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2010年10月1日
繊維トレンド9・10月号 2010 No.84

■海外動向

中国ビジネス発想の転換(後編) -日本企業が中国市場に進出するためのビジネスモデル-

坂口 昌章 客員研究員 有限会社シナジープランニング 代表取締役

【要点(Point)】
(1)中国企業による日本企業の買収が進んでいる。その主な目的は、大競争時代に対応するためのブランド及びノウハウの取得である。
(2)中国企業自身、中国内販には知名度の高いブランドが必要と考えている。知名度が低ければ、プロモーション投資のために新たにお金と時間を費やして知名度を上げなければならない。
(3)日本のメーカーは問屋、商社等から受注するOEM生産が主体である。しかし今後は、中国市場、日本市場を含め、少なくともサンプル製品の企画機能は持たなければ、OEM生産の受注も困難である。企画機能がなければ、デザイナー等と連携し、ライセンスブランドを展開するのも一つの方法である。
(4)中国市場進出では、中国市場ニーズに対応しなければならない。同時に、価格競争力の強い中国メーカーと差別化しなければならない。デザイナーの国籍等も柔軟に考えるべきである。また、中国人デザイナー企業へ投資するという発想も選択肢の一つになる。
(5)多くの日本企業は、中国市場進出に際して独資企業設立を選択するが、合弁、連携、投資等、様々な形態を柔軟に考えるべきである。自社だけが利益を上げ、日本に利益を持ち帰るという発想では中国での協力者を得ることはできない。日本・中国双方がWIN − WIN の関係となるような体制づくりが必要である。
(6)中国市場進出は、グローバルビジネスのスタートラインであり、日本、中国、アジアを俯瞰したビジョンを持つべきである。また、できるところから行うという発想ではなく、必要条件を整備してから中国市場進出に取り組むべきであり、そうした戦略性を獲得することがグローバル企業として飛躍するための条件となる。

PDF : 詳細(PDF:820KB)

PITTI FILATI 2011/12 秋冬物糸展

ニットデザイナー 小川 健一

PDF : 詳細(PDF:3,518KB)

米国靴下産業の現状と展望

NYファッション情報誌「NY Street Fashion: Multicultural Fashion & Lifestyle Magazine」 シニアエディター マヤ・カワムラ

■国内動向

化繊工業の環境安全問題への取り組み

日本化学繊維協会 技術グループ 主任部員 大松沢 明宏

【要点(Point)】
(1)化繊各社は、企業活動における更なる環境負荷低減に向けて、1)省エネルギー・温室効果ガスの排出削減対策、2)化学物質管理、3)廃棄物削減・3R(リデュース、リユース、リサイクル)対応などの取り組みを推進している。
(2)日本は京都議定書で温室効果ガスの排出量を2010 年までに1990 年対比で6%削減することを公約しているが、化繊協会の環境行動計画指針では、同じ期間において「エネルギー原単位を10%削減」することを目標に掲げている。この目標は、会員各社の精力的な取り組みによって、2008 年までに既に11%を改善している。
(3)化学物質管理に関しては、化学物質排出把握管理促進法(PRTR 法)の対象物質や、大気汚染防止法で定めるVOC(揮発性有機化合物)の環境中への排出量削減に取り組んでいる。2008 年度の環境排出量は、排出削減対策による成果と不況による生産減が重なったことから、目標を大きく上回る改善を達成した企業が多い。
(4)3R に関しては、1)工場発生繊維屑の減量化とリサイクル、2)繊維製品の回収リサイクル、3)再生原料の利用などを通じて、循環型社会構築に貢献するべく積極的な取り組みを推進している。

■縫製/アパレル

シリーズ 日本ファッションアパレルの課題と今後の展開 第10 回 パリ・メゾンP の設計製造過程(2) -エレガンスという情報の服飾造形による表現-

日本貿易振興機構アジア経済研究所 アフリカ研究グループ 福西 隆弘

杉野服飾大学 服飾学部 教授 鈴木 明 信州大学 名誉教授・繊維学部 特任教授 大谷 毅

【要点(Point)】
(1)服飾とは設計図面に描かれたエレガンスという情報を、服飾素材という媒体に固定したものであるとみることもできる。そのパリ・メゾンの設計過程は、完成品の姿の概要を描くことに注力し、製造工程の各作業を厳密に指示せず、製造工程の作業員の自発的に察する姿勢と想定力にかなり依存している。
(2)パリ・メゾンのエレガンスとはメゾンのクチュリエとメゾン顧客の情報共有の範囲にある。
(3)製造工程のなかでは、生産性よりも「手作業」を重視する場合がある。
(4)パリ・メゾンのオートクチュールはもとより“プレタポルテ” にあっても、製造工程の中の裁断と縫製は服飾造形に重要な機能を果たしている。服飾造形は1 次設計だけでは語りつくせない。
(5)オートクチュールで培われた設計過程・製造工程は、“プレタポルテ” の設計・製造にも大きく影響し、これがパリ・メゾンの“プレタポルテ” と他の既製服との大きな差別要因になっている。
(6)服飾とその造形に関する日本の品質基準、更には設計過程・製造工程の基本的考え方は、必ずしも世界で通用するとは限らない。

PDF : 詳細(PDF:1,284KB)

春のヤングマーケット総括

東京ファッションプランニング株式会社 デザイン・企画カンパニー 社長 山田 桂子

【要点(Point)】
(1)2010 年春、ヤングマーケットにおいては、“スイート・カウガール” がメガトレンドとなった。
(2)売れ筋商品も、ダンガリーシャツ、小花柄ワンピース&コンビネゾン、レースなど、“スイート・カウガール”を構成するアイテムが目白押しだった。
(3)ヤングの3大テースト、赤文字系、ギャル系、ナチュラル系の枠を超えて、今春は売れ筋が一極集中した。これは、極限まで振れたそれぞれのテーストが中庸化に向かったからだと考えられる。
(4)中庸化の核にあるのは、ガーリー系と呼ばれる新たなテーストで、ここ2~3年拡大している。

■知りたかった繊維ビジネスのキーポイント

市場としてのインド

日本化学繊維協会 理事 杉原 克

■統計・資料

主要合繊別・国別・メーカー別設備能力(現状及び増設計画)

合繊原料編   ・カプロラクタム ・テレフタル酸 ・DMT ・エチレングリコール ・アクリロニトリル 主要合繊編   ・ナイロンフィラメント ・ポリエステルフィラメント ・ポリエステルステープル   ・アクリルステープル ・レーヨンステープル ・スパンデックス ・スーパー繊維