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2012年6月1日
繊維トレンド5・6月号 2012 No.94

■特別レポート

東レ株式会社・株式会社東レ経営研究所共催  繊維産業シンポジウム講演抄録(1) 合繊が果たしてきた役割とこれからの素材革命、技術の可能性

東レ株式会社 取締役  生産本部(高次加工、テキスタイル・機能資材開発センター)担当  佐々木 久衛

 ただいま紹介いただきました、東レの佐々木です。産地企業の皆さまには、日頃から大変にお世話になり、あらためてお礼を申し上げます。本日は、「合繊が果たしてきた役割とこれからの素材革命、技術の可能性」というテーマでお話しさせていただきます。日本の繊維産業が合繊の発展を通じて培ってきた技術力を、より多くの皆さまに再確認していただき、今後の繊維ビジネスを考える機会となればと思います。あくまで合繊の進化の大きな流れを主題としていることから、やや具体性に欠けるきらいもありますが、繊維技術の無限の広がりと可能性を感じていただくことを狙いとしていますので、ご容赦願いたいと思います。

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東レ株式会社・株式会社東レ経営研究所共催  繊維産業シンポジウム講演抄録(2) 色を通して見る色々なモノゴト

京都工芸繊維大学大学院 工芸科学研究科 デザイン経営工学専攻 教授  佐藤 哲也

 今日は3 つのことについて話をします。まず色のことについて、そして色の研究について、最後に、色を研究する中で、色々と感じることです。どうぞ気軽に聞いていただければと思います。

■ファイバー/テキスタイル

経済産業省・日本化学繊維協会共催 「高性能繊維シンポジウム」

繊維調査部

 3 月1 日(木)渋谷区の投資育成ビル・8 階大会議室にて経済産業省、日本化学繊維協会が共催したシンポジウム「平成23 年度中小企業支援調査・シンポジウム~高性能繊維がひらく未来~」が開催され、産学官の繊維関係者など170 名を超える参加者が聴講した。   このシンポジウムでは、冒頭、経済産業省繊維課の水野課長代理があいさつをされ、合成繊維メーカー各社が繊維素材のユーザー企業や繊維関連機関を対象に、各種高性能繊維の素材特性や用途展開等の最新情報ならびに今後の展望について解説した。

欧米のE―テキスタイルの開発動向 ―繊維とエレクトロニクスの融合―

テキスタイルジャーナリスト 米長 粲 東レ株式会社 繊維加工技術部 塩谷 隆

【要点(Point)】
(1)E―テキスタイルは、テキスタイル布帛に内蔵するセンサーや集積回路を通じて情報伝達し、フィードバックするインテリジェンス機能を有するエレクトロ・テキスタイル素材である。
(2)E―テキスタイルは、これまで防護・医療用、娯楽・エンターテインメント、スポーツ用途中心に開発が進んできた。
(3)最近は、欧州ではさらに高度の実用用途開発が進み、カーボンナノチューブ(CNT)などを活用した機能向上、太陽電池等への展開が注目されている。
(4)繊維とエレクトロニクスの融合のためには、異業種・産学官等の連携体制が必須である。

2013 年春夏向けニット生地の動向をフィレンツェに見る

株式会社インテグレード 代表取締役社長 繊維月刊誌『Twist』(World Textile Publication Ltd. 発行) 在日特派員 永松 道晴

【要点(Point)】
(1)欧州をおおう不透明な政治経済情勢のもと、会場にやって来たバイヤー達の気持ちは重苦しい不安に覆われていたが、出展側の高級ニット業者は、2011 年の好業績を背景にさまざまな新機軸の製品を展示して、対照的に意気盛んだった。
(2)緑・レモン・ピンク・オレンジ・青などの清澄な春夏色をどのような表面効果と風合いで参観者を惹きつけるか、各社非常に工夫を凝らしていた。
(3)カシミヤなどの高級な冬素材にビスコースやポリエステルを混紡して、夏素材としてのカシミヤ混が各社から提案されている。高級綿でもそのような工夫がされていて、価格を抑えつつラグジュアリー市場を広げようとする動きが見て取れる。
(4)今回のピッティフィラティでは参観者は、展示品の品質と革新性にエネルギーをもらって高揚した気分で会場を後にした。それがプルミエールヴィジョンを経て、来春夏実シーズンまでどのような展開になるか、引き続きウオッチしたい。

