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2012年8月1日
経営センサー7・8月号 2012 No.144

■特別企画

次世代に送るメッセージ ―真のワークライフバランスとは何か―

株式会社資生堂 顧問 岩田 喜美枝 氏 東レ経営研究所 特別顧問  佐々木 常夫 進行役:東レ経営研究所 ダイバーシティ&ワークライフバランス推進部長 宮原 淳二

東レ経営研究所では2009 年からダイバーシティやワークライフバランスに関するコンサルティングを企業・団体のみならず、社会に普及促進させるために推進しています。今回は、その取り組みのリーディングカンパニーである資生堂で2003年からその牽引役としてご活躍された同社顧問の岩田喜美枝氏に同社の取り組みやワークライフバランスのさらなる推進に何が必要かなどを弊社佐々木常夫特別顧問との対談形式でお伺いしました。

■経済・産業

キラリと光る中堅・中小ものづくり企業のトップに聞く ―価格競争に陥らず、独自の価値で勝ち残る秘訣とは―

産業経済調査部長 チーフ・エコノミスト 増田 貴司

【要点(Point)】
(1)世界経済のパラダイムが変わり、日本の製造業の国際競争力の低下が指摘される。企業の新興国シフトや「六重苦」を背景に、国内産業の空洞化懸念も高まっている。しかし、こうした中でも、価格競争に陥らずに、独自の強みで存在感を発揮し続けている中堅・中小企業が存在する。
(2)今回はそんなキラリと光る中堅・中小企業の中から、多摩川精機株式会社、日本電鍍工業株式会社の2社を取り上げ、両社の社長に今の事業環境をどう認識し、どのような取り組みをされているかを詳しくお伺いした。
(3)インタビューを踏まえて、日本企業がグローバル化や六重苦の時代を生き抜き、輝きを放ち続けるための方策について考察してみた。

PDF : 詳細(PDF:1,849KB)

■産業技術

浮体式洋上風力発電の将来性を検証する ―海洋国・日本が「風力エネルギー大国」になることは可能か?―

産業技術調査部 シニアリサーチャー 岩谷 俊之

【要点(Point)】
(1)洋上風力発電といえばこれまで海底に基礎を作る「着床式」のみであったが、ここ数年、「浮体式」に対する注目が急速に高まり、わが国でも実証実験が始まろうとしている。
(2)浮体式風力は深い海域でも設置できることから、遠浅海域の少ないわが国の条件に合致。しかも日本周辺海域の“浮体式風力エネルギーポテンシャル”は国内電力10社の発電設備容量トータルよりはるかに大きいとされる。
(3)現在の技術でも浮体式風力の建設は可能である。しかし低コスト化の壁は厚く、漁業との共存という難問も横たわる。そんな浮体式風力に「原発に代わる電力」や「エネルギー自給自足」といった役割を期待するのはまだ現実的ではない。
(4)しかし長期的に見れば大きな可能性を秘めた技術であるだけに、国家プロジェクトとして積極的に実証試験を進め、世界の先頭グループの一員として国際標準化検討などでのアドバンテージを獲得しておくことが重要。

PDF : 詳細(PDF:1,514KB)

■視点・論点

人事で公平性はありうるのか?

ジェイ・ボンド東短証券株式会社 代表取締役社長 斎藤 聖美

できる社員はもらいが少ない 世の中って、不公平だなあとしみじみ思う。つい最近、ある社員に辞めてもらうことにした。客観的に見て、非は彼にあり、厳しい形で即刻退職してもらってもしかるべき状況だとは思ったが、反社会的な行動をしたわけでもないので穏便に進めようと思い、退職金を上積みし、自己都合の退職を装って対外的にメンツが保てるようにした。

■マネジメント

審査員から見たISO9001/ISO14001などの効果的な活用法(第1回) ―‘自社の、自社による、自社のためのマネジメントシステム’の構築と現状のチェック―

特別研究員 山下 重二

【要点(Point)】
(1)1990年代初頭から日本へも導入されたISO9001などのマネジメントシステム規格は、急速に普及し、経営管理のパフォーマンスの改善に役立っている組織(企業)がある一方、新規取得の伸び悩み、取得取り下げが続いている。
(2)審査員として、登録/定期/更新審査を通じて、マネジメントシステムの規格要求事項に適合していても、有効性の継続的な改善が進んでいない組織(企業)がかなりあり、これらの組織(企業)には、共通の課題が存在していることを認識した。
(3)自社の経営活動のさらなるパフォーマンスの向上のために、文末に、マネジメントシステムの‘チェックポイント’を提示した。内部監査より広い視点で、有効性の継続的改善についての‘現状チェック’を勧めたい。

