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2008年10月1日
経営センサー10月号 2008 No.106

■経済・産業

高騰を見せた資源価格と、その行方

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 調査部 主任研究員 芥田 知至

 原油相場が7月の高値から下落してきた。金属や農産物の価格も下落している。いよいよ原油バブル、資源バブルの崩壊が始まったという表現も目にする。こうした見方の背景には、資源の需給や経済の構造はそれほど変わっていないのに、原油価格をはじめとした資源の価格が数年の間に大きく変化してしまうのは変だという考えがあるのだろう。しかし、資源高は、経済情勢の大きな変化によって促されたと見た方が視界は広がるように思われる。本稿では、資源全般を広く取り上げてみたい。 

よみがえれ!国産ジェット -次代の主力産業として注目を集める航空機産業-

株式会社武蔵情報開発 代表取締役 ハイテクアナリスト 杉山 勝彦

【要点(Point)】
(1)今年3月、日本の航空機業界悲願の日の丸ジェット旅客機「MRJ」の事業化がスタートした。国産ジェット機がいよいよ世界に挑戦する。
(2)素材の供給から構造材の加工技術まで日本が得意とする炭素繊維複合材の採用が、航空機産業における日本の地位を向上させた。
(3)MRJはライバル機を30%も上回る燃費性能の良さが強みだが、実績がないゆえの販売面での課題も多い。
(4)国産ジェット機の開発を伴う航空機産業の発展は、日本の製造業を再生する起爆剤になる。

旅行業界の現状と課題 -足元の需要は低調、燃油サーチャージ高騰、若年層の海外旅行離れで苦戦-

永井 知美 産業経済調査部 産業アナリスト

【要点(Point)】
(1)足元の旅行需要は、消費マインドの低下、燃油サーチャージ高騰、海外物価高による海外旅行の割高感の高まり等を背景に、低調に推移している。
(2)日本人の国内旅行・海外旅行の低調とは対照的に、訪日外国人数は過去最高水準ペースで増加している。ただ、日本の旅行会社から見ると、外国人の訪日旅行は手配業務やオプショナル販売にとどまり、拡大する需要の恩恵に浴しているとは言い難い。
(3)旅行業界を取り巻く環境は、過当競争体質、旅行会社を通さない旅行の増加、若年層の海外旅行離れなどから、先行き楽観できない。
(4)インターネットの普及による中抜き現象が進む中、旅行会社は価格重視の若年層、旅行市場の中核である質重視のリピーター層という異なる性格の客層への対応を迫られている。

PDF : 詳細(PDF:507KB)

■視点・論点

復活した”口先三寸の罠”

特定非営利活動法人海外活動支援ネット 理事 危機管理アドバイザー 柴田 信之

■マネジメント

在外子会社の会計処理の統一における中国子会社の対応

望月コンサルティング(上海) 有限公司パートナー 川嶋 広行

【要点(Point)】
(1)2008年4月1日以降の事業年度から、日本の上場会社に対して実務対応報告第18号の適用が開始された。
(2)同報告では、日本における連結財務諸表作成の際に、在外子会社に対しても親会社と同じ会計基準(日本基準)を適用して財務諸表を作成することを求めている。
(3)ただし、国際財務報告基準、米国会計基準により連結財務諸表を作成することも当面の取扱いとして認めている。
(4)上場会社の中国子会社として、どのように対応するかが問題となっている。

PDF : 詳細(PDF:295KB)

■人材

上級MOT短期集中研修「戦略的技術マネジメント研修」について(第13回) 日本語ワープロ開発者が語る「開発におけるリーダーシップとコンセプト創造」 -「特別講演」技術・事業開発とリーダーシップ-

東京理科大学専門職大学院 総合科学技術経営研究科  教授 森 健一氏(元株式会社東芝 常務取締役) 講演録 企 画:MOTチーフディレクター 宮木 宏尚 記録・写真:山崎 阿弥(フリー・ライター)

【要点(Point)】
(1)これからの企業経営に必要な第1の課題は、新規事業開発。我が国ではこのための人材が不足している。
(2)新規事業開発を可能にするためには、人材育成が必要。自律的なキャリア形成の奨励、「金太郎飴」でない多様性のある人材育成、経営幹部候補の早期選抜、技術開発、事業部門の両方の経験を積ませること、また、エキスパートと呼ばれる人材を大事にしていくことなどが重要である。
(3)開発リーダーに必要な要件は、(1)経営トップの目指す未来像を確実に理解していること、(2)それを実現するための高い志と夢を持っていること、(3)専門分野の将来の技術マップを持ち、コンセプト創造に必要な部門に良い仲間を持っていることなどである。
(4)技術先進国は、いずれも模倣時代を経て創造時代を築いてきた。我が国も、米国の次の国として創造時代に踏み出す時期になっている。
(5)事業のコンセプト創造には、「顧客のために」ではなく、「顧客の立場で」という発想が重要である。実現するための技術検討は、その後でよい。顧客が真に求めている価値を特徴とする「OnlyOne商品」を作ることができれば、必ず成功する。

PDF : 詳細(PDF:638KB)

次代のリーダーを目指す創発の場 -新しい経営感覚を磨く「次世代経営者育成塾」のご紹介-

内藤 陽子 人材開発部

 企業を取り巻く環境がめまぐるしく変化し、経営者が難しい決断を迫られる場面が増えています。企業ではこのような局面に対応できる次世代リーダーを育てるべく、自社内で経営スクールを開催したり、外部コースへ派遣したりしています。次世代リーダーとして必要なスキルや知識を得た幹部候補の皆様方、更に自分を磨き、実践する力を付けていくために東レ経営研究所が企画した「次世代経営者育成塾」をご紹介します。

■経済用語解説

ちょっと教えて!現代のキーワード 「石油備蓄」「キャップアンドトレード」

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Clayton M. Christensen 著 玉田俊平太 監修/伊豆原 弓 訳

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海外出張で欠かせぬ“紙の束”

産業技術調査部 岩谷 俊之

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