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2007年4月1日
経営センサー4月号 2007 No.91

■経済・産業

乱高下する原油価格の行方

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 調査部 主任研究員 芥田 知至

【要点(Point)】
(1)原油相場は、短期的な変動要因に左右され乱高下するが、基調判断のうえでは、景気動向と中長期的な要因が重要である。
(2)原油など一次産品価格高は、中国経済が現在の高成長軌道から中成長軌道にシフトダウンするまで続く可能性がある
(3)原油高の影響を吸収しつつ、日本経済や世界経済は拡大しており、当面こうした状況は維持されるであろう。

高収益持続に向けM&Aと緻密な海外戦略が必要 -法人企業統計から見た日本企業の現状と課題-

産業経済調査部 シニアエコノミスト 福田佳之

【要点(Point)】
(1)最近の日本企業は製造業、非製造業ともに売上・収益の好調さをキープしている。
(2)その背景に、これまで抱えてきた「三つの過剰」を解消し、体質強化と収益力向上を実現したことが挙げられる。特に、製造業でその傾向が顕著である。
(3)また、有利子負債の返済をひとまず終えた日本企業は、中長期的な視点での設備投資拡大など「攻めの経営」と配当の増大など「株主重視」の姿勢を打ち出している。
(4)今後、日本企業が高収益を維持するためには、収益力向上のためのM&A や緻密な海外戦略の展開が求められる。

PDF : 詳細(PDF:513KB)

超高感度DNAチップ“3D-Gene”の開発と今後の展望

東レ株式会社 新事業開発部門 DNAチップグループリーダー 信正 均

【要点(Point)】
(1)ナノ(材料および材料加工技術)とバイオの融合で技術革新を創出。
(2)創出した技術をベースに高性能DNA チップを開発し、上市。新事業を展開。異分野の技術融合で価値創造との効果的つながりを構築するイノベーションを創出。
(3)バイオツールの領域で、国家プロジェクトへの参画と大学・国研との連携で国際競争力ある製品を開発。
(4)高度な革新技術と市場ニーズの双方向の整合性に基づく企画・推進で早期実用化。

■視点・論点

境界線への挑戦 -グローバリゼーション-

国際文化交流推進協会 理事長  元株式会社東芝 専務取締役 和久本 芳彦

【要点(Point)】
(1)グローバリゼーションについては、さまざまな意見があるが、最も近似的な言い換えは=ボーダーレス化である。グローバリゼーションは国際的なもの、国家にかかわるものと考えがちだが、企業社会でも身近に進行している
(2)戦後の事業部は縦割りの弊害から、事業本部、グループのような大きな括りによってボーダーレス化された。分社体制はスタッフ部門の権限領域を改変した。事業では業際的事業が増加し、職能分野では学際的能力が要求されている。企業内セグメントが独自に他社と合従連衡を図るのは、企業の境界線を希釈している。
(3)国は国境線の管理が難しくなり、新しい国の役割を模索している。企業に役割の変化を求めるのは環境問題、社会貢献であり、これもグローバリゼーションの現実である。

■マネジメント

グローバル企業・トップインタビュー 変化する日本市場-成功する外資系企業のトップから学ぶ 第七回 日本ストライカー株式会社

日本ストライカー株式会社 代表取締役社長 中澤 義明氏

 -骨・関節の治療に取り組むストライカー社の事業は人口高齢化という時代の要請に的確に応えるものですね。  中澤:日本の高齢化は急ピッチですが、人間、年をとりますと特に心臓など循環器系と骨に老化が顕著に現れ、傷んできます。そういう点で見ますと、患者さんの数は非常に増え、医療において重要な分野を担うことになると思っています。 

中国倒産法制の改革(行くは易し、去るは険し)

あかし法律事務所 弁護士 曉 琢也

【要点(Point)】
(1)中国に設立した現地法人が経営破綻した場合、法律上可能ではあるものの、破産処理されることは稀であった。
(2)中華人民共和国企業破産法が本年6月1日に施行され、同法は国有企業、非国有企業を問わず、企業法人に適用される。
(3)新企業破産法は、手続の公正化および脱行政化を図っており、中国現地法人の企業再編に一定のインパクトを与えるものである。

■人材

上級MOT短期集中研修「戦略的技術マネジメント研修」について(第3回) 東北大学大学院 長平彰夫教授インタビュー

東北大学大学院 工学研究科 技術社会システム専攻(技術経営・知的財産権分野)教授 長平 彰夫氏

【要点(Point)】
(1)MOTは、新しいモノを創り出すマネジメント、不確実性をマネジメントするという点で、効率性を追求するMBAとは異なり、モノ創りを中心とした我が国の産業競争力強化には重要である。
(2)「投資の経済性評価」の研修プログラムでは、戦略的意思決定を行うための基礎的な理論とツールを学ぶ。
(3)「知的財産マネジメント」の研修プログラムでは、特許戦略ではなく研究開発戦略に大きな影響を与える知的財産戦略について考える。
(4)研修効果をあげるためには、フルテキストの教材や、板書中心の講義が有効である。
(5)研修の質を常にフレッシュに保つためには、「インストラクションデザイン」の考え方が重要である。

PDF : 詳細(PDF:362KB)

気付きから学びへ -東レ経営研究所 人材開発の現場から- 第七回 東大生もノートをとらない・とれない

沖田 浩 特別研究員

 今の学生は講義のノートをとりません、またとれません。ここで「ノートをとる」といっているのは、「板書をノートに書き写す」ことではなくて、「講義の要点をつかんで、ノートにメモする」ことで、いわゆる「講義ノート」をつくることです。板書は重要な専門用語や難しい漢字を念のために黒板に書くもので、多くの場合単語であって文章になっていません。また板書されたこと=講義のポイントというわけでもありません。その板書すら書き写さない学生が少なくないのが現状です。

PDF : 詳細(PDF:120KB)

■経済用語解説

ちょっと教えて!現代のキーワード ・「見える化」 ・「地域ブランド」

■お薦め名著

『実行力不全』 -人は何故「分かっていること」を実行できないのか-

ジェフリー・フェファー/ロバート・I ・サットン著 長谷川喜一郎監訳 菅田絢子訳

■ズーム・アイ

つまらないものですが

繊維調査部 安楽 貴代美

 最近どうしても気になるCM に、「夫が妻の誕生日に洗濯機を掃除する」という場面があります。これは、使うだけで洗濯槽のカビの繁殖を防げるという某洗濯洗剤のCM で、夫はその洗剤の効果で昨年よりも汚れていなかった洗濯機に驚く、という展開が用意されています。しかし、全くの個人的な意見ですが、年に一度しかない誕生日に、わざわざ洗濯機を洗ってもらって妻は嬉しいものでしょうか。

■今月のピックアップちゃーと

「目指せ!観光立国」って言うけれど… ~旅行・観光の競争力は現状世界25位どまり~