PDF : 詳細(PDF:1,351KB)

■環境・エネルギー

主役の座を目指し急加速する太陽光発電

東京大学 総長室アドバイザー 村沢 義久

【要点(Point)】
(1)2012年には太陽光発電の本格普及が始まる。住宅用では、すでに経済的に自立しつつあり、メガソーラーもFITの導入とともに急発進する。
(2)ただし、FITは「もろ刃の剣」である。一日も早く補助金もFITも必要としないシステムを実現するべきである。
(3)日本にとって、モデルになるのはドイツである。

■アジア・新興国

中国 研究者シリーズ(第8回) 中日関係の発展と国民感情の改善

中国中日関係史学会 副会長 兼 秘書長 徐啓新

【要点(Point)】
(1)中日国交正常化40周年にあたり、中日関係が飛躍的に発展した一方、多くの問題も抱えている。問題の鍵はいかに相手の国を正しく認識するかにあると思う。色眼鏡で相手の国を見た場合、当然誤解などが出てくる。
(2)相互理解を深めるためには国民の交流が欠かせないものだと思う。それは最終的には国民の感情の緩和につながる。
(3)特に重要なのは未来を担う若者の間の交流、そして地方の交流、民間団体の交流、知的交流などである。中日両国がアジアにおいて良い隣国になるよう心から願うものである。

 

アジア新興国シリーズ(第7回) 「秘境」から「アジア最後のフロンティア」へ ―ミャンマー経済の展望―

独立行政法人 日本貿易振興機構 アジア経済研究所 主任研究員 工藤 年博

【要点(Point)】
(1)テインセイン政権の政治・経済改革、欧米諸国の制裁の緩和・停止を受け、各国の政府・企業の幹部が「ネピドー詣で」を開始。ミャンマー・ブームでホテル代が高騰。
(2)ミャンマーは人口・面積でタイ、ベトナムに匹敵。年7%成長が13年続くと現在のベトナムと同程度の経済規模になる。資源開発、労働集約産業など、成長産業も出現。
(3)しかし、ミャンマーの経済開発が順風満帆に進むと考えるのは楽観的すぎる。インフラ未整備、人材不足、投資環境の不備など、改革の課題は山積み。

■人材

人材育成の視点 体験的リーダーシップ論(第2回)

特別研究員 武澤 泰

【要点(Point)】
(1)人々がリーダーのビジョン実現に向けて喜んで協力するようになるには、ビジョン自体の魅力に加えて、リーダーへの共鳴が欠かせない。
(2)人間に対する深い理解と愛情に基づく正しい倫理観を持つことが、リーダーが部下をやる気にさせる鍵となる。
(3)渋沢栄一が優れたリーダーたり得た基礎は『論語』や『孟子』によって培われた儒教倫理にあり、その経営観にはドラッカーも注目し、絶賛している。
(4)筆者なりの一種の正義感が、社内外の共鳴と協力を得る力となり、存外の成果に結びついた体験を事例として紹介する。

PDF : 詳細(PDF:1,302KB)

■経済用語解説

ちょっと教えて!現代のキーワード 

「ゲーミフィケーション」 「ESM(欧州安定メカニズム)」

■お薦め名著

『ウーマン・エコノミー』 ―役員室の方々は重要な会議に女性を連れていきなさい―

マイケル・J・シルバースタイン/ケイト・セイヤー 著 津坂 美樹・森 健太郎 監訳 石原 薫 訳

■ズーム・アイ

Better death than wrong

産業経済調査部 シニアエコノミスト 福田 佳之

日本語訳は「悪いことをするぐらいなら死んだほうがまし」。なにやら不穏なタイトルです。普通、医療や年金の現状に不安を抱えていても「死んだほうがまし」ではなく「長生きしたい」人が多いでしょう。また大企業にいる多くの社員にとって、今いる会社は無くなってしまえではなく、未来永劫続くと信じているのではないでしょうか。

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