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2007年12月1日
経営センサー12月号 2007 No.98

■特別企画

日本の経済・企業の将来 -モノづくり、人材、組織、情報システムの視点から- キャリアマネジメントとリーダーシップ -働くことの真の意味とは何か?-

縄文アソシエイツ株式会社 代表取締役社長 古田 英明

日本経済・企業の行く末 -正しく競争に勝ち抜く道を拓く-

筑波大学大学院 システム情報工学研究科 教授 住田 潮

■経済・産業

生産性向上の原動力は「働き甲斐」 -企業・自治体の事例から-

高橋 健治 常務理事 特別上席エコノミスト

【要点(Point)】
(1)世界一生産性の高い造船所、大島造船所は、4隻同時建造、独立分散型の生産工程などで高い生産性を上げている。労使の一体感、向上意欲もその一因。
(2)トヨタ生産方式は多方面で導入されているが、その真髄は「ムダの排除」である。
(3)キヤノンのセル方式は、トヨタの「多工程持ち」がヒント。従業員のやる気、働き甲斐を高め、創意工夫によって生産性が大きく向上している。
(4)中国の日系企業でも、作業者の企業帰属意識を高めて生産性が向上。
(5)サービス業、地方自治体も、製造業に学び、効率を上げた例がある。

PDF : 詳細(PDF:529KB)

2008年世界経済を読み解く10のキーワード - 米国内に生じている政治経済的動きに今こそ注目を-

福田 佳之 産業経済調査部 シニアエコノミスト

【要点(Point)】
(1)2008年世界経済は好調な途上国経済に支えられて拡大を持続しよう。気がかりなのはサブプライム問題の影響を引きずる米国経済の動向である。
(2)欧州、特にドイツは欧州域内において効率的な生産体制を構築している。その結果、拡大した輸出が景気回復を主導している。
(3)2008年11月に大統領選挙を控える米国では、グローバル化の是非やポスト京都議定書の内容を巡って論議が活発となっている。国内では反グローバルの動きが出てきており、大統領候補の中にはそれを取り込む動きがあることに警戒が必要である。環境問題の取り組みでは州レベルの取り組みが連邦レベルを動かしている面を理解する必要がある。
(4)また、競争力向上策として、基礎研究重視と理数系人材育成に重きを置いた「America COMPETES法」が制定されており、世界各国のイノベーション政策のあり方に影響を与えよう。研究を主眼とする大学でも、理数系教師の養成に乗り出していることは注目に値する。
(5)10のキーワードは以下の通り。
《1》貿易・投資の自由化、《2》北京五輪、《3》工程間分業、《4》ドイツの輸出復活、《5》逆資産効果、《6》補助金相殺関税(CVD)、《7》反グローバルの動き、《8》「America COMPETES法」、《9》理数系教師の養成、《10》ポスト京都議定書

PDF : 詳細(PDF:338KB)

総合商社業界の動向と新規ビジネス -商社夏の時代」の背景と商社ビジネスの変化-

丸紅株式会社 経済研究所 研究員 安部 直樹

【要点(Point)】
(1)総合商社業界は今、未曾有の好業績の最中にあるが、資源価格の上昇だけが背景ではない。
(2)事業投資の進展により、「総合商社」=「貿易会社」という位置付けは完全に過去のものになった。
(3)新規ビジネスへの取り組みも盛んで、ナノテク・バイオ、排出権、ライフケアなどへ積極投資が見られる。
(4)「商品の総合」から「事業、機能の総合」への動きが見られる。

■視点・論点

企業経営と文化の効用(第2回)

谷川ヒューマン・テクノ研究所 代表 谷川 孝博

  前回は、「日本の文化は、世界の中でも極めて特殊で閉鎖的な文化である」と、地政学的に伝えた。ところが、桂離宮を「日本文化の簡素・単純・静閑の極致」と評価し、これと対比して日光東照宮を「粗野な俗悪品」と見なしたことで知られるドイツの建築家ブルーノ・タウト氏が、1930年代半ばの時点で既に次のように推察していた。

■マネジメント

グローバル企業・トップインタビュー 変化する日本市場-成功する外資系企業のトップから学ぶ 第10回RSAセキュリティ株式会社

RSAセキュリティ株式会社 代表取締役社長 山野 修氏

-御社は設立後11年という若々しい会社ですが、これまでの生い立ちをお聞かせ下さい。 山野:アメリカの親会社はMIT にいた3人の学者(R.Rivest、A.Shamir、L.Adleman )によって誕生いたしました。3人は暗号の専門家で、公開鍵暗号という特殊な仕組みの暗号を1977年に発明しました。この発明は画期的なもので、3人の名前の頭文字をつけて「RSA公開鍵暗号」という名称で登録され、1983年に特許も取得しました。

中国における企業経営の現地化を考える視点

浦上アジア経営研究所 代表 浦上 清

【要点(Point)】
(1)中国ビジネスはモノづくりの活動を中心とする時代から、販売・サービス活動が重要になる新しい時代に入っている。中国市場を見据えた事業戦略の組み立てと実行のためには、現地人材の活用が重要であり、企業経営の現地化は大切な課題である。
(2)本稿で取り上げた台湾企業と米国企業のアプローチに見られるように、企業が置かれた状況と企業の特徴により、企業経営の現地化の進め方は異なる。現地化の経路はひとつではない。
(3)本稿では、日本企業を取り巻くビジネス環境の変化を踏まえ、これからの企業経営の現地化のために今何をなすべきかについて考察する。

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■人材

気付きから学びへ -人材開発の現場から-(第14回) 建前と本音

小林 元 特別研究員

 今、日本の企業では個の異質さの中にイノベーションの大いなる可能性があるとの認識が高まり、「創造力開発講座」が数多く開かれていると聞く。  その方向性は、正しいと思うのだが、異質の考えを仕事の上で部下が持ち出した時、上司はどのように対応するのだろうか。対等の立場で論理的に議論して、部下の考えに優れた点がある場合には、上司は自分の考えを修正する用意があるのだろうか。そのように管理者は教育されているのだろうか。この点について一抹の不安を感じざるを得ない。

■経済用語解説

ちょっと教えて!現代のキーワード ・「人的資本」 ・「競争的資金」

■お薦め名著

『渋滞学』 -渋滞にみる分野横断的発想-

西成 活裕 著

■ズーム・アイ

大阪弁は、母なる音

繊維調査部 足立 敏樹

 日本語の大きな特徴は、唇をあまり使わずに口の奥で発音・発声(構音)する「喉語」である。つまり、日本語は喉(口の奥)で構音するので、あたかも腹話術のようにほとんど口を開けなくても、唇と唇の間にほんの小さな隙間さえ作れば聞き取ることができ意味を理解させることは可能である。ところが、英語、仏語、中国語をはじめ他の多くの言語は、基本的に唇と舌の形を多彩に使って「口の先っぽ」で構音するので、能面のように無表情で腹話術のようにほとんど口を開けないで発音すると、何を言っているか全く分からなくなる。試しに、お箸かボールペンを横向きにくわえてしゃべってみよう。

■今月のピックアップちゃーと

はびこる海賊版商品 ~中国での模倣被害は依然増加傾向~

■TBRの広場

「中国ビジネス研究会」上海社会科学院市場調査研究所との提携による各種調査・コンサルティング新サービスについて