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2004年4月28日
「2004年公的年金改革の行方」
シニアエコノミスト
福田 佳之

・日本の公的年金制度は戦後になって始まり、1961年に国民皆保険が実現したが、その後、拡大する年金給付に対して、年金負担が追いつかず、年金財政の破綻が懸念されるようになった。1985年以降、制度改革がなされてきたが、年金財政破綻の懸念は依然として解消していない。 ・2004年2月、国会に提出された公的年金改革法案は、(1)持続可能で、信頼の置ける年金制度、(2)多様な生き方、働き方に対応した制度、に再編することを目指している。 ・(1)の目的に対して、年金給付と負担の見直しなどが実施されている。 ・(2)の目的に対して、在職老齢年金制度の見直し、次世代育成支援の充実、助成と年金の関係についての施策が盛り込まれた。 ・今回の年金改革の問題点として、世代間・世代内格差の是正が充分でないこと、国庫金負担割合の引上げに関する財源が確保されていないこと、国民年金の空洞化に対する有効な施策が立案されていないこと、などがあげられよう。 ・今回を含め、これまでの年金改革には、年金制度だけでなく、医療、福祉などを含めた社会保障制度の中で包括的にとらえ、税制改革と有機的に結びつけていくという視点が欠けている。今後、社会保障制度の再構築を政府、国民一丸となって取り組まねばならない。

PDF : TBR産業経済の論点 No.04-10(277KB)