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2014年10月22日
注目されるASEAN経済の行方(下) ~ 「中進国の罠」を回避して先進国の仲間入りするにはハードルが存在 ~
シニアエコノミスト
福田 佳之

・「中進国の罠」とは、途上国が発展初期において急速に経済成長を遂げるものの、その後、成長が低迷して先進国の経済水準まで到達できない状況を指す。中進国の罠に陥る背景として、中進国が先進国の経済水準まで上昇させるための成長戦略を採用していないことがある。 ・中進国の罠を回避するには、多様性から特化への生産パターンの転換、要素主導型から生産性主導型への経済成長パターンの転換、そして中央集権から地方分権への転換がある。 ・これまでASEAN諸国の経済発展は資本などの要素を集中投入することで高成長を遂げてきた。2000年代半ばまで全要素生産性を計測しても、その成長パターンは変わらないため、中進国の罠に陥る可能性がある。 ・ASEAN諸国が中進国の罠を回避するには、国有企業改革による市場メカニズムの貫徹、政府の統治能力の改善、教育・研究開発への投資増などの構造改革が不可欠である。

【キーワード】

中進国の罠、全要素生産性、寄与率、貿易・投資の自由化、工程間分業、マクロ経済ショック、中国の台頭、世界貿易機関(WTO)、国有企業改革、政府の統治能力、構造改革

PDF : TBR産業経済の論点 No.14-06(566KB)