close

2008年3月1日
経営センサー3月号 2008 No.100

■経済・産業

中国が大衆消費ブームを迎えるには -「投資」依存から「消費」主導の安定成長実現への処方箋-

大和総研北京駐在 主任研究員 齋藤尚登

【要点(Point)】
(1)中国で現在起きているのは、所得上位10~20%の高所得者層に限定された局地的な消費ブームである。
(2)大衆消費ブームの本格化には、企業年金や各種保険など制度的な環境整備による安心感の定着が不可欠である。
(3)資産格差は凄まじいまでに拡大しており、将来的には相続税を原資とした社会保障制度の整備や教育支出の増加など、所得の再分配が消費の裾野拡大に重要な意義を持つ。

求められる生産性向上-カギを握るサービス産業

福田佳之 産業経済調査部 シニアエコノミスト

【要点(Point)】
(1)国内外で生産性に注目が集まっている。欧州連合が生産性関連統計を集めた産業別データベース「EUKLEMS」を公開したことで、生産性向上に関する政策論議は一層高まるものと見られる。
(2)「EUKLEMS」によると、日本、欧州と米国の間で生産性上昇率に差があることが明らかになった。米国はIT 投資の拡大と普及に伴い、IT 関連産業だけでなくサービス産業においても労働生産性や全要素生産性が上昇しているが、日本や欧州ではIT 投資が米国ほど強くなく、また、普及も弱いために両生産性ともに低迷している。
(3)日本の生産性を改善するためには、サービス産業の生産性向上が不可欠である。こうした認識のもとで、最近ようやくサービス産業の生産性向上への取り組みが見られる。
(4)サービス産業の生産性向上は、サービス産業だけでなく製造業にも恩恵をもたらすと考えられ、官民挙げて取り組む必要がある。

PDF : 詳細(PDF:919KB)

韓国ライバル企業を追う(1) -存在感を増す韓国グローバル企業 事例(1)ポスコ-

永井知美 産業経済調査部 産業アナリスト

【要点(Point)】
(1)サムスン電子、LG 電子、現代自動車、ポスコ等、韓国グローバル企業の存在感が増している。DRAM、液晶パネルではサムスン電子が世界トップであり、現代自動車の世界販売台数はホンダ、日産を上回る。
(2)1990 年代後半以降の韓国グローバル企業躍進の背景には、(1)事業の選択と集中、(2)リスクをとる姿勢、(3)ローエンドからハイエンドへの転換成功、がある。
(3)本シリーズでは韓国グローバル企業の事例研究対象として、ポスコ、サムスン電子、現代自動車を取り上げる。
(4)ポスコは粗鋼生産量で世界第5位の有力企業であり、収益性で日本の大手鉄鋼メーカーを上回る。技術力でも日本メーカーに次ぐ水準である。
(5)ポスコは果敢にリスクをとり海外展開を進めている。日本の大手鉄鋼メーカーが今後も技術力で優位に立てるか否かは、産業連携が鍵であると見られる。

PDF : 詳細(PDF:1,101KB)

■視点・論点

グローバライゼイションと日本

株式会社エル・ビー・エス 代表取締役会長 竹中誉

■マネジメント

中国の製品事故リスク -所変われば品変わる-

あかし法律事務所 弁護士 曉琢也

■人材

人事担当から見た成果主義の副作用 -ヒューマン研究会(第18 期)活動紹介から-

釘崎康弘 人材開発部 プランナー

【要点(Point)】
(1)この10 年、企業業績回復の下支えのため人員削減や成果主義の導入がなされたが、今それらの副作用が指摘されている。異業種研究会「ヒューマン研究会」では、「組織アーキテクチャー」という概念を用い、この副作用の発生原因と解決策について、2 チームに分かれて研究を行った。
(2)多くの職場が現場力を失いつつある。人員削減や組織のフラット化などにより「人ベース組織」の強みが失われつつある中、リーダーは仕事力があることはもちろん、コミュニケーション能力など今まで以上に組織を維持する力が求められる。
(3)量採用された後期バブル入社層は、その後の経済環境の悪化に伴い、マネジメント職への活用が遅れたまま今日を迎えている。彼・彼女らの有効な活用のために、昇進や専門職への門戸を開くことが組織活性化のための鍵となる。また、このことは今後の大量採用への警鐘も鳴らしている。

PDF : 詳細(PDF:933KB)

気付きから学びへ ―人材開発の現場から―(第16回) 「勉強」「学び」そして「科学」からの逃走

沖田浩 特別研究員

■経済用語解説

ちょっと教えて!現代のキーワード ・「デカップリング」 ・「経年劣化」

■お薦め名著

『オーボエとの「時間」』 -あの優雅な音色は激しい鍛練と忍耐から生まれる-

宮本文昭 著

■ズーム・アイ

記憶に残る誕生日プレゼント

人材開発部 福田貴一

■今月のピックアップちゃーと

2010 年以降は中国が世界最大のエネルギー消費国に

■TBRの広場

書籍ご紹介