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2006年7月1日
繊維トレンド7・8月号 2006 No.59

■特別レポートI

アジア化繊産業ビジョン

日本化学繊維協会 業務調査グループ グループ長 杉原 克

【要点(Point)】
(1)2006年5月に韓国・ソウルで開催されたアジア化繊産業会議で、アジア化繊産業ビジョンが採択された。世界の化繊生産の75%を占めるアジアの化繊産業ビジョンは、世界の化繊産業ビジョンとも言えるものである。
(2)2010年の世界の合繊生産能力と消費のギャップは約1,090万トンと見込まれ、需要に見合った設備拡張の重要性が強調されている。
(3)アジア化繊産業の長期ビジョンとしては、需給問題のほか、市場開拓、技術開発・製品開発、通商問題への対応など8項目が記述されており、アジア化繊業界の今後の指針になるものと認識されている。

■特別レポートII

「北陸産地の復権を目指して」 自動車用繊維の動向と東レの事業戦略

東レ株式会社 取締役ファイバー事業部門長兼産業資材・機能素材事業部門長兼繊維リサイクル室長 橋本 和司

 去る3月7日に、福井市にて東レ株式会社と株式会社東レ経営研究所の共催で開催した、繊維産業シンポジウム『北陸産地の復権を目指して』では、3人の講師に講演いただきましたが、そのうち、前号で株式会社ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長柳井正氏と、有限会社シナジープランニング代表取締役坂口昌章氏の講演内容を掲載しました。今号では、3つ目の東レ株式会社取締役ファイバー事業部長兼産業資材・機能素材事業部門長兼繊維リサイクル室長の橋本和司氏の講演抄録を掲載します。

■海外動向

下期の市況を読む -原燃料高、製品価格への転嫁不可欠-

向川 利和 特別研究員 繊維産業アナリスト

【要点(Point)】
(1)世界経済は景気回復に勢いがある。牽引役の中国は今年も9.5%の高い成長率が見込まれる。アメリカも段階的利上げで巡航速度並みの3.4%成長が期待されている。BRICs は高成長だが、個々には問題含み。
(2)合繊市況は原油高で、合繊原料とファイバー価格にきしみが出ている。原燃料高の製品価格への転嫁が不可欠となっている。
(3)とりわけ、中国での設備増強が続くP-FY は、供給過剰となっており、市況改善が進まない。

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中国ビジネスと情報システムの潮流 -開放型と閉鎖型のアプローチ-

坂口 昌章 客員研究員 有限会社シナジープランニング 代表取締役

【要点(Point)】
(1)日本市場を起点に考えると、中国プラスワンの地域に「生産拠点の移動」、中国生産を起点に考えるのならば、「海外市場の開拓」という可能性も出てくる。
(2)中国のアパレルが直接、欧米のアパレル企業とライセンスを結んだり、海外のデザイナーと契約することもあり得る。日本のアパレル企業が使っている企画会社に中国アパレルが直接企画を依頼することもあるだろう。
(3)個人社会の原理では、アメリカや中国の方が有利である。日本が彼らと勝負するには、自らの強みである集団主義を磨いていかなければならない。そして、集団が機能するためには、日本発想の情報システムが必要である。
(4)日本のような集団主義社会では、個人が平等に存在するインターネットよりも、ヒエラルキー組織を基本にした業務システムやグループウエアが有効である。すなわち、我々が日常的に経験している会社組織そのものをコンピュータネットワーク上に再現することである。
(5)日中の人間関係の違いは、前述したシステムの違いに相当する。誰もがつながれるWEBのような開放型システムと、親族間の閉鎖的なシステムである。それらを使い分けながら、ビジネスを進める必要がある。
(6)差別化商品の取引を支援する情報システムとは、WEB型ではなく、インターネット連携されたクライアント・サーバー型のグループウエア・システムである。しかも、取引の伝票処理をシステム化するのではなく、プレゼンテーションそのものをシステム化しなければならない。

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2004-05中国服装品牌年度大奘晩会について

横川 美都 研究員

今回は、3月28日に北京の21世紀劇場で開催された“2004-05中国服装品牌年度大奘晩会”をご紹介いたします。 “2004-05中国服装品牌年度大奘ChinaNationalGarmentAssociationAward”は中国服装協会が主催する中国国内アパレルブランドへの各賞の表彰式。同じく3月28日から北京で開催された中国国際服装服飾博覧会(CHIC)のオープニング・イベントと言ってもよいでしょう。昨年からスタートした業界の指導者や企業上層部、各界著名人の参加する中国アパレル業界の大型イベントです。 (CHICに関しては、弊社中国繊維ファッションビジネス研究会のHP「中国ビジネスレポート」をご参照ください。) 

