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2014年6月3日
経済観測:消費増税後の日本経済をどう見るか - デフレマインド払拭が鮮明に、回復持続のカギは輸出 -
チーフエコノミスト
増田 貴司

・日本経済は緩やかな景気回復を続けており、消費増税後も回復基調は維持される見通しである。 ・海外生産シフトにより輸出が伸びない構造になったこと、経常収支赤字化への懸念が台頭したこと、株価が頭打ちとなりアベノミクスへの失望感が出てきたことなどから、一部に景気失速論もみられる。だが、これらは景気回復シナリオを崩すものではない。 ・最近、企業がデフレマインドの払拭を示唆する行動をとり始めていることが観察される。価格転嫁がしやすい環境が生まれ、企業が多様な価格戦略に挑戦するようになり、価値あるものを高く売るための取り組みが活発になってきた。 ・日銀の異次元緩和は、デフレマインド払拭に間違いなく効果を発揮した。だが、それと引き換えに大きなリスクを抱え込んだ点も認識する必要がある。 ・消費増税後の内需の落ち込みを乗り越え、景気拡大が持続するかどうかは、輸出を起点とする好循環メカニズムが始動するか否かにかかっている。 ・アベノミクスが導入され、貿易赤字が定着した現在でも、日本の景気を読む上での最重要ポイントは、輸出の伸びと世界経済の拡大ペースである。

【キーワード】

日本経済見通し、アベノミクス、消費増税、輸出の伸び悩み、経常収支赤字化懸念、デフレマインド払拭、企業の価格戦略、異次元緩和の行方、景気回復持続のカギ、リスク要因

PDF : TBR産業経済の論点 No.14-04(595KB)