以下VTRと略)のフォーマット戦争を事例に、ライバル社の市場参入にも、優位を保ちつつ共存した物語を紹介する。
(2)
新しい技術によって商品は進化し、開発は加速する。そして商品ライフサイクルは短くなる。特に一般消費者向け電気製品のライフサイクルは短くなっている。1年といわずに半年で新製品に替わる。家庭用のパソコンはその典型例だ。
(3)
先端技術を身につけたつもりが、いつのまにか陳腐化する。 ではどうすればよいか。技術マネジャーへの道が選択肢としてあり、そのためには、プロジェクトマネジメントの手法が極めて有効であることを述べる。

PDF : 詳細(1528KB)

■環境・エネルギー

ロボット時代来たる:新しい「人類」誕生の光と影

立命館大学大学院 客員教授 村沢 義久

【要点】
(1)
ロボットが人間社会に参加し、さまざまな分野で共存する時代が近づいている。
(2)
ソフトバンクによる「ペッパー」の発売は、ロボット時代到来を早めるだろう。
(3)
しかし、ロボット社会には光と影がある。われわれは秩序ある開発ができるだろうか。

■環境・エネルギー

原油価格の大幅下落の背景と今後の展望

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 調査部 主任研究員 芥田 知至

【要点】
(1)
原油価格の大幅下落の外部要因として、リビアの生産障害の改善、中国・欧州の景気減速、米国の需要の伸び悩み、ドル高が挙げられる。
(2)
加えて、石油輸出国機構(OPEC)が原油を減産しないことを受けて、原油市場のセンチメントが大きく変化したことも、原油急落の要因だった。
(3)
米国のシェールオイルの増産には歯止めがかかるだろうが、OPECが減産に慎重なこともあり、原油価格の上昇は緩やかにとどまるだろう。

■経済用語解説

ちょっと教えて!現代のキーワード 

産業経済調査部門

「ドローン(無人航空機)」 「マイナンバー制度」

■お薦め名著

『戦略は直感に従う』 ―過去に学び独自の着想を戦略化―

ウィリアム・ダガン 著 杉本 希子・津田 夏樹 訳

■ズーム・アイ

世界の人々を一カ所に集めたら

産業技術調査部門 松井 滋樹

世界の人口は2011年の10月に70億人を超え、この原稿を書いている現在では約72億人と推定されている。72億の人間といってもどれほどのものなのか想像がつかないので、1秒に1人数えていったらどれ位の時間が必要だろうと計算してみたら、約228年かかることが分かった。一生かかっても数え切れないではないか。それではそれ程多い世界の人々を一カ所に集めたらどれ位の面積が必要であろうか? また山や森林、湖沼や河川といった居住不可能な場所があることや食料の確保策等を無視し、純粋に面積のみで考えた場合、日本に世界の人々を集めたら入りきるのであろうかなんて考えてみる。