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2013年4月1日
来るか!大彗星

 2012年は金環日食が話題となりましたが、2013年は彗星の当たり年になるといわれています。まずは3月から4月にかけてパンスターズ彗星が、そして年末にかけてはアイソン彗星が見ごろを迎えます。なかでもアイソン彗星は満月と同程度までの明るさとなると期待されており、史上最も明るく輝く大彗星の1つになるのではないかとまでいわれています。近年は南半球中心に観測される大彗星が多く、日本で見ることができる大彗星としては1996年の百武彗星、1997年のヘール・ボップ彗星までさかのぼらねばなりません。約15年前、北の空にぼんやりと輝くヘール・ボップ彗星を見た方も多いのではないかと思います。まだデジカメが普及途上で、天体撮影にはフィルム式のカメラが優位であった当事、その姿を写真に残そうと、四苦八苦しながら撮影した写真が私の手元に今も残っています。  私は、古代史が好きで古事記や日本書紀といった古文書も好んで読みますが、日本書紀にも6カ所ほど彗星の記述がなされています。古くは舒明天皇の6年(西暦634年)の8月に南の方角に見えたと記述されています。天武天皇の5年(676年)7月には「彗星が東に現れ、長さは七~八尺、9月には大空にかかった」とかなり大きい彗星が出現しています。さらに天武天皇の13年(684年)7月にはハレー彗星が観測され、「彗星が西北の空に現れ長さは一丈余り」と記述されています。古来彗星は凶兆とされ人々に恐れられていました。実際、天武13年には10月に白鳳の大地震が発生しています。山は崩れ河は溢れ、多くの官舎・家屋・社寺が破壊され、土佐の田畑五十余万頃(けい)(約12km2)が沈んで海となるなど、大災害であったことがわかります。  古代史を読み古代へのロマンを感じ同時に、空に雄姿を現すのであろう彗星にもロマンを感じ、太古の人々は彗星をどのような思いで見ていたのであろうと思いをはせつつも、大彗星の出現そのものが凶兆であってはたまりません。最近の状況はどうなのだろうと調べてみると、百武彗星、ヘール・ボップ彗星と立て続けに大彗星が出現し去っていった後の1997年後半には金融危機を迎え、日本では銀行や証券会社が破綻し、景気も後退していきました。また水稲は翌年に国内のほとんどの地域で作況指数が100を下回り不作となっています。  そのように、大彗星の出現があまり歓迎されないデータもあったりしますが、有史以来、大彗星の出現が凶事の前兆となったものばかりではないのではないかと思います。長引く不況の閉塞感に加え、社会保障制度への将来不安など不安だらけの現在の日本の状況下で、大空いっぱいに明るく輝く彗星が現れ、ほうき星の名の如く、それらの不安を掃き除いてくれる吉兆となることを期待し待ち望みたいものです。