イタリアファッション業界の戦略 第1回 -いかにしてパリと並び称されるファッションセンターを築き上げたのか-

小林 元 特別研究員

【要点(Point)】
(1)ファッションはもともとルネッサンス時代にフィレンツェで生まれたものである。
(2)その後、その中心地はパリに移り、一部の特権階級向けのオートクチュール(デザイナーブランドによる高級注文服)の全盛期を迎えた。
(3)1950年代になって、イタリア版オートクチュール(アルタモーダ)を興そうという動きが起こり、フィレンツェ、ローマに根づいた。
(4)同じ頃、プレタポルテ(デザイナーブランドによる既製服)を作ろうという動きがフランスとイタリアで起こるが、その生産システムを確立したのは北イタリアであった。デザイナーを取り囲むモノづくりのネットワークが北イタリアにあったからである。

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■国内動向

低迷する衣料品市場と合繊テキスタイルのコストアップ不況

小山 英之 特別研究員

【要点(Point)】
(1)わが国繊維産業は、世界最高レベルの商品開発、高品質を有しながら、多くの企業は利益率が低く、採算割れの企業が増加している。その要因は、衣料品のオーバーサプライに伴う小売業界の過当競争によるもので、衣料品の価格は世界の中で最も安く(同一品質レベルの場合)、そのためテキスタイル価格も厳しい条件を余儀なくされている。
(2)合繊テキスタイル産地の景況は、衣料用テキスタイルが不採算品種の増加から減産が進んでいるのに対して、小売業界の過当競争の影響を受けない産業資材分野は堅調に推移している。
(3)原油価格の急騰によって、重油、染料、原糸、糊材等の価格が大幅に高騰しているが、衣料品価格の低迷によってテキスタイル価格に転嫁できず、川中繊維産地は苦境に陥っている。特に重油を大量に使う染色業界のコストアップの打撃は大きく、中小の染色工場の経営危機が高まっており、繊維産業の根幹を揺るがす由々しき問題となっている。

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なぜ走る?なぜ踊る? -集中し自分と向き合う。スポーツをファッションスタイルとともに楽しむ女性たちが増えている-

伊藤忠ファッションシステム株式会社 情報フォーラムチーム チーム長 小原 直花

【要点(Point)】
(1)昨今のヨガブームをはじめ、フラメンコやフラダンス、マラソンなど、自分の身体と向き合う女性たちが増えている。
(2)スポーツに対する姿勢はもちろん真剣だが、「辛くても頑張る…」といった従来のスポ根意識は皆無。“おしゃれに”“楽しく”がキーワードになっている。
(3)スポーツウエアやグッズには、彼女たちが普段街中で着ているファッションと同じようにデザイン性が求められている。もちろん、機能性が備わっていることは必須ポイントになる。

クールビズは新たなファッションの地平を拓くか

フリージャーナリスト 土井 弘美

 環境省がはじめたキャンペーンがきっかけとなって、昨年大きな社会的ムーブメントともなったクールビズ。 これによって、久しく脚光を浴びていなかったメンズファッションに注目が集まった。ビジネスシーンではスーツしか着たことがなかったミドルエイジの男性たちが、会社の内外でそれ以外の服を着るチャンスが生まれたわけだ。この動きは定着し、そしてファッションの裾野を広げることになるのか。昨年、そして今年の環境省、素材メーカー、アパレル、リテーラーの動きを追った。

■知りたかった繊維ビジネスのキーポイント

CAD/CAM

坂口 昌章 客員研究員 有限会社シナジープランニング 代表取締役

 

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■「中国繊維ファッションビジネス研究会」インフォメーション

「中国繊維ファッションビジネス研究会」第4回公開セミナー抄録

■統計・資料

主要合繊輸出入統計 I.主要短繊維糸・織物の相手国別輸出入統計

1.綿織物輸出 2.純綿糸輸入統計 3.綿織物輸入 4.ポリエステル綿混織物(T/C)輸入

II.主要長繊維糸・織物の相手国別輸出入統計

1.ナイロンフィラメント(N-FY)の輸出 2.ポリエステルフィラメント(P-FY)の輸出 3. ポリエステルステープル(P-SF)の輸出 4.アクリルステープル(A-SF)の輸出 5. ポリエステル長繊維織物の輸出 6.ポリエステルフィラメント(P-FY)の輸入 7. ポリエステルステープル(P-SF)の輸入