■縫製/アパレル

ベトナム縫製産業 ―機能高度化と国内市場―

関西大学 経済学部 准教授 後藤 健太

【要点(Point)】
(1)ベトナム縫製産業は、他のアジア縫製品輸出国と比較してもその成長が著しいが、同時に賃金の急上昇と労働力不足に陥っている。
(2)購買力のある中間層がとりわけ都市部で増大した結果、国内の衣料品市場が注目され始めている。
(3)ベトナム縫製産業の今後の発展可能性は、さらなる生産工程・製品の高度化を実現するとともに、国内市場向けの生産と流通においていかに知識集約度の高いマーケティングやブランディング、市場形成機能を効率的に習得できるかという点に懸かっている。

イタリアのプロントモーダとファストファッションの製品設計 

信州大学 名誉教授  繊維学部 創造工学系 (同大学院工学系研究科)特任教授 大谷 毅

【要点(Point)】
(1)世界の大手ファストファッション(以下FF)事業の原型(ancestor)は、イタリアのプロントモーダにある。FF の設計過程は、プロントモーダの設計過程から推定できる。
(2)ボローニャ近郊のプロントモーダから、2 つのモデルを得て、①今売れる(顧客が今欲しいと思う)製品を迅速に供給するための設計、②創造性枯渇防止と設計コスト削減のため設計製造委託と牽制の導入または社長のlast word の徹底、③近代官僚制で代替しがたい属人的要素のプラス効果の確保という特色を引き出した。
(3)世界の多数の小売業者の要求を充足できればこそFF 事業も展望できる。FF は、成功しているプロントモーダの展示即売製造卸売事業を、展示即売製造小売に変換させた事業と理解する。

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中国婦人服市場で躍進する韓国アパレル 

株式会社フランドル 上海事務所 所長 篠原 航平

【要点(Point)】
(1)成長著しい中国婦人服市場において、その存在感を強めているのが韓国のアパレル企業。
(2)上海市市中心の中級~高級百貨店/ SC において、TEENIE WEENIE を運営するE・LAND 社とBASIC HOUSE を運営するTHE BASIC HOUSE 社は一大勢力。
(3)TEENIE WEENIE とBASIC HOUSE の出店方法、出店地区、アイテムの価格帯には特徴が見られる。

■小売/消費市場

アメリカ子供服市場の現状

英字ファッション情報誌 「NY Street Fashion: Multicultural Fashion & Lifestyle Magazine」 シニアエディター マヤ・カワムラ

【要点(Point)】
(1)ニューヨーク州とニューヨーク市は、アメリカ経済復興に向け、年2 回行われるファッションウィークに加え、ファッション合同産業展示会の役割を重要視している。
(2)ENK International 社主催の子供服専門合同展示会チルドレンズクラブ展は、アメリカ子供服市場を理解する上で重要。
(3)現在、米アパレル業界で最も注目を浴びている子供服専門小売チェーン店は、子供用アパレルや小物を専門に取り扱うチルドレンズプレイス。
(4)数多くの子供服流行発信源は、他のファッション同様にハリウッド発。トムクルーズやブラッドピットなど芸能人セレブの子供達のファッションをマスコミが追いかける。

渋谷エリア分析 ―マーケットの変化と109 の動向―

東京ファッションプランニング株式会社 デザイン・企画カンパニー 社長 山田 桂子

【要点(Point)】
(1)4 月に開業する渋谷ヒカリエ(旧東急文化会館)や、東急東横店がその解体とともに新しい駅ビルとして生まれ変わるなど、渋谷の商業環境は大きく変容する。
(2)渋谷109 は、90 年代から13 年続いた好調に、昨今陰りが見えはじめ、09 年、10 年と2 年連続で前年割れとなった
(3)渋谷エリアには、ファストファッションやカジュアルSPA の出店がここ数年で多く、渋谷109 はその包囲網の中にあるが、それだけが不振の要因ではない。
(4)マーケットの変化、ギャルの変化など、マーケット環境の変化に対応しながら、独自のポジションを作り上げていくことが、今後生き残るために必要である。

■知りたかった繊維ビジネスのキーポイント

中国で売れる商業施設のポイント

事業開発研究所株式会社 代表取締役 島田 浩司

 上海を訪れた日本人が必ず言うことがある。その1 つは、「こんなにスターバックスがあると思わなかった」であり、もう1 つは、「1 杯25 元~30 元のスタバのコーヒーをこんなにたくさんの人が飲んでいる」である。

■統計・資料

主要国の合繊主要4品種の需給動向

日本/韓国/台湾/アメリカ/中国/インドネシア/タイ/インド