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2006年3月1日
繊維トレンド3・4月号 2006 No.57

■海外動向

インドの“繊維力”の現状と将来 -中国との競争に勝てるか?- 第二回 

東レ株式会社 専任理事 御法川 紘一

【要点(Point)】
(1)インドは原料生産、テキスタイル、アパレルの総合力で世界第2位の繊維大国であり、繊維産業は基幹産業の一つである。ただし、その規模は中国の1/2~1/8しかない。
(2)繊維産業は手厚い保護政策のもと、川上は財閥による寡占体制、川中・川下は膨大な数の小企業によって形成されている。その中で、アパレルは大企業の進出が認められ、欧米向けアパレルの躍進が著しい。
(3)テキスタイルの競争力は中国に勝るが、その差はわずかである。この差が拡大する要因は少ない。輸出型テキスタイルメーカーのインドへの進出理由は圧倒的な競争力というよりも「チャイナプラス1」の側面が重要視されていると言える。

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日中繊維アパレルのシステム連携のあり方 

坂口 昌章 客員研究員 有限会社シナジープランニング 代表取締役

【要点(Point)】
(1)日本人は情緒的理解を好み、中国人は論理的理解を好む。情報システムは論理そのものであり、中国での企業運営や中国人社員の教育においても、システム活用は不可欠である。
(2)日本を含むアジア諸国のファッションビジネスは欧米とは異なり、多頻度商談が必要である。そのため、年2回の見本市の商談では不十分であり、フォロー業務が必要である。見本市の事前にサンプルをプレゼンテーションする「仮想見本市システム」により、見本市の商談そのものの効率も高まる。
(3)中国の店頭売上を直接日本の本社につなげる「販売管理システム」や本社からのVMD指示や接客教育等を行う「店舗運営支援システム」により、中国の店舗運営の効率が上がる。
(4)中国ビジネスの事故やトラブルを防ぐには、システムを活用した情報共有化により、経営の透明性を高めることが必要である。システムにより、自動的に業務の記録と本社への報告が可能になる。
(5)中国企業とのライセンス契約でも、商品と資金、物流、情報が共有できるシステム管理が欠かせない。
(6)欧米では一般的な販売エージェント企業への販売委託も、システム連携により業務の透明性が高まり、リスクが減少する。
(7)中国企業が欲している店舗運営ノウハウや企画ノウハウ提供も、インターネット連携システムにより先行投資ではなく、実績に応じた歩合で報酬を徴収することが可能になり、新しいビジネスモデルが考えられる

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中国出向者の中国税務取り扱い 

税理士法人中央青山 マネージング・ディレクター 簗瀬 正人

【要点(Point)】
(1)短期滞在者(183日)免税ルールの適用要件
(2)PE認定による183日免税ルール不適用課税
(3)中国出張者の税額按分課税
(4)日本での外国税額控除の適用と追加補填

商業センターと連動する上海最高級商業の構築 

上海市商業経済研究センター 上海市商業情報センター 副主任・教授 東レ経営研究所 客員研究員 齋 暁斎

中央政府が「至急、上海を国際経済、金融、貿易、港運センターとして構築する」という戦略的政策を明確に提示してから、上海は「4大センター」の一つである「貿易センター」の機能都市としても持続的に充実、強化している。「上海商業発展に関する第10次5ヶ年計画要綱」では「国際的ショッピング天国」を上海商業発展の目標とし、大きく繁栄し、かつ合理的な商業分布構造および充実した商業経営サービス機能を設立することを目指している。すなわち、消費の誘導と、国際貿易交易地、流行商品の発祥地、有名ブランドの集合地としての国際的「ショッピング天国」の創出と拡大である。

在中国スタッフレポート 第1回 

横川 美都 研究員

今月から、東レ経営研究所『中国繊維ファッションビジネス研究会』在中国研究員の横川美都が、現地にいるからこそ!という業界情報などを、毎号お届け致します。初回は、中国進出を目指す企業であれば、注目したい媒体の一つ、中国業界誌『中国制衣 CHINA APPAREL』をご紹介します。 

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戦後日本のアパレル市場の変遷をマズローの学説で説明する -消費者は“自尊”に目ざめた- 

小林 元 特別研究員

【要点(Point)】
(1)日本のアパレル市場は、“欠乏社会”から“意味社会”へ変貌しているのに、供給サイドがその変貌に対応しきれていないために、需要と供給の巨大なミスマッチが起こっている。
(2)日本の消費者がマズローのいう欲求の第4段階“自尊”に目覚めたことが“意味社会”への変遷をもたらした。
(3)“自尊”に目覚めた日本の消費者の感性をとらえたのがイタリアのプレタポルテであった。

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■国内動向

繊維製品のリサイクル技術の動向 

日本化学繊維協会 技術グループ 主任 大松沢 明宏

【要点(Point)】
(1)2001年に「循環型社会形成推進基本法」に基づくリサイクル推進の新たな枠組みが示された。繊維業界では、各業種が、個々の立場においてその役割を果すべく、3R(リデュース、リユース、リサイクル)への取り組みを自主的に進めている。
(2)繊維製品のリサイクルは、今もなお、伝統的リサイクル(中古衣料としての出荷、ウエス(工業用雑巾)への加工、反毛してフェルト化など)が中心であるが、合成繊維製品の分野では、その製品特性を生かして、再溶解して成形品とするリサイクルや、化学的に分解して原料まで戻すリサイクルなどの新しい取り組みがスタートしている。
(3)繊維製品のリサイクル手法の拡大、特に、リサイクルしても質の低下を伴わない、完全循環型リサイクル技術の今後の進展が期待されている。

二極化の実態 -「有望な投資ベクトル」…所得格差があろうとも、10代のバブル刷りこみが消費を導く-

伊藤忠ファッションシステム株式会社 情報フォーラムチーム チーム長 小原 直花

【要点(Point)】
(1)25~34歳(シングル~既婚・子あり)、300万円前後と700万円前後に世帯年収を分け、それぞれの消費傾向を探究。かけられる金額は違っても、かけたい分野は変わらないことが分かった。
(2)所得の二極化=消費の二極化ではない。大事にしているモノ・コト=お金をかたい分野=凸消費、かけない分野=凹消費は、所得の高低に関係なく見られる消費傾向である。
(3)10代でバブル消費を経験。その生活レベルが今の生活のスタートラインになっているが、経済的豊かさだけが“生活の豊かさ”を計るもの差しにはなっていない。

■知りたかった繊維ビジネスのキーポイント

不織布技術の動向

日本化学繊維協会 技術グループ 主任 大松沢 明宏

1. 不織布とは  不織布は、戦後アメリカから輸入された製品である。わが国に不織布製造装置が初めて導入されたのは1956年(アメリカから乾式不織布製造装置を導入)といわれているので、今年がちょうど50年目となる。その後今日までに様々な製法が取り入れられ、様々な形態、様々な性能のものが作られるようになった。不織布単独か、あるいは他素材と複合されて、衣料・生活資材、医療・衛生材料、農業資材、土木・建築資材、工業・自動車資材に至るまで極めて多岐の用途で使用されている。

■『中国繊維ファッションビジネス研究会』インフォメーション

『中国繊維ファッションビジネス研究会』第3回公開セミナー抄録

東レ経営研究所では、中国での繊維ファッションビジネスを目指す日本企業などを対象とした、新しい情報提供・コンサルタントサービス「中国繊維ファッションビジネス研究会」を立ち上げ、2~3カ月に1回のセミナー開催をはじめとした各種中国進出支援を行っています。  本研究会は、特に、実際に現地で行政、教育、企業運営に携わっている専門家のネットワークを強みとし、それを基盤に、リアルかつ最新の情報提供や、セミナーおよび交流会の開催による人脈作りのサポート、ビジネスマッチングの支援など、実践に役立つ多様なサービスを提供していきます。

■統計・資料

1.原油 2.ナフサ 3.PTA 4.EG 5.カプロラクタム 6.アクリロニトリル 7.紡績原料 8.ナイロンフィラメント、同織物 9.ポリエステルフィラメント、同織物 10.アクリルステープル、同紡績糸 11.ポリエステル綿混(T/C)紡績糸及